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2013年10月 7日 (月)

守島基博・大内伸哉『人事と法の対話』

L14452守島基博さんと大内伸哉さんの対談本『人事と法の対話 新たな融合を目指して』(有斐閣)をお送り頂きました。ありがとうございます。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144521

人事管理と労働法は敵対するものなのか。両者が協力して,人を幸せにする雇用のあり方を作ることはできないのか。「雇用の多様化」「解雇規制」等,話題のテーマを素材に,新たな人材マネジメントのあり方を人事管理と労働法の対話から考える。

実を言えば、労働法と経済学の話の噛み合わなさに比べると、労働法と人事管理は、話の一つ一つが嫌になるくらい噛み合いすぎて、それが故にいろいろと問題も出てくるという面が強いのではないかと考えています。

以前、大内さんも入った『雇用社会の法と経済』(有斐閣)をJIL雑誌上で書評したときに、

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/08/pdf/116-124.pdf

第7章の人事考課・査定(土田・守島) は, 法と経済学ではなく人事管理論との対話であるが, 他の領域と異なり両者はほぼ同じ現実認識のもとほぼ同じ問題意識で語っているように見える。

と述べたことがありますが、本書でも、そもそも下の目次のように、労働法と人事管理の問題意識がほぼきれいに一対一対応していること自体が、両者の噛み合いぶりを証明していると言えるのではないでしょうか。

もっとも、噛み合わない同士は、所詮お互いに遠吠えするだけですが、噛み合う同士はまさに「噛み合」ってしまうので、いかにその認識が遠く離れているかがくっきりと浮かび上がってくる面もありますが、それも噛み合いの味というもので。

session 01 人材を獲得するとき
session 02 正社員と非正社員の間
 《ゲスト:二宮大祐氏〔イオン㈱グループ人事部〕》
session 03 公正な評価と納得できる賃金
session 04 人材を動かすとき
session 05 人材を育成するとき
 《ゲスト:澤和宏氏〔㈱ベネッセコーポレーション人財部〕》
session 06 ワーク・ライフ・バランス
session 07 メンタルヘルスと産業医の役割
 《ゲスト:川上憲人教授〔東京大学大学院医学系研究科〕》
session 08 退職のマネジメント
session 09 高年齢者の雇用
session 10 労働紛争の解決
session 11 グローバル化で問われる日本の人事
 《ゲスト:日置政克氏〔コマツ顧問〕》
session 12 対談を振り返って

内容的にも、まさに現下の政策課題である問題が目白押しで論じられており、関心のある読者は一気に通読してしまうでしょう。

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