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2013年9月18日 (水)

『壮年期の非正規労働』

TakahashiJILPTの資料シリーズとして、高橋康二さんを中心にまとめられた『壮年期の非正規労働』が刊行されました。

http://www.jil.go.jp/institute/chosa/2013/13-126.htm

若年非正規労働者の増加が問題視されてから20年以上が経ち、最初に「就職氷河期」と呼ばれた時期に学校を卒業した者が40歳前後に差しかかるなか、35~44歳層の非正規労働者(壮年非正規労働者)が、人数・割合ともに増加しつつある。このことは、既婚女性を除いてもあてはまる。

本研究では、(1)壮年非正規労働者が非正規労働をするに至った原因、(2)壮年非正規労働者の仕事と生活の実態、(3)正社員転換を含め壮年非正規労働者がキャリアアップをするための条件を、仮説的に示すことを目的とする。

90年代に20代だった「氷河期世代」は、2000年代には30代、そして今2010年代には先頭集団は40代になっているわけで、それをいつまでも「若者と労働」などという枠組みで議論し続けていけないことは当然と言えましょう。

若年と中年の間のこの年代層を「壮年」と呼んで、本報告書はその様々な姿を描き出していきます。なんといっても、第2部のケースレコードが、それぞれの人生を小説のように描いていて面白い。本人による「職業生活の浮き沈みの自己評価」の人生グラフも一人一人についてきます。

高橋さんの「若年非正規労働」研究と「壮年非正規労働」研究の大まかな論点対比:

012602

そして、政策的インプリケーションとして、

今回のヒアリング調査は、今後の研究のための仮説を構築することを目的として行われたが、そこから大まかな政策の方向性を導き出すならば、次のようになる。

第1に、壮年非正規労働者が非正規労働をするに至った原因を顧みるに、正社員の働き方の改善が求められる。具体的には、長時間労働の抑制、ワーク・ライフ・バランス施策の拡充(特に、自身の病気・ケガの治療と両立できるような就業環境の整備)が求められる。

第2に、(正社員の働き方の改善が求められることはたしかであるが、他方で)正社員への転換支援が欠かせない。具体的には、資格制度についての情報提供、資格取得に対する金銭的な補助、生活費補助による全日制学校への通学促進、それらの補助の仕組みを非正規労働者に周知すること、非正規労働者に対するキャリアコンサルティングなどが有効だと考えられる。

第3に、非正規労働のままであっても一定程度のキャリアアップが可能であることを示す事例もあった。具体的には、そのような会社では、非正規労働者に対する丁寧なスキル管理、キャリア管理が行われていた。このような人事管理を普及するためにも、非正規労働者の人事管理の好事例の収集・周知などが求められる。

第4に、正社員への転換支援、非正規労働のままでのキャリアアップの促進と並行しつつ、より多元的な働き方の普及が求められる。具体的には、いわゆる「多様な正社員」の雇用区分(特に、労働時間限定正社員)の普及が求められるとともに、同一企業内で期間の定めのない雇用契約に転換すること(無期社員への転換)の重要性が理解される必要がある。

(追記)

せっかくですから、本人たちが書いた「職業生活の浮き沈みの自己評価」のグラフをいくつか

Life

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