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2013年11月17日 (日)

シュトゥルムタール『ヨーロッパ労働運動の悲劇』の書評が・・・

Sturmthalなんと、わたくしが本ブログで紹介した半世紀以上も前に出された本の書評が、今の今、ネット上に書かれてます。「佐藤太郎(仮)」という方の、「荒野に向かって、吼えない…」というブログです。

http://satotarokarinona.blog110.fc2.com/blog-entry-500.html(A・シュトゥルムタール著 『ヨーロッパ労働運動の悲劇』)

かなり丁寧に、幾つものパラグラフを引用しつつ、その都度、現代の政治状況にひきつけた的確なコメントをつけられています。

以下、佐藤太郎(仮)さんのコメントだけ、ピックアップしていきますが、

・・・・・・・(Ⅰ p.97)。

現在でも中途半端な状態で不況を解決してしまったら改革ができなくなってしまう、といった倒錯しているとしか思えない主張をする人がかなりいるが、この当時は(というか当時も)左側にもこのような発想をする人が多数いたのである。

・・・・・・(Ⅰ p.98)。

このような、目先の利益に捉われずに「改革」をやらねば今後もっと恐ろしい破局がやってくる、という発想も未だにはびこっている。そしてデフレが景気にとってマイナスだということを知りつつも、「改革」のために景気を犠牲にしても構わないというのも現在でもよく目にする主張である。

・・・・・・(Ⅰ p.99)。

とにかく財政均衡を最優先にさせ、金融政策も否定する。そう、「バラマキ」批判と金融政策批判を同時に主張するというおなじみの光景である。

・・・・・・( Ⅰ p.109)。

前にこちらも第二次大戦中に書かれたノイマンの『大衆国家と独裁』の感想を書いたが、ノイマンも西側諸国が「オーソドックス」な政策に捉われるあまりナチスに先を越されたことを批判していた。また財政赤字を問題だとしつつ、金融政策を金持ちが得するだけの政策だと批判する人は現在でも多い

・・・・・・・」( Ⅰ p.165)。

このあたりは、まだ「救済」政策を取ろうとしただけ日本の民主党政権よりはマシに映ってしまうというのが悲しいところ。

・・・・・・( Ⅰ p.188)。

フランスではブルム人民戦線政権であと一歩のところまでいきながら、結局はこの試みも挫折してしまう。

・・・・・・( Ⅰ pp.189-190)。

これもおなじみの財政破綻恐怖症、インフレ恐怖症であるのだが、このような主張に説得力を感じてしまう人のほうが多いのは当時も今もあまり変わらないのだろう。

・・・・・・( Ⅰ pp.190-191)。

かくしてフランスの人民戦線政府は経済政策において敗れ去ったのであった。

といった調子です。

そして、最後のところで、

このような具合に、1920年代から30年代にかけての経済政策の過ちに関する本を読んでいると、空恐ろしくなるほど最近の失敗に似ていると感じられてしまうことが多い。

『ヨーロッパ労働運動の悲劇』を読んだのは濱口桂一郎氏のブログの「『ヨーロッパ労働運動の悲劇』を復刊して欲しい」を読んで気になっていたためであったが、なるほど、確かにこの本は現在でも広く読まれてしかるべきものである。しかし実際に復刊されたとして、読むべき人たちが手に取るのかというと心もたないところであるのが日本の政治、経済状況において最も辛いところなのである、ということをこのような本を取り上げると毎回書いている気がする……

そうなんだ、わたくしのブログを見て、この本を読まれたんですね。嬉しいとともに、岩波書店の中の人にはより一層、復刊を検討していただけると有り難いのですが・・・。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-5632.html(他人の経験)

賢者は他人の経験に学ぶとやら。

とはいえ、2世代、3世代前の過去は、なかなか他人の経験としても認識しにくいのでしょうか。

今はもう、誰も読まなくなったシュトルムタールの『ヨーロッパ労働運動』から、・・・

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-7008.html(『ヨーロッパ労働運動の悲劇』を復刊して欲しい)

これは今こそ読み返されるべき名著だと思うのですが、今ではほとんど知っている人も少なく、amazonでも中古品が1円とかいう値段がついてしまっています。・・・

岩波書店の中の人が見てたら、是非一度書庫から取り出して、半世紀以上前に出版された本書を読んでみて、今の時代に何らかの示唆を与えるものであるかどうか検討してみて欲しいと思います。

ちなみに、2か月くらい先に、某機関誌に本書を紹介しつつ今日への教訓を考えるというような文章を寄稿します。あまり期待せずにお待ち下さい。

(追記)

最近読み返した方の感想:

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/342866990274318336

連合は幹部研修でシュトゥルムタール『ヨーロッパ労働運動の悲劇』を読ませるべき。

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/346661583637864448

シュトルムタールを多分二十云年ぶりに読み返すと鬱になる

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/346991534824103938

hamachanおすすめのシュトルムタール『ヨーロッパ労働運動の悲劇』が沁みるよ。

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/351330635178192896

あかん。それはあかん。労働組合がそんなことだから日本はダメなんだ。シュトルムタール『ヨーロッパ労働運動の悲劇』を読みなさい。

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/352656721447104512

シュトルムタール『ヨーロッパ労働の運動の悲劇』を読まれるべきです。スウェーデンは民主的なケインズ政策の否定しがたい成功例です。

https://twitter.com/shinichiroinaba/status/372370211766153216

はい、歴史的教訓を踏まえてでしょう。戦間期まではマルクス主義・非マルクス主義含めて労働組合は全般的に反インフレ志向であった、というのがシュトルムタールの見立てです。スウェーデンは顕著な例外で、ストックホルム学派の経済学者の貢献は大きいようです。

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