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2013年5月 2日 (木)

本日の東京新聞「「限定正社員」ってナンだ?」に登場

本日の東京新聞の「こちら特報部」は、見開きで「「限定正社員」ってナンだ?」の大特集。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013050202000123.html

そこに、わたくしも何回も出てきて解説をしております。

・・・このシステムについて、独立行政法人の労働政策研究・研修機構統括研究員、濱口桂一郎氏は「新たに特殊な雇用形態を導入するわけではない」と強調する。

「日本の労働法制も本来、ジョブ型を想定していたが、無限定という非常に特殊な形が定着してしまった。日本型正社員と非正規に二極分化している現状は改善しなければならない」

濱口氏は「日本型正社員では、不本意な転勤や長時間労働を受け入れざるを得ない。『なんでも屋』になって特定の技能も身に付きにくい。本当は無限定は嫌でも、非正規になりたくないとの理由で続けている人が多いのでは」とみる。

一方で、「限定正社員の普及を雇用規制緩和として議論するのは間違いだ」とも指摘する。

「限定正社員は仕事があり、それをきちんとこなしている限りは、不当に解雇されない。逆に中小企業の日本型正社員では『気に入らないからクビ』が横行している」

ちなみに、先月施行された改正労働契約法では、パートや契約社員が同じ職場で五年を超えて働いた場合、本人が希望すれば期間を限定しない無期雇用に変更される。これは「限定正社員」そのものともいえる。

濱口氏は「仕事がなくなって解雇するのは企業側の都合だから、誰を解雇するかを企業側が勝手に決めてはいけない。そうさせないための手続きをしっかり定める必要がある」と付け加えた。

この記事では労働組合の反発の声がかなり紹介されていますが、興味深いのは中野麻美弁護士の言葉です。

「働く全員をジョブ型正社員として雇用する制度であれば賛成だ」

「だが、安倍政権の言う限定正社員は言葉のお遊び。産業界に都合の良いだけのものだ」

中野さんの今までの論調からして、「無限定のメンバーシップ型雇用こそ理想の姿だ万歳」と言わないのは当然ですが、とはいえ、労使の合意で成り立つ雇用契約においてジョブ型正社員以外のものを禁止することが可能であると本気でお考えとも思えず、理屈は正しいけれども、政治的に正しくないという批判なのであろうか、と思われるところです。

ちなみに、記事を書いた佐藤圭記者のつぶやき:

https://twitter.com/tokyo_satokei/status/329797019629654017

ジョブ型契約自体は真っ当な話だと思うが、実際にはブラック企業が新手の首切り策として悪用するんだろうなあ。

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コメント

「仕事がなくなって解雇するのは企業側の都合だから、誰を解雇するかを企業側が勝手に決めてはいけない」という所がお恥ずかしながらよくわからないんです。
例えば部署Aがあって衰退部門なので3人いる所を2人にしなければならない。この場合も「仕事がなくなる」ことになりますからまず1人を切らねばならないとなります。
この場合どのように選抜するのでしょうか。
そうではなくてこの場合はその部門の仕事をなくして3人とも解雇ということになるのでしょうか。
ご解説いただけますと幸いです。

『世界』5月号に載せた文章から、そこを解説したところを引用します。

これが、日本の解雇自由論者には全く分かっていないというのが、最大の問題です。

それに対して、ジョブが縮小したことを理由とする剰員整理解雇は、法定の手続をきちんととることを前提として、そもそも正当な解雇とみなされる。どちらに責めがあるなどという話は関係ない。ただし、ジョブが縮小するからといって、誰を解雇するかを企業の自由に委ねたりしたら、「こいつは生意気だからこの際解雇しよう、あいつは可愛いから残してやろう」といった恣意的な選別を許すことになる。それゆえ、EUレベルで剰員整理解雇に対しては労使協議を義務づけているとともに、選別基準を法定している国もある。スウェーデンでは厳格な年功制(勤続年数の短い方から順番に解雇)を定めているし、ドイツでは勤続年数、年齢、扶養家族数を挙げている。一般には若者ほど先に解雇せよとなっているのだ。リストラといえば人件費のかさむ中高年が狙い撃ちされる日本とは、まったく状況が異なるのである*1。

