『POSSE』19号
『POSSE』19号をお送りいただきました。まだPOSSEのサイトにも出版社のサイトにも上がっていないようですが、フラゲというわけではありません。
特集は「ブラック企業の共犯者たち」で、児美川孝一郎さん、居郷至伸さんはじめ、キャリアセンターの職員さん、ユニオンの方、いい社労士の方々、麓幸子さんなど豪華なラインナップです。
巻頭特集は「アベノミクスは雇用を救うのか」で、吉川洋さんへのインタビューを筆頭に、まっとうなリフレ派から松尾匡さん、反リフレ派から小西一雄さんが登場。
それに続くのは「各政党に聞くブラック企業政策」ですが、興味深いのは各党の限定正社員に対する考え方です。
・自由民主党(園浦健太郎):
-限定正社員とかの議論はいかがですか。
あれはやらないといけません。例えば育児休業や産休制度がここまで整備されているのに、女の人が日本で第一子の出産を機に辞めてしまう率は6割です。せっかく5年、10年キャリアを積み上げてきた人が結婚、出産を機に辞めてしまって戻ってこないのは社会的に大きな損失なわけです。・・・
・民主党(山井和則):
-現政権の雇用政策をどう思いますか
・・・限定正社員という名のもとに解雇しやすい正社員を増やしていくというものです。
・公明党(谷合正明):
・・・また、勤務地限定や短時間正社員、ジョブ型と言われますが、そのような多様な働き方の提言もしております。限定正社員に関して、正社員から第2正社員へダウングレードするのではとの組合員の反発の声もあります。しかし、問題意識としては、年功序列、終身雇用といった昭和型の労働法制、労働慣行はもう通用しないじゃないか、と。質の良い多様な働き方を増やしていかないといけないと考えています。
・生活の党(三宅雪子):
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・日本共産党(小池晃):
・・・規制改革会議は「限定正社員制度」の導入を検討しており、正社員の首切りも容易にしようとしています。
・社会民主党(福島瑞穂):
-限定正社員についてはいかがですか。
限定正社員ということについては、最初から否定ではないんですよ。・・・全員を終身雇用、年功序列賃金に戻せばいい、という話ではないですよね。ただ、必ず限定であることで不利にならないようにしなければならない。・・・
日本未来の党(阿部知子):
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解雇規制については、安藤至大さんと佐々木亮さんのインタビューですが、このうち安藤さんの語っていることは、あまりにもまともな労働法の基本原則に則った議論過ぎて、そういう議論がほかにあまりないことが悲しくなるくらいです。
ほぼ同じことが、こちらでも語られています。
http://diamond.jp/articles/-/37951(なぜ「解雇規制の緩和」は不要か “できる解雇”と“できない解雇”の視点から考える)
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