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『若者と労働』のamazon書評

Chuko重版が決まった『若者と労働』(中公新書ラクレ)ですが、amazonにまた書評がアップされています。評者は中西良太さんです。

http://www.amazon.co.jp/review/R1A6QB6OXPA4DY/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4121504658&linkCode=&nodeID=&tag=

ジョブ型正社員の提言:新自由主義とメンバーシップ型非民主社会の複合的弊害の処方箋

日本は新自由主義(経済政策面での対米従属)とメンバーシップ型非民主社会(日本型雇用システム)の両者の複合的弊害(若年雇用問題も中高年雇用問題も深刻に並存する形)がみられる。
この日本社会の本質は正規と非正規の違い、つまり年功賃金制と地域別最低賃金制の反民主的な労働差別の矛盾にあり、さらにこれは同一労働同一賃金原則という国際標準のジョブ型民主社会のいかなる労働形態や社会形態とも異質且つ不公平である。また、ブラック企業は正社員の本質的な超法規的な時間空間業務上の無制限な服従義務の悪用にある点(全ての日本型雇用制下の企業は程度の違うブラック企業)も究明されている。
労働者の権利を守る為の義務教育に於ける労働教育と欧米ジョブ社会の若年雇用問題を緩和するドイツ式の真のdual systemの提言も時宜を得ている。ただし、いわゆる就職活動に関しては組織間の企業求人枠を巡る、個人間の競争を既にアプリオリに制約する斡旋競争には言及されていないのが残念である。このタブーだが、実態としてある暗部に言及している労働問題研究者はおそらく利害関係から皆無である。
いずれにせよ、非正規は正規にとり不可欠のバファーであり、前者の後者への転換は空想的である事も理解されるし、ジョブ型正社員の導入はジョブ型社会への転換への中間項とされるが、この理念の段階的な緩やかな導入の言説と必要の自覚自体が、準正社員などの非正規の実態的な拡大にイデオロギー的に悪用されている面もあり、政治勢力の明確な労働問題研究と政策化を希求する。なぜならば労働問題にこそ人間の顔をした社会や生活の実現の為の基礎的諸条件が存しているからである。濱口氏のこの最新の労働問題研究の成果から、反民主主義の日本型雇用システムから民主的なジョブ型社会への転換こそが、今の日本の労働問題の解決を可能たらしめることが十二分に理解できる。
本書は全ての日本の学生や勤労者の必読書です。

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