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2013年9月29日 (日)

六本木ヒルズ特区で解雇自由にしたら・・・

労務屋さんがこんなエントリを書いておられたのですが・・・、

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20130924#p1(六本木ヒルズ特区のすすめ

・・・最後に私の意見を書きますと、やり方は十分考える必要がありそうですが、やってみる価値は十分にあると思いますし、たぶん厚労省にとっても悪い話にはならないだろうとも思っています。

私は以前「六本木ヒルズ特区」をやれ、と提案したことがあります。意外にもこのブログではまだ書いていないようですが、いくつかのセミナーなどでしゃべりましたのでご記憶の方もいるかと思います。国家戦略特区は範囲が広すぎるので、それこそ六本木ヒルズとか、広くても臨海副都心のあるエリアとかに限定して、大幅に労働規制を緩和するわけです。もちろん規制緩和が適用されるのは新規に特区内で雇用された人に限ります(それをやらないと特区に転勤させて首切りとかいうのが出てきそうなので)。そうやって規模を限定したうえで、実験的にやってみる。もし労働規制が原因で外資や起業が少ないというのなら、こうした特区には生産性と付加価値の高い外資やベンチャー企業が集積し、「交渉力の比較的高い労働者」が集まってきて、大いに活況を呈するはずです。

とりあえず価値判断抜きに、客観的に何が起こるかを予測するとですね、

そういう「とても優秀で自力で戦える」たぐいの高給取りの強い労働者は、雇用契約に書いてあるとおりの理由でクビにされたって、絶対にはいわかりましたなんて引き下がりませんから。

まずは同じ六本木ヒルズか、近場の泉ガーデンあたりの超優秀な弁護士をそろえたローファームに行って、準備万端不当解雇で訴えるに決まってます。

解雇特区なんていうこけおどしに引き下がるのは、法律の構造をよく知らない素人。玄人であれば当然、「特区ごときで民法1条3項の権利濫用法理が適用除外できるはずがない」という当然の理路を繰り出すし、裁判官も当然その上で審理する。

まあ、なんだかんだで相当の金をふんだくって解決ということになるでしょう。絶対にあり得ないのは、特区をやりたがっている人が望んでいる泣き寝入りという選択肢。

泣き寝入りするのは、同じ六本木ヒルズの中にあるお店やレストランの下働きの労働者だけということになりそうです。そんな馬鹿高い弁護士費用なんて払えませんからね。

で、単身あっせんに行っても、契約に書いてあるからという裁判所では通用しない理屈で相手側不参加でおしまい。

これは、特区の範囲が六本木ヒルズであろうが、港区であろうが、東京都であろうが、本質的に変わらないはず。

(追記)

労務屋さんから反論(?)をいただきましたが、

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20131001#p1

まあ、費用+機会費用ととれそうな金額の見合いなんでしょうが、実は裁判やった実例を聞いたりしているものですから・・・

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