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これからの正社員改革の行方と課題を的確につかむために、本書の示唆に触れることをお奨めしたい

Chuko労政時報の人事ポータル「jin-jour(ジンジュール)」の「BOOK REVIEW―人事パーソンへオススメの新刊」のコーナーで、拙著『若者と労働』が取り上げられています。

http://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=60211

安倍内閣が策定した「日本再興戦略」を受けて、この秋から「多様な正社員」の普及・拡大に向けた有識者による議論がスタートした。動き出した正社員改革は、不安定な非正規雇用から安定雇用への移行拡大にどう寄与していくのか。そこに横たわるのが90年代の就職氷河期を契機として、非正規雇用の肥大化に拍車を掛けてきた若者雇用をめぐる問題だ。著者はその深層を、日本独特の「入社」の仕組みを軸に丹念に解きほぐしていく。

「ジョブ型」社会の欧米では、職業能力が未熟な若者の雇用問題がしばしば深刻化してきた一方、人に仕事を貼り付ける「メンバーシップ型」社会の日本では、雇用問題の焦点はもっぱら高コストの中高年層に当てられてきた。いま日本で起きている若者雇用の問題の背景には、バブル期以降の採用抑制のみにとどまらず、実践的職業教育が乏しい現状、相次ぐ雇用政策の失敗など数々の要因が複雑に絡み合う。そして昨今では、正規入社の門をくぐった若者たちを使い捨てにするブラック企業問題も大きく取りざたされている。

若者雇用問題が示すように、日本企業に定着してきた「メンバーシップ型」の雇用は大きな曲がり角を迎えている。一方、全面的な「ジョブ型」への移行は誰が見てもまだ現実性に乏しい。著者が提示する処方せんは、第三の類型としての「ジョブ型正社員」、職務や勤務場所、労働時間などが限定される無期雇用契約の働き方である。これからの正社員改革の行方と課題を的確につかむために、本書の示唆に触れることをお奨めしたい。

というわけで、お奨めされております。

また、株式会社アヴァンティスタッフのニュースレター「月刊 HRタイムズ」でも取り上げられておりました。

http://www.mjs.co.jp/Portals/0/data/avantistaff/misc/pdf/201309_hrtimes.pdf

タイトルは『若者と労働』とありますが、雇用問題全般に関心のある方々におすすめの一冊です。

最終章では、それまでにとりあげた数々の問題を解決するためには、当面の政策として正社員と非正規労働者の間に位置付けられる「ジョブ型正社員」という雇用類型の確立が必要であるとまとめています。この提言は、安倍政権下の規制改革会議等の議論とまさに重なる部分でもありますので、この1冊を読むことで、雇用問題に関するニュース報道の理解の大きな手助けになることでしょう。

また、本書の特徴として、日本の雇用システムの大きな特徴である新卒定期採用がなぜ日本企業で実施されているのかといった歴史的経緯や就職活動における問題点等の雇用システムのみならず、それら雇用システムと日本の学校教育の関係から考えられる日本の「教育システム」についても深く語られていることが挙げられます。

ちなみにamazonはずっと在庫切れのようなので、お近くの書店でどうぞ。

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