福祉社会学会編『福祉社会学ハンドブック』
福祉社会学会編『福祉社会学ハンドブック 現代を読み解く98の論点』(中央法規)を、その中の1項目を執筆しておられる橋口昌治さんよりお送りいただきました。わざわざありがとうございます。
http://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/3875/
福祉社会学の入門書として、その理論と方法、諸領域における研究、福祉政策と実践などにまたがる98のトピックを各分野の第一線の研究者が平易に解説する。
現代の社会問題と福祉社会学の到達点が分かる一冊。
福祉社会学会10周年記念出版。
ということで、橋口さんはその中の「57 若者をめぐる状況はどう変化したか?」を書かれています。
その最後のところの記述が、わたくしの『若者と労働』のテーマとも響き合っているのではないかと思い、若干引用させていただきます。
・・・若者をめぐる状況の変化を受けて求められていることは、主に企業が負担してきた若者を訓練する費用と労働への対価(若いうちは安く、年功で上昇)の関係を整理し、若者を育てるコスト・リスクとベネフィットを、企業/労働者/社会(公的機関)の間でどのように配分するのか再設計する枠組の構築である。この問題の難しさは、個別企業で行われ、賃金体系や労使関係と強く結びついてきた人材育成と、国家レベルの社会福祉のあり方を連動させながら変えていく必要がある点にある。個別企業の新規な取り組みだけでは全体構造は変えられないし、かといって個別企業の実情を無視した社会政策でも変えられないであろう。しかし、そのような取り組みなしに、「戦後型青年期」の次は展望できないと筆者は考える。
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