夢のないポエ
本日のNHKクロ現が、「あふれる“ポエム”?! ~不透明な社会を覆うやさしいコトバ~」という大変おもしろいテーマを扱っていて、
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3451.html
居酒屋、介護士、トラックドライバーなどの業界で、「甲子園」と呼ばれるイベントが人気だ。「夢をあきらめない」「みんなを幸せに」…どれだけ言葉が心を打ったかを競い合う。震災以降、こうしたシンプルで聞き心地のいい言葉の多用が、若い世代のみならず、広告宣伝や企業の研修、そして地方自治体の条例など公共の言葉にも広がっているとして、社会学者や批評家らが「ポエム化」と呼んで分析を試み始めている。共通する特徴は、過剰とも思える優しさ・前向きな感情の強調だ。この風潮を特に支持するのは、「年収200万時代」の低収入の若者層と言われるが、厳しい現実を生き抜くために現状を肯定しようとする傾向が年々強まっているとされる。「ポエム化」の現場を通し、社会で何が進行しているのかを考える。
出てきて冷ややかな批評を加えるのが、小田嶋隆さんと阿部真大さんで、阿部さんはもちろん「やりがいの搾取」。
さて、これにぽつりとつぶやくのが、あの古市(poe1985)さん。
https://twitter.com/poe1985/status/423040148389888000
クローズアップ現代に一瞬映り込んでた。国定ポエム集「心のノート」を読んでみた/古市憲寿 「新潮45」13年3月号
ほう、ム(夢)のないポエさんがポエムを論じた文章があるんですね、とそのリンク先を読んでみると、
http://www.gruri.jp/topics/13/04251955/index.html(国定ポエム集「心のノート」を読んでみた)
これは傑作。いい方向にも悪い方向にも期待を裏切る手腕に欠けては屈指の実力を誇る古市さんですが、これは見事。
« 「日本の雇用と労働法」短評 | トップページ | 海老原嗣生さんの限定正社員論、女性活用論 »
これ見ました。
仰せのとおり、小田嶋隆さんと阿部真大さんは、冷ややかなコメンテーターでしたし、小生もこの二人のコメントに同調しています。取りあえず。
「問題のえぐり出しには失敗しているな~」、と思っていました。
何で直ぐに「16時間労働は、どんな協定を結んでいるんだ?」と反応しないのだろう!。などと、冷ややかすぎる二人のコメントに、うちのカミさんと注文をつけながら見ておりました。
うちのカミさん曰く「突っ込みどころがちょっと違うじゃないか」、私「それは、あの人たちの専門性がそうなんだろう」、
カミさん「だったら、ポエム化の問題は音楽や演劇なら当たり前で、その延長がこの人たちの労働なんだから。洗脳されていることを装ったっていいわけで、それが長時間労働になっていることが問題なわけで。この番組、労働問題の専門家も呼んだら」。
小生「おっしゃる通り、(心の中で参りました)」。
ということで、うちのカミさんの言うことが制度上は正しいと思います。
ただ勿論、あれが単なる業務上の演出(フィクション)だという整理で済まされない域に至っていることは判ります。ちょっと危ないと思います。警察や海保、自衛隊、それにちょっと前の松戸消防も同じだったような気がします。
投稿: endou | 2014年1月15日 (水) 00時49分