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2013年11月 5日 (火)

国家戦略特別区域法案

本日閣議決定された国家戦略特別区域法案の労働関係部分がアップされているので、見ておきましょう。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/koyo/131105/item2-4.pdf

本則に書かれている雇用ルールの情報提供等は、

(個別労働関係紛争の未然防止等のための事業主に対する援助)
第三十六条 国は、国家戦略特別区域において、個別労働関係紛争(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成十三年法律第百十二号)第一条に規定する個別労働関係紛争をいう。次項において同じ。)を未然に防止すること等により、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業の円滑な展開を図るため、国家戦略特別区域内において新たに事業所を設置して新たに労働者を雇い入れる外国会社その他の事業主に対する情報の提供、相談、助言その他の援助を行うものとする。
2 前項に規定する情報の提供、相談及び助言は、事業主の要請に応じて雇用指針(個別労働関係紛争を未然に防止するため、労働契約に係る判例を分析し、及び分類することにより作成する雇用管理及び労働契約の在り方に関する指針であって、会議の意見を聴いて作成するものをいう。)を踏まえて行うものを含むものでなければならない。
3 内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、国家戦略特別区域会議に対し、当該国家戦略特別区域会議に係る国家戦略特別区域における第一項に規定する援助の実施状況に関する情報を提供するものとする。
4 国家戦略特別区域会議は、第一項に規定する援助の実施に関し、内閣総理大臣及び関係行政機関の長に対し、意見を申し出ることができる。

何で特区だけこういうサービスをしなければならないのかはよくわかりませんが、別に悪いことでもないという程度のものではあります。

問題の有期コマギレ10年は、附則にあくまでも「検討」という見出しの下で書かれています。

附則

(検討)
第二条 政府は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から、一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務(高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするものに限る。)に就く労働者であって、使用者との間で期間の定めのある労働契約を締結するもの(その年収が常時雇用される一般の労働者と比較して高い水準となることが見込まれる者に限る。)その他これに準ずる者についての、期間の定めのある労働契約の期間の定めのない労働契約への転換に係る労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項に規定する通算契約期間の在り方及び期間の定めのある労働契約の締結時、当該労働契約の期間の満了時等において労働に関する法令の規定に違反する行為が生じないようにするために必要な措置その他必要な事項であって全国において実施することが適切であるものについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置(第三項において「特定措置」という。)を講ずるものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による検討を行うに当たっては、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
3 政府は、特定措置を講ずるために必要な法律案を平成二十六年に開会される国会の常会に提出することを目指すものとする。

本ブログで何回も申し上げているように、「一定の期間内に終了すると見込まれる事業の業務」であれば、「高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするものに限」らなくたって、既に労働基準法第14条第1項柱書きに基づき、「期間の定めのある労働契約の期間の定めのない労働契約への転換に係る労働契約法第十八条第一項に規定する通算契約期間の在り方」をあれこれ議論するまでもなく、7年でも10年でも「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」であれば長期の有期労働契約を締結することが十分可能です。むしろそれを変にコマギレにしてわざと労働契約法第18条に引っかかるようにすることは、労働契約法第17条第2項の趣旨に反することになるはずです。

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