 ちなみに、政府の産業競争力会議に3月15日長谷川閑史武田薬品社長が提出した「人材力強化・雇用制度改革について」というペーパーでは、「雇用維持型の解雇ルールを世界標準の労働移動型ルールに転換するため、再就職支援金、最終的な金銭解決を含め、解雇の手続きを労働契約法で明確に規定する」と述べ、一見西欧風のジョブ型ルールへの移行を提唱しているように見えるが、実はまったく似て非なるものである。その証拠に、具体的な姿として、「その際、若手・中堅世代の雇用を増やすために、例えば、解雇人数分の半分以上を20代-40代の外部から採用することを要件付与する等も検討すべき」などと書かれている。素直に読めば、例えばジョブが100人分縮小したら、解雇する必要のない人まで含めて200人以上解雇しなければならず、その後100人以上を採用せよという奇妙なルールであり、しかもその際年齢差別をしなければならないとまで義務づけている。リストラといえば中高年を追い出すものという日本的感覚が横溢しているこの文書を、長谷川氏がかつて子会社の社長をしていたドイツの人々に読ませればどういう反応が返ってくるか、興味深いところではある。

 なお、ジョブが縮小してもそれが一時的なものである場合には、労働者の労働時間を一律に減らし、賃金原資を分け合って雇用を維持するということは行われる。リーマンショック以後の金融危機の時期には、ドイツやフランスを中心にかなり行われた。こういうワークシェアリングが可能なのも、やはり雇用契約がジョブに基づいているからであろう。

 要するに、アンフェア解雇は厳しく規制するが、ジョブレス解雇は原則として正当であり、ただしそれがアンフェアなものとならないようきちんと手続規制をかけるというのが、ヨーロッパ諸国の解雇規制の基本的な枠組みなのである。

記事の最後に(牧)という署名でコメントが載っていたように思ったのですが。
そしてそのコメントが「やはりうさんくさい」で終わっていて、新聞としては面白いなと思ったのですが。。

被用者たる地位が維持され又は失われることについて、労働関係の当事者が関与できる社会的な基盤がなくては、どのような「呼称」であれ、危うさがともなうだろう。その「危うさ」をコントロールできる労使自治の不在又は機能不全、という現状の方が限定正社員云々という以前に大切なのかもしれない。が、だとしても、こういう絡みを含めてまっとうに議論するひとが、公論の世界では濱ちゃん先生以外に見当たらないのが残念かも。

あ~なるほど、EUの剰員整理解雇を要約すると、概ね若年層から解雇する。或いは労働市場にとって有益(というかその後に利益期待可能性のある)労働者から先に解雇しなさい。

つまり制度意志として・・労働者の保護も然ることながら、事業を縮小するんだから労働市場で価値の高い労働者は返しなさい!・・ということなんですね。事業縮小企業が美味しいとこ取りは出来ない。労働市場というのはそれだけ公共性が高いのだから、そこから退場する時には成長労働力はちゃんと返しなさいということでしょうかねぇ。

これは労働者にとっても非常にドライだと思いました。

連投失礼します。

ただ、あえて突っ込むと、EU流の年功序列待遇とか、一見すると若年層のリスク負担により中年熟年層の生活安定を確保しているように見えます。

>例えばジョブが100人分縮小したら、解雇する必要のない人まで含めて200人以上解雇しなければならず、その後100人以上を採用せよという奇妙なルールであり、しかもその際年齢差別をしなければならないとまで義務づけている<

いや~驚きです。これについての批判、若年層の不満はないのでしょうか??(なかなかジョブ層に入れないというリスクとか・・)

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