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2013年10月 3日 (木)

芦田宏直『努力する人間になってはいけない』より

9784947767127芦田宏直さんの近著『努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論』(ロゼッタストーン)の中に、私のメンバーシップ型の話が引用されているようなので、

https://twitter.com/jai_an/status/384703262269919233

https://twitter.com/jai_an/status/381360546043678720

確認してみました。

236-237ページですね。田村耕太郎さんによるインタビュー記事の中の注釈として、

・・・新卒人材の社会接続には大雑把に言って二種類ある。大学型接続(メンバーシップ型)と専門学校型接続(ジョブ型)。

大学型接続は一括採用、一括解雇(定年制)、職務ローテーション制、年功賃金=年功序列制、企業内組合を前提とした「メンバーシップ型採用」に呼応した、従来の大学の教養主義的な人材育成という意味での「入口」接続。つまり素養(基礎)は学校で作ったからあとは企業で教育してくださいという意味での「入口」接続。あえて言えば、「キャリア教育」接続に当たる。「素養」といっても、企業メンバーシップ(いわゆる社風)に合うかどうかの選抜になる。だから直接「できる」スキルは問われない。地頭がいい、素質がある、性格がいい、コミュニケーションスキルがあるといった抽象的な指標選抜になる。

もう一つは専門学校型。「キャリア教育」と区別された意味での「職業教育」的な「入口」接続。これは従来もっぱら専門学校も含めた専修学校や短大が担ってきた。極度に単純化した言い方をすれば、会社の「一般職」「専門職」(いずれも「総合職」に対立する意味での、つまりメンバーシップを担わない)接続としての「入口」接続。この後者の「入口」接続は、従来「即戦力」人材と言われてきたものである。「メンバーシップ型」に対比される「ジョブ型」採用と呼んでもよい。。「スペシャリスト」型採用とも言える。組織の中の“部品”のように代替がきく-つまりメンバーシップを形成しない-人材。

そのもっとも高級なジョブ型スペシャリストが大学教授と言ってもよい。"研究対象"には忠誠を尽くすが、組織への忠誠心はもっとも希薄な人種とも言える。ジョブ型は訓練すればするほど、組織人材ではなくなるという矛盾をはらむ接続になる。

一口に“実力主義”と言っても、大学型=メンバーシップ型と専門学校型=ジョブ型とでは意味が異なる。「もはや(ドメスティックな)大学卒の時代ではない」と言っても、濱口桂一郎(『新しい労働社会』」)などは、メンバーシップ型は日本の奉公制度にまで遡ることができると言っている。古くさいという意味ではなくて根深いという意味で。「グローバル時代」の個と組織との関係はまだまだ未整理なまま放置されている。

いやあ、なんだか、『若者と労働』のエッセンスをたった1ページ足らずに要約されてしまった感もなきにしもあらずですが。

でも、大学型=メンバーシップ型と専門学校型=ジョブ型という言い方に、専門学校の校長先生たる哲学者である芦田さんの思いが凝縮していますね。

(追記)

https://twitter.com/jai_an/status/385602819103162368

労働法の専門家濱口桂一郎さんがブログで私の新刊を取り上げてくれました。会ったことはない人ですが、以前から”お友達”です。「『若者と労働』のエッセンスをたった1ページ足らずに要約されてしまった感もなきにしもあらずですが」とのこと(笑)。

https://twitter.com/jai_an/status/385604756531838976

濱口桂一郎さん、ありがとうございます。私があなたの著作で学んだことは、仕事の勉強をまったくしていない高学歴高偏差値学生が、なぜ大企業で評価されるのかの仕組みについてのことです。奉公制度まで遡ったあなたの分析は大したものでした。

https://twitter.com/jai_an/status/385700117892055041

『若者と労働』(濱口桂一郎)の本一冊分が、私の新刊の註の一頁ですべてわかると、嘆かれてしまった、濱口さんの私の新刊への書評

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