hamachanブログ2013年ランキング
1.中小企業ではスパスパ解雇してますよ 24,527
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-12a7.html
世間では解雇規制の議論が盛り上がってきているそうですけど、何にせよ、日本社会の現実の姿からかけ離れた思い込みを前提に議論がされたのでは、あらぬ方向に走って行くばかりですので、
2.古市くん、チョーまともじゃん 16,645
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-7a24.html
例の「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」に「有識者」として出席した古市憲寿さん。ネット上では誰の代表のつもりだ・・・とかなりな言われようでしたが、公開されたその議事録を読んでみると、実にまっとうな議論を堂々と展開しています。
3.経済学者の意識せざるウソ 13,898
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-fee2.html
今朝の朝日の15面、経済学者の松井彰彦氏が、「改正労働契約法 「身分差」埋める努力を」というのを書いているのですが、これが、法律そのものを知らないまま、慣行を法律規定と思い込み、その慣行を是正しようとしている法律を、その趣旨と正反対のものと取り違えるという、ある種の経済学者に典型的な間違いを堂々と犯しています。
4.何で日本の左派なひとは「成長」が嫌いか 11,982
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-8159.html
メンバーシップ型社会では、景気が良くなっても「作業」は増えるけれど、「ジョブ」は増えるとは限らない。とりわけ非正規は増やすけれど、正社員は増やすよりも残業で対応する傾向が強いので、働く側にとってはいいこととばかりは限らない。
5.なにい?労働生産性が低いい?なんということだ、もっとビシバシ低賃金で死ぬ寸前まで働かせて、生産性を無理にでも引き上げろ!!! 10,050
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-8791.html
ただ、付加価値生産性とは何であるかということをちゃんと分かっている人にはいうまでもないことですが、世の多くの人々は、こういう字面を見ると、パブロフの犬の如く条件反射的に、
なにい?労働生産性が低いい?なんということだ、もっとビシバシ低賃金で死ぬ寸前まで働かせて、生産性を無理にでも引き上げろ!!!
いや、付加価値生産性の定義上、そういう風にすればする程、生産性は下がるわけですよ。
6.それが普通のレギュラーワーカー、日本の「正社員」は疑似エリート 8,440
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-50bd.html
本ブログで何回も繰り返してきたことですが、こういう雇用形態を「中間」とか「准正規」とか言うこと自体が、特殊日本型「正社員」という世界的にはかなり特殊な形態をデフォルトだと思っている特異な発想に基づくものなんですね。
日本以外の普通の感覚からすれば、ここで「中間」とか「准正規」と呼ばれている在り方こそ、ごくごく普通の労働者(レギュラーワーカー)の姿であり、適度に安定していてそこそこの賃金を得られる普通のノンエリート労働者の働き方。
7.まともな左派の悩み方 8,196
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-af70.html
まともな左派は、つまりリベサヨでなく、労働者の雇用と生活の向上を何より大事に考える左派は、こういう風に悩まなければなりません。
左派の代表格のような顔をしてしゃしゃり出たがる人々に限って、こういう悩みをほとんど持っていなさそうに見えるところが今日の日本の大きな問題なのでしょうけど。
8.ジョブ型正社員が(貴様ぁ)解雇しやすいなんてのは大嘘 7,880
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-5f42.html
間違った認識のマスコミ報道が、その認識に基づいた間違った理解を生み出し、それに対してまっとうな現実認識を持った人が、元々の議論に対してとんでもなく的の外れた批判をしてしまう・・・という奇怪な事態が、ジョブ型正社員構想をめぐって起こっていることを、この冷泉彰彦さんの文章ほど見事に浮き彫りにしているものはないように思われます。
9.半分だけ正しい竹中平蔵氏 5,866
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-1c39.html
「日本の正社員というのは世界の中で見ると非常に」特殊な在り方であるということ自体は、私が口を酸っぱくして言っているようにその通りです。
しかし、その特殊さを、「非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて容易に解雇ができず」という側面だけで捉えてしまうと、あたかも日本の企業は世界で最も博愛的で、異常なまでに自社の利益を顧みずに労働者保護ばかりに勤しんできたかのような、とんでもない誤解をあたえることになります。
もちろん、そんな馬鹿な話はありません。日本型正社員の特殊さは、まず何よりも、職務も時間も空間も限定がなく、会社の命令で何でもやらなければならないというところにあります。そういう無限定さの代償として、「何でもやらせられる」強大な人事権の論理必然的なコロラリーとして、いざというときにも「何でもやらせることによって解雇を回避する」努力義務というのが発生してくるわけです。
・・・ここで大事なのは、こういう法社会学的な相互補完的存在構造が、経済学者の目には全然見えていない、ということなのです。
だから、「日本の正社員というのは世界の中で見ると非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて容易に解雇ができず」などという、半分だけ正しいけれども、残りの極めて重要な半分を無視した暴論を平気で言えてしまうわけです。
10.私はブラック企業の経営者だった 5,296
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-1011.html
自分自身が経営者として、まさにそういう行動様式をなんの疑いもなく取ってきた方であるが故に、現実を何も知らない経済学者流とは違って、その実相をこのようにえぐり出すことができるのでしょう。
番外 他人の解雇、自分の解雇 5,391
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-ab5e.html
正当な理由があろうがなかろうが、およそ解雇は自由でなければならないと主張しているはずの人間が、自分のボスによる解雇通告に逆らうなどという言語道断な振る舞いに出たことを、平然と公言しているというのは、これを天下の奇観と言わずして何と申しましょう、というところです。
・・・なんと、正当な理由があろうがなかろうがことごとく認められるはずの解雇をされたと言われることが、名誉毀損に当たる、というすさまじくも終身雇用にどっぷり浸った発想をそのまま披瀝しているんですな。
ちなみに、昨年2012年のランキングは:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/hamachan-829f.html(hamachanブログ2012年ランキング)
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