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2013年10月23日 (水)

韓国が「仕事・学習デュアルシステム」を導入

韓国といえば、近年日本を超えて大学進学率が急上昇し、就職できない若者が大量に発生するという事態が伝えられていましたが、他の分野と同様、やたらに政策のスピードが速く、先月には「仕事・学習デュアルシステム」が導入されたそうです。

http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2013_10/korea_01.htm

政府は9月11日、「韓国型仕事・学習デュアルシステムの導入計画」を経済関係閣僚会議で決定し、発表した。この計画は、人材のミスマッチや企業の再教育などの問題を解決することを目的としている。大学に進学する代わりに企業へ就職した後、週2日は学校で学習し、3日は企業で実務教育を受けて大学の学位や資格を取得することができる教育訓練制度が導入される。

このデュアルシステムは、企業が訓練生を労働者として採用し、連携学校などでの理論教育や企業での実践的なトレーニングを行った後、評価を経て、学歴や資格を認める制度であり、世界的に普及している「仕事ベースの学習(Work based learning)」の1つである。週に1~2日は学校で学習し、3~4日は企業で実務を学ぶドイツのデュアルシステムを韓国の実情に合わせたものである。

例えば、特殊分野の職業教育を集中的に行う特性化高校の3年生2学期の在学生が関連企業に就職して体系的な教育を受け、評価・認証プロセスを通過すると、教育のレベルと期間に応じて高校、専門学校や4年制大学の学位や資格が認められる。また、昇進や賃金の面でも同じレベルの一般的な学校の卒業生と同等の待遇で企業に就職できるというのが今回の計画の骨子である。

政府は今年、140億ウォンの予算(雇用福祉基金)を投入して50社の企業で試験的にこのシステムを運用する。来年は500億ウォンの予算を配分してデュアルシステムの定着に注力する。2017年までに対象企業を1万社に増やし、合計10万人の雇用を創出する計画である。

それに伴い、企業がカスタマイズされたトレーニングプログラムを開発できるよう、専門家による助言提供や現場トレーナーを対象とする教授法教育などの支援を行う。参加する学生に対しては、兵役に就く代わりに国家産業育成のため研究・生産・製造などに従事する産業技能要員や専門研究要員として優遇するとともに理論教育を提供し、後に進学する大学の授業料を減免する。仕事・学習デュアルシステムに参加する大学等は、政府の財政支援事業(専門大学の特性化、産学協力機構(LINC)事業など)の対象に優先的に選抜される。また、デュアルシステムに参加する学生と企業の権利・義務を盛り込んだ法律を制定し、労働条件や労働安全などの保護システムを構築する。

このシステムの導入により、就職予備軍の労働者は不必要な資格を取得することなく迅速に就業し、企業現場の実務に関する教育・訓練を受けることができる。迅速かつ容易に自分の職務能力を向上させ、必要な資格と大卒の学歴などを一緒に取得することができると期待されている。また、企業は質の高い人材を事前に選抜する機会を得る。訓練を通じた企業ビジョンの共有や現場への早期適応を支援することにより、労働者の長期勤続を促し不必要な再教育コストを削減できると期待されている。

国家レベルでは、大学進学に伴う機会費用、教育費用や大卒過剰学歴問題等に伴う社会的なコストを経済成長の原動力に転換することができる。さらに、能力に応じて就業・昇進が可能な能力中心社会の実現に寄与することが期待されている。

バン・ハナム雇用労働部長官は、「システムが定着するよう現場の声に耳を傾け、継続的に制度を補完し、政府が目指す能力中心社会を実現するよう最善を尽くす」と述べた。

労働政策のどの分野でも、日本の方がずいぶん早くからああするかこうするかという議論をえんえんと繰り広げている間に、あとからやって来た韓国が先にその政策をやってしまうという現象が多く観察されますが、これもその一例でしょうか。

先日韓国から来た研究者とお話しした際も、この政策論議と実行の日韓逆転現象が話題になりました。大統領制でトップダウンの仕組みだから、というのがとりあえずの答えですが、もう少し社会風潮みたいなものもあるのかも知れません。

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