« 児美川孝一郎「教育困難校におけるキャリア支援の現状と課題」 | トップページ | 長時間労働禁止令・・・は実はあるんですが・・・ »

「さくら」さんのアマゾンレビュー

Chuko_2アマゾンカスタマーレビューに、「さくら」さんのあたたかい書評が載りました。

http://www.amazon.co.jp/review/RX1R3QMPQ05TA/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4121504658&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books「解きほぐすというサブタイトルに納得」

この「「入社」の仕組みから解きほぐす」というサブタイトル、最後の最後まで悩んだ、というかむしろ編集担当の谷口法子さんが悩みに悩んで、最後に帰り道から携帯電話で連絡してきて決めた、というものです。それはともかく、「さくら」さんの書評です。

本書は、企業のメンバー入り(正社員になる)ことを前提とした社会の仕組みを解説しつつ、 そうした社会の仕組みが縮小する今日において、若者の雇用問題を解決する処方箋を示しています。本性読み進めるうちにはっきりしてくるのは、日本の雇用システムが良くも悪くも内側に多様な機能を備えており、このシステムに入ることが若者の職業生活のみならず、生活安定や職業能力形成において死活問題であった社会の姿です。本書を読むことで、メンバーシップ型社会が様々な機能を備えてきたからこそ、さらに教育や社会保障がこれと整合的な形で成り立ってきたからこそ、メンバーシップ型社会の縮小が若者に大きなダメージを与えたという構造が立体的に理解できると思います。 一方で、本書は、仕事に人を貼り付けるジョブ型社会に即座に移行することもよしとしていません。著者はジョブ型社会は学校を出た若者に一定の職業能力を証明することを求め、これができなければまともな仕事など、望めないという点で、若者にこそ厳しい社会と指摘します。これを踏まえ、本書は漸進戦略としてジョブ型正社員を推進すると同時に、これまで職業との関係が薄かった教育をジョブ型の雇用を支える教育システムに変革する必要を指摘しています。 本書は非常に分かりやすい文体で書かれており、メンバーシップ型の雇用システムとジョブ型の労働市場を前提とした労働法制、その間を見てきた判例との関係、あるいは、雇用システムと教育システムが相互にメリット共有しながら互いに無関係できられた構造などを、様々な人がアクセスできる柔らかな情報に解きほぐしています。その結果今後の働き方についてたくさんの人が感情論でない議論をしていく上での、共通の足掛かりを作ることに成功していると思います。 本書は、国が推進している限定正社員を理解したい人にもお勧めです。メンバーシップ型社会とジョブ型社会双方のメリットと限界について、海外の雇用システムにも触れつつ解説している本書は、なぜ今漸進戦略としての限定正社員が必要とされるのかを理解する上で、非常に参考になると思います。

ありがとうございます。そう、まさに、若者雇用問題というのはそういう多元連立方程式を「解きほぐす」手つきが必要なんですよ、というのが本書の伝えたかったことの中核にあります。

あと、ツイートでは、

https://twitter.com/Ryosuke_Nishida/status/373313445493366784

コンパクトに、最新の論点がまとまっててよかった。しかも分かりやすい

|
|

« 児美川孝一郎「教育困難校におけるキャリア支援の現状と課題」 | トップページ | 長時間労働禁止令・・・は実はあるんですが・・・ »

若者と労働」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/53089384

この記事へのトラックバック一覧です: 「さくら」さんのアマゾンレビュー:

« 児美川孝一郎「教育困難校におけるキャリア支援の現状と課題」 | トップページ | 長時間労働禁止令・・・は実はあるんですが・・・ »