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2013年5月 4日 (土)

誤解についての誤解または事件はどこで起こっているか?

大内伸哉さんが限定正社員についてさらに書かれていますが、

http://souchi.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/2-eafd.html(限定正社員について思うーその2-)

私は根本的誤解をしているらしいのです。あの濱口さんがそう言うのですから,そうなのでしょう。限定正社員について。でも,私は,どこを誤解しているか,よくわからないのです。

いや、ですから、なにを誤解しているかについての誤解、いわばメタ誤解なんですよ。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-1ca9.html(大内伸哉さんの根本的誤解)

ボタンの掛け違いは、そもそも、大内さんがこの議論を解雇法制をどうにかすることについての議論だと思っておられるところにあります。

・・・私はずっと消極意見というか,それは法律問題ではないよ,と言ってきました

いや私もまさに繰り返し、それは解雇法制の問題ではなく、雇用契約やその運用、つまり人事管理の問題だと言っているわけです。

つまり、解雇法制を変えるべきだと叫んでいる人々に対して、それは間違いだ、問題は雇用の在り方にあるのだと説明し続けているわけです。

だからこそ、わざわざワールドビジネスサテライトに、労働契約法第16条の条文をフリップで示して、「別に解雇規制が厳しいわけではないでしょう」と言っているわけで。

何でそんなわかりきった無意味なことを言うのか、と、大内さんは言うかも知れません。それは、それが日本労働法学会の総会であればまったくもっともです。

でも、世の中で勢いを得たがっている解雇規制緩和論や解雇自由化論は、日本労働法学会の総会で議論されているわけではありません。

労働契約法第16条の規定も知らないくせに、「日本の解雇法制は世界で一番厳しい」とか「労働契約法16条が諸悪の根源である」とか口走る人々がリードしているのです。

誤解についてのメタ誤解の根源は、おそらくここについての認識にあります。

大内さんにとっては、限定正社員というのは現に存在するし、それについての法的取り扱いも法律的には既に議論され解決済みであって、そんなものを解雇規制緩和論という看板を掲げている議論の土俵に持ちだしていること自体が訳の分からないふざけたものに見えるのだと思います。

それは、場面が日本労働法学会総会であればそのとおりですが、そうじゃない人々(大内さん自身も、目の当たりにされたはずですが)のとてつもない誤解を、教師の学生に対する目線でなく、納得して貰うように解きほぐしていくというのは、アカデミックな純粋性だけではなかなか難しいのだと思います。

世の中には、労働法についてとてつもない誤解をしている人や、誤解をさせようとしている人や、誤解をさせられている人々が山のようにいるんです。みんなが菅野労働法を身に付けてから議論をしているわけではないんです。

大内さんはたくさん労働法の解説書や入門書を書かれていますが、でもそれらは全て、学ぼうという志向性を持った読者を想定されています。でも、今の解雇規制の問題は、労働法を学ぼうなんて欠片も考えていない、労働法が諸悪の根源だと思い込んでいる人々に、そうじゃないということを説明するというしんどい作業なんです。

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コメント

解雇自由論者の錦の御旗は雇用の流動化による日本経済の活性化、でしょうが、それと労働契約法16条はカンケイない。いやそれどころか正反対の結果となる。これが解雇自由論者に伝わるか。hamachan、頑張って「バカの壁」を壊してください。

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