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2013年5月25日 (土)

荒木尚志『労働法 第2版』

L14449荒木尚志『労働法 第2版』(有斐閣)をお送りいただきました.有り難うございます。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144491

立法や判決がめまぐるしく、2年ごとの改訂が標準化しているかに見える労働法テキスト界にあって、初版から4年目で第2版というのは、満を持した刊行でしょうか。

荒木先生、今年の秋にはアメリカに行かれるので、自ら最新のテキストとして授業で使う機会はないんですね。

4年前も、最後の雇用システムを論じた部分を若干引用しておきましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-d864.html(荒木尚志『労働法』)

今回もそこから、今日的なところを:

・・・しかし、雇用システム全体としては安定(保障)と柔軟性のバランスがとれていたとしても、個々の労働者についてみると、選択の余地の乏しい特定の雇用モデルに固定化される傾向にあった。正規従業員は、手厚い雇用保障の反面として労働条件・人員配置に関する柔軟性(使用者の一方的調整権限)を受け入れざるを得ず、雇用保障以外の価値(例えばワーク・ライフ・バランス)をより重視する労働者にとっては、望ましい働き方を選択できていない可能性がある。他方、非正規従業員は、もっぱら量的柔軟性をもたらす不安定雇用として位置づけられ、その処遇にも正規従業員との間で大きな格差があり、正規従業員への転換も容易ではないなどの問題点は指摘されている。

労働者の多様化に適合した雇用システムとは、正規雇用と非正規雇用の2つの雇用モデルしか提示し得ない伝統的雇用システムを脱し、安定(保障)と柔軟性の多様な組み合わせによる豊富な雇用モデルを提示でき、労働者が、そうした多様な雇用モデルを自ら選択できるような雇用システムということになろう・・・

ここに書かれているとおりで、付け加えることもありませんが、こういう認識はなお必ずしも一般的ではなく、一方に伝統的な無限定正社員型の安定(保障)のみを金科玉条と考えて、ジョブ型正社員を口を極めて非難する人々がおり、他方でジョブだろうがメンバーシップだろうがともかく労働者に何かしら安定を許すことに激怒を示し、有期契約労働者が5年後に無期になれるという(ヨーロッパ諸国ではむしろ控えめな)法制を目の敵にしまくる人々がいるというのが、今日の日本の現状であるわけです。

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