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『若者と労働』への書評

Chuko本日(といっても暦日では既に昨日ですが)は、一橋大学で日本労働法学会だったのですが、大シンポのテーマが「債権法改正と労働法」という玄人的テーマだったので、本ブログではパス。

例によって、最近数日の拙著『若者と労働』への書評から、

「愛知県 名古屋 丸の内 弁護士加藤英男の弁護士日誌余白メモ」という長いタイトルのブログから、

http://ameblo.jp/bengoshi-kato-hideo/entry-11640899798.html(ヤフーニュース:「学歴選別強まる就活の裏側~中位大学以下はエントリーすらできない?」)

濱口桂一郎「若者と労働」(中公ラクレ) は、キレイ事抜きに、日本の社会、労働事情を示す「メンバーシップ型社会」の中での現実を顕わにしている。

何とかどこかに潜り込めた時代ではなくなった今、どこの大学に入学するか、入学後どう過ごすのか、戦略的、ないし、投資的な思考でプランニングするべきだろう。
残念ながら、中位大学以下の学生とカテゴライズされてしまいそうならば、他の選択肢を探さないといけない。
「メンバーシップ型」社会ではない企業、職種の中で、しかも、ブラック企業でないところに就職し、そこでも冷や飯食いの使い捨て面子にならないため、また、使い捨てされそうになったら自分から飛び出して行けるように、常に学び続けて行かねばならない。

「作業日誌」さんのかなり長めの突っ込んだ書評、

http://re10.hatenablog.com/entry/2013/10/20/191543(1020 ジム2回目)

・・・ 濱口桂一郎さんの「ジョブ型社員」と「メンバーシップ型社員」の区別は、台風の日に無理して出社しようとすることを説明するかもしれないな、と思いました。・・・

・・・ジョブ型なら「あなたの仕事はこれです」における「仕事」が成立しない日は休むのが合理的になりますが、「あなたの仕事」が曖昧で、対応能力=従順さが要求されるメンバーシップ型においては、「あるかもしれない仕事」に対応するために無理して出社するのも了解可能かもしれない、と思われるわけです・・・

この間にもっといろいろと書かれていますが、最後のところで、

『若者と労働』はそれにしても、面白い本です。若い人はこの本を読んで、多少広いパースペクティブから、「就活」を捉えたらいいんじゃないかな、と思います。ある種まだ、私たちの社会は若い人の就職に関しては、というか職に就くということ「だけ」に関していえば諸外国に比べはるかにイージーである、というようなことは知っておいてよいかもしれません(即戦力!は、実態を指示するというよりは、スローガンなんです)。

と推薦していただいております。

131039145988913400963ついでに、4年前の旧著『新しい労働社会』にも、改めて「もっと早く読んでおけば良かった」というご感想を述べていただいているブログが、

http://www.tokutei-sr.com/blog/2013/10/post-64.php(特定社会保険労務士ドットコム(千葉県佐倉市))

濱口桂一郎さんの「新しい労働社会 雇用システムの再構築へ」を読了しました。
感想は、一言で「もっと早く読んでおけば良かった」。
これは、労働問題に関わる者にとっての必読書です。
デフォルトルールとオプトアウト、勤務間インターバル制度、期間比例原則(プロ・ラータ・テンポリス)、フレクシキュリティ、職業的レリバンス(意義)、デュアルシステム、二つの正義(交換の正義と分配の正義)、ワークフェアまたはアクティベーション、社会的統合(ソーシャルインクルージョン)、メイク・ワーク・ペイ(働くことが得になるような社会)、産業民主主義やステークホルダー民主主義、ILOの三者構成原則などなど、刺激的なアイディアで一杯です。

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コメント

ご無沙汰しています。
 私は労働問題の専門書には近寄りがたかったのですが、最近、私にも理解できる解説書として濱口桂一郎さんの評判の三新書、『新しい労働社会』(岩波新書、2009年)、『日本の雇用と労働法』(日経文庫、2011年)、『若者と労働』(中公新書ラクレ、2013年)を学習出来るようになり、マクロな労働問題も少し理解できるようになりました。三新書は私のように労働問題の専門家でない者に労働問題の理論的学習を可能にした有りがたい著書です。
 濱口さんの三新書を学ぶことによって職業訓練の理解と整理もこれまでよりも一段高めて考えることが出来るようになったと考えています。
 そしてまた、一方ではその整理による欠点も見えてきました。
 そこで濱口さんの論では欠落している職業訓練の問題について述べてみました。私がこれまで整理してきた労働者保護-生産増強の思想軸を交差させて分析すべき事を述べました。
  「『労働基準法』における職業訓練理念の混迷-労働者保護と生産増強の思想軸の必要性-」を2013年10月25日にアップしました。オリジナルです。ご省らの上、宜しくご批判、ご教示下さい。

投稿: 田中萬年 | 2013年10月25日 (金) 10時24分

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