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2013年8月30日 (金)

児美川孝一郎「教育困難校におけるキャリア支援の現状と課題」

92『教育社会学研究』第92号というのを見つけ、その中に児美川孝一郎さんの「教育困難校におけるキャリア支援の現状と課題」という論文があるのを見つけました。

http://www.gakkai.ne.jp/jses/2013/08/09140036.php

これ、なにかと問題の多い大阪の偏差値の低い高校「教育困難校」3つを取り上げて、その状況や取り組みを述べているのですが、絵に描いたように職業的レリバンスがないほどひどいことになっているという結果になってますね。

最初の普通科X校、偏差値36。尼崎に近いところのようで、ずっと定員割れ、入学者の半分しか卒業に至らず、卒業者の半分がなんとか就職にこぎ着ける。先生方は丁寧な丁寧な寄り添うような進路指導をするのだけれど、いわゆる「荒れた学校」で、授業が成立しないような生徒たちに履歴書を書かせるので精一杯、その困難はきわまる。

次の工業科Y校、偏差値37。中小企業集積地とあるので東大阪でしょう。偏差値はX校と大して変わらないけど、入試倍率は1倍を下回ることはなく、就職実績は遙かに高い。約3割は工学系の大学や専門学校に進学し、7割が就職するがすべて正規雇用で、大手・中堅も多い。

非常に面白いのがY校と同じ地域にある普通科Z校、偏差値37。X校同様の「荒れた学校」として「Z校に行っているなんて、とても言えない」ような状況だったが、地元密着の学校づくりを目指し、普通科高校でありながら2年次から専門コースを設け、週1回インターンシップに行かせるなどしたところ、その評判は「見違えるくらい変わった」。

というとZ校の成功物語みたいですが、これにはオチがあって、よくなったのは専門コースだけ。そして、2013年度からこの専門コースを総合学科として独立させることになっていて、いやそれはそこはいいけど、取り残された普通コースは依然として「困難校」。

というわけで、めでたしめでたしだけでも終わらない現実のほろ苦さも振りかけつつ、興味深い実情を示してくれています。

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