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2013年11月10日 (日)

『労働法と現代法の理論 西谷敏先生古稀記念論集』上・下

上下巻併せて1000ページを優に超える大冊で、中身も重厚な論文がぎっしり詰まっているので、まだ初めのいくつかを読んだだけですが、やっぱりコメントしておかなくちゃ、という論文が初めのほうにあったので、紹介しておきます。

関西労働法界の長老・・・という言い方がいいのかどうかわかりませんが、わたくしが一回お呼ばれしたときも、みんな西谷さんを尊敬している姿が窺われました。その西谷さんの古稀記念論集上下巻、中身は次の通りですが、

06357_2第1部 総論・現代法
労働契約における労働者の「意思」と「規制」……吉村良一
雇用保障をめぐる法的課題――「身分差別的」労働者概念批判……脇田 滋
これからの生活保障と労働法学の課題――生活保障法の提唱……島田陽一
労働法の実現手法に関する覚書……山川隆一
労働権の再検討と労働法システム……三井正信
労働条件決定法理の再構成――労働協約・就業規則・労働契約の意義と機能……川口美貴
半失業と労働法――「雇用と失業の二分法」をめぐる試論……矢野昌浩
取引的不法行為と自己決定権……吉田克己
良心について――憲法19条をめぐる考察……笹倉秀夫
死刑と裁判員制度……中村浩爾
公務員に対する職務命令の法的性質……晴山一穂

第2部 労働法と個人
労働者性の指標:労務の代替性について・試論……萬井隆令
採用過程の法規制と契約締結上の信義則……小宮文人
労働条件の不利益変更と労働者の同意――労働契約法8条・9条の解釈……土田道夫
労契法9条の反対解釈・再論……唐津 博
有期労働契約法理における基本概念考――更新・雇止め・雇用継続の合理的期待……荒木尚志
労働契約における対等性の条件――私的自治と労働者保護……大内伸哉
ワークハラスメント(WH)の法的規制……大和田敢太
女性の労働と非正規労働法制……緒方桂子
整理解雇法理の論点……深谷信夫
労働者の非違行為等の事例に関する普通解雇規制の再検討……細谷越史
再建型倒産手続と解雇権濫用法理……根本 到

06358第3部 労働法と集団
労働法における集団的な視角……道幸哲也
労働組合の未来と法的枠組み……和田 肇
労働協約の規範的効力と一般的拘束力……浜村 彰
団体交渉は組合員の労働契約のためにあるのか?――団体交渉の基盤と射程に関する理論
的考察……水町勇一郎
ILO条約と公務における団体交渉……清水 敏

第4部 比較法・外国労働法
法学と法実務――比較法史学的考察……水林 彪
ナチス法研究覚書……広渡清吾
マイノリティ(少数民族)の権利をめぐる国内裁判と人権条約……桐山孝信
子どもの自己決定権に関する一考察――ドイツの割礼事件をめぐって……西谷祐子
ドイツ連邦労働裁判所における基本権の第三者効力論の展開……倉田原志
イギリスにおける雇用関係の「契約化」と雇用契約の起源……石田 眞
イギリス2010年平等法における賃金の性平等原則……浅倉むつ子
雇用調整方式とその法的対応――フランスの「破棄確認」および「約定による解約」ルール……野田 進
フランスの合意解約制度――紛争予防メカニズムの模索……奥田香子
アメリカにおける法学の政治的性格:「法と経済学」と「批判法学」――テレス著『保守派法運動の台頭』の紹介を通して……相澤美智子
タイにおける非正規労働者の法的保護……吉田美喜夫
ロシアにおける労働者派遣と法……武井 寛
ドイツ集団的労働法理論の変容……名古道功
ドイツにおける大学教員の業績給……藤内和公
「使われなかった」年休、そして「ゆとり社会」の行方――ドイツ国内法とEU指令との
相克……丸山亜子
ドイツ労働契約法理における法的思考……米津孝司

このうち、初めの方に載っている脇田滋さんの「雇用保障をめぐる法的課題――「身分差別的」労働者概念批判」が、近年の労働改革論議に対して、その姿勢を批判しつつオルタナティブを提示する議論をしていて、多くの人の関心に答えるものになっているように思われます。

その冒頭の記述を引いておきましょう。興味を引かれた方は本屋さんの店頭で立ち読みして下さい。

・・・ところが2012年末に交替した安倍政権は、その労働改革論議で「労働移動」を重視することを中心に、解雇規制を寄り緩和しようとしている。そのために、多様な働き方に応えることを口実に「限定正社員」=「ジョブ型」正社員の導入提言している。確かに、日本型雇用慣行が前提にしていた、いわゆる「メンバーシップ型」正社員では、解雇制限を重視する一方、失業保障は対立的に理解する見解もあった。主に個別企業の内部労働市場での雇用保障が中心とされ、そこから、企業を超えた「セーフティネット」としての失業保障制度の充実ではなく、個別資本の解雇を制限する法理、それと対応した企業内部労働市場での雇用調整を重視する考え方が法解釈や立法の基本となった。しかし、こうした労働法解釈・立法論は、現在、その基盤となってきた「日本的雇用慣行」が大きく崩れる中で、根本的な見直しが迫られている。筆者は、EU諸国をモデルに産業別の労使対抗を軸にして、解雇制限とセーフティネットの双方を充実することが必要であり、長期的には日本もヨーロッパ的な「ジョブ型」労働市場を目指すべきだと考えている。・・・

ここからどう深めていくか、それぞれの立場から答えを出していく必要があるのでしょう。

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