『シリーズ大学 第6巻 組織としての大学』
編者の広田さん、共著者の羽田さんより、岩波書店の『シリーズ大学 第6巻 組織としての大学』をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.iwanami.co.jp/series/index.html
近年の大学改革のなかで,大学自治の枠組みは揺らぎ,大学組織と国家・市場・社会の関係は変貌を遂げてきた.行財政改革のなか,大学の自律性をどう考えるか.大学という組織は今後どこに向かうべきなのか.非正規教員や職員の問題にも光を当てながら,新しいあり方の可能性を探る.
最初の広田さんによる序論の一部が、PDFファイルで読めるようになっているので、ちょっと覗いてみて下さい。なかなか皮肉な文章が出てきます。
http://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/1/0286160.pdf
・・・ガバナンス改革のこうした状況に対して、まったく対照的な見方が存在する。上からの改革を進めたい人たちからいうと、「頑迷な大学人」の抵抗のせいで、改革が十分に進んでいないようにみえる。既得権に安住する現場の保守性のゆえに、必要な改革がなされていない、という見方である。しかしもう一方では、筋違いの改革が進められてきたせいで、大学の自治・自律性が危機に陥るとともに、果てしなく続く改革の結果、現場は疲弊・荒廃してきている、という見方がある。見る角度によって違った絵が浮かびあがる「騙し絵」のような感じである。この対立する二つの見方をどう考えればよいのだろうか。
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