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2013年9月 1日 (日)

なおも『新しい労働社会』書評

131039145988913400963新著『若者と労働』に引きずられて、旧著もそこそこ読まれているようで、4年前に出した『新しい労働社会』についてなおも書評が書かれています。ありがたいことです。

bookreviewer2012」さんのアマゾンレビュー:

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4004311942/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending#R1GUSHXN5EZF15

現代日本企業の雇用システムを把握するのに最適の書

本書は、他の評者の方の評にもあるとおり、現代日本企業の雇用システムのありよう、つまり職務ではなく職能に基づく長期雇用を前提とした、云わばメンバーシップ契約なのだということを歴史的・国際的比較の中で把握し、現代生じている労働者の健康問題・非正規雇用の問題を解決するために、一企業の雇用だけを捉えるのではなく、社会総体としての構造という視野から見直すことを提示している良書である。

著者の述べているように、雇用システムのありようを歴史的・国際的に捉える意義は、歴史的に捉えることで、どのような状況の中から現代日本企業の雇用システムが形成されてきたかを捉えられるし、国際的比較の中で捉えることで、どのような状況なら異なった選択肢を選択しうるかを検討することができる。

現代日本企業に長期雇用を前提としたメンバーシップ契約型雇用システムが形成されたのは、もともと日本の教育システムが労働のための教育訓練制度として十分な機能を果たしていなかったために、企業としては入社後の企業内教育訓練制度に依拠せざるを得なかったという環境要因が基になっている、という点にその根源を求めている点は興味深い。このように、ある国の企業の雇用形態は、その企業だけ捉えるだけでは十分ではなく、歴史的・環境的に捉えて初めて根源的な理解に辿り着くという著者の主張はもっともである。

本書は現代日本企業の雇用システムを社会全体の中で捉えようとしているが、一企業の人事担当者として自社の雇用システムの再構築を試みようとしている方にとっても興味深い視座を提供している。ただ、そのような、社会的環境が整備される中で一企業の雇用システムをどのようにするかという問題はあくまで当該企業の問題であり、あくまでアートとしての経営問題に帰すべき問題であるため、本書の思考の枠の外にあるので、その点については注意されたい。

あと、ツイートでも、

https://twitter.com/happy_seeders/status/373855486036045826

【本】濱口桂一郎『新しい労働社会』非常に精緻で丁寧な議論。戦前とEUとの比較という軸があるのでぶれない。但し労組がある会社で働いたことがない私みたいな人間にとってはリアリティを感じにくかったのも事実。あとかなり細か過ぎてクラクラしました。


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