水口哲樹『労務管理の古典に見る労働の現場を歩いた先駆者たち』
水口哲樹『労務管理の古典に見る労働の現場を歩いた先駆者たち』(労働調査会)をお送りいただきました。ありがとうございます。
労働調査会のHPにはまだ出ていませんが、労働基準広報編集部のブログには既に出ているので、そちらをリンクしておきます。
http://rodokijun-koho.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-802f.html
「調査なくして政策なし」「人はモノではない」「ピンハネはゆるさない」
熱き言葉とともに労務管理の先駆者たちがよみがえる。過去があり、そして、今がある。
先史時代から行われてきた「労働」「労務」「役務」「仕事」……しかし、科学的に理論的に分析や研究がなされてきたのは百年足らず。だが、それは人類にとって怒涛の百年であった。時代を駆け抜け、労働環境を整えた先駆者、人間と勤労・労働・仕事のメカニズムに挑んだパイオニアたちの著書は私たちに何を語るのか。折井日向、小林茂、中山伊知郎、内務省衛生局、レスリスバーガー、ロナルド・ドーア、尾高邦雄、鈴木春男、津田眞澂、森五郎G・フリードマン、岡本秀昭、マクレガー、中岡哲郎、小池和男内外の賢人の軌跡を一冊に凝縮。その想い、ノウハウ、そして、人が仕事をするということは何か?温故知新という言葉だけではおさまらない…。振り向くと真剣勝負に挑んだ先人たちがそこにいる。
『先見労務管理』(労働調査会発行)の15回にわたる連載「労務管理の古典を読む」を著者の水口氏が多岐にわたりアップデートしたもので、有名な古典的書籍から、知る人ぞ知る、知らない人は全然知らない本までさまざまです。
ここでは、そのうち知る人ぞ知る本を2冊ほど紹介しておきます。どちらもかつて日本労働協会が出版していたJIL文庫所収で、鈴木春男『中小企業で働く人々』と岡本秀昭『工業化と現場監督者』です。
前者は、大学紛争かで若き新進気鋭の学究だった鈴木氏が中小企業労働者の生活や移動の実態を克明に調査したもので、とかく大企業労働者中心の議論の視野から消えがちな彼らの姿を浮かび上がらせていますし、後者は管理監督者の問題を雇用の根っこにさかのぼって考える上で不可欠なさまざまな知識を得ることができました。いずれも最近は知る人もほとんどない本だと思いますが、是非図書館の書庫の奥あたりから引っ張り出して読まれて欲しいものです。
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