中央労働基準監督署長(Y興業)事件
本日、東大の労働判例研究会で報告。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/yoshimoto.html
Y興業というのは吉本興業。Xに暴行をふるった大物タレントEというのはご存じ島田紳助です。
芸能ネタとスポーツネタ(相撲解雇事件)のどっちにしようかと迷って、芸能ネタにしました。
労働法学的にはあまり重要な論点はありませんが、こういうのもあるということで。
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判例研究読ませていただきました。
資料がないので、不案内、かつ余計な疑問なのですが(お許しください)。
大雑把に言ってタレントは個人事業主で、タレント事務所とは委託(請負)関係と言うのが相場(差し詰め占有子会社、ないし連結決算子会社といったところ)だと思います。
あと、これは私の経験上なのですが、同じ現場に入れば、挨拶(例の「おはよーございます」というやつです)をしたり、ほかの現場に関連した話題を話すのは慣例であり業務上の行為だと思います。
通常、タレント事務所であってプロモーションも自社で行っているとすると、事務所自身が民間職業安定機関の免許も持っている場合も多いと思います。
本件の場合ですが、同じ事務所所属であっても担当タレントが違うので、少しややこしいのですが、Y興業と有名タレントEには労働関係が本当に認められないのかどうか。
例えば、タレンEトと、その出演の事業場間での労働者供給契約に基づく労働者供給事業であった可能性は否定されるのでしょうか。若しくは、タレント事務所が、個人事業主であるタレントに前者の雇用労働者であるマネージャーを労働者派遣したということも完全に否定されるのかどうか。
また、同一の事業場(そこにいて働くことを命令されているのですから)であっても、第三者からの不法行為による被害であれば、その事業場の支配的な立場によって惹起された労働災害ではないと言い切れるのでしょうか。・・・素人疑問です・・・。
あと、なんとなく言いがかり的になりますが、マネージャーとか下位のタレントとかが、上位の者から受けるパワハラのようなものというのは、そこ(事業場)の支配的立場の者が意図的に惹起した行為だということも言えなくもないように思えます。
投稿: endou | 2014年1月17日 (金) 22時39分