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2013年6月13日 (木)

梅崎修ほか『人事の統計分析』(ミネルヴァ書房)

108510中嶋哲夫、梅崎修、井川静恵、柿澤寿信、松繁寿和編著『人事の統計分析 人事マイクロデータを用いた人材マネジメントの検証』(ミネルヴァ書房)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b108510.html

本書は、人事処遇制度が滞る原因を統計的に検証する。特に、これまで日本国内はもとより海外においても使用されなかったレベルの人事マイクロデータ(個々の従業員の評価・昇進・報酬に関する個票データ)と従業員アンケート、および、それらを突合したデータセットを用い、人事処遇制度の細部に分け入っていく点に大きな特徴がある。また、そのような分析を提示することで、人事制度や施策の効果を科学的に検証する研究分野の確立および実務の普及を目指す。

この本のすごさは、製造業の大企業から中堅企業6社の人事部から個々の従業員の評価・昇進・報酬に関する個票データを提供されて、それをもとに分析しているところです。なかなかそういう分析はないですからね。

そのいきさつが「あとがき」に書かれています。

振り返ると長い時間が経過した。1999年、著者の3人が社会調査や人事管理に関する読書会をしていたとき、中嶋が企業から預けられたデータの分析方法を梅崎と松繁に相談したことが始まりであった。企業内のデータに研究者がアクセスすることが難しく研究論文も少ないことを、実務家である中嶋は知らなかった。一方、梅崎と松繁はそのようなデータをコンサルタントが入手していることを知らなかった。3人は、そのデータが貴重であり、学問的に分析する価値があると考えた。そこから共同研究が始まった。・・・

そうだったんですね。

内容は次の通りですが、

序 論 研究課題・方法・対象
 1 問題意識と特色,および主要な論点
 2 研究対象企業の予備的検討


 第Ⅰ部 測定の困難と評価制度

第1章 評価者の離反
    ――賃金制度改革の「意図せざる結果」
 1 問題の所在
 2 対象企業の賃金制度改革
 3 賃金制度改革の「意図せざる結果」
 4 結 語

第2章 一次評価のその後
    ――企業内の評価調整メカニズム
 1 問題の所在
 2 対象企業の評価制度
 3 調整による格差の変化
 4 結 語

第3章 数字に依存する評価
    ――評価決定における客観情報の利用
 1 問題の所在
 2 分析のフレームワーク
 3 対象企業の概要と営業組織の特徴
 4 大都市営業所と地方営業所の比較分析
 5 結 語

第4章 評価を告げる苦痛
    ――評価面接制度の運用
 1 問題の所在 
 2 分析のフレームワーク
 3 対象企業の概要とデータ 
 4 記述統計による評価プロセスの把握
 5 評価者負担と評価行動
 6 結 語

第5章 人事部がつくった仕組み
    ――人事評価制度に対する納得度
 1 問題の所在 
 2 分析のフレームワーク 
 3 対象企業の概要とデータ
 4 人事評価制度の納得度を高める要因
 5 結 語

第6章 [補論1]評価の難易度に関する考察
 1 問題の所在
 2 評価難易度の指標化
 3 対象企業の概要
 4 職務特性の把握
 5 人事評価の分布と一致
 6 結 語


 第Ⅱ部 競争メカニズムと処遇格差

第7章 非年功化を生みだす工夫
    ――制度改定による賃金構造の変化
 1 問題の所在
 2 対象企業の概要
 3 制度の改定過程と実態の変化
 4 結 語

第8章 早くから生まれる企業内格差
    ――中小企業における評価・昇格・賃金
 1 問題の所在
 2 分析のフレームワーク
 3 社員系列別の人事制度 
 4 推定結果
 5 結 語

第9章 出口をつくる
    ――希望退職制度の運用
 1 問題の所在
 2 分析のフレームワーク
 3 対象企業の希望退職制度
 4 推 定
 5 結 語

第10章 [補論2]社内序列固定過程に関する考察
 1 問題の所在 
 2 分析のフレームワーク
 3 各対象企業の昇格の仕組み
 4 キャリア競争の実態
 5 結 語


 第Ⅲ部 人材マネジメントと従業員の反応

第11 章 やる気を上げる仕組み
    ――評価・賃金・仕事が労働意欲に与える影響
 1 問題の所在
 2 先行研究と分析のフレームワーク
 3 対象企業の概要とデータ
 4 労働意欲の決定要因
 5 結 語

第12 章 やる気に伴う不安
    ――従業員心理の構造
 1 問題の所在 
 2 先行研究と分析のフレームワーク
 3 データと変数
 4 推定方法と結果
 5 結 語

第13 章 序列を知らずに働く
     ――処遇に関する従業員認識の測定
 1 問題の所在 
 2 認識の実態
 3 認識の決定要因
 4 結 語

あとがき
初出一覧
参考文献リスト
索  引

最初の第1章の、成果主義賃金制度を導入してみたらもっと年功的になってしまった・・・という話からして大変面白く、この分野に関心のある方々にとっては必読です。


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