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2013年4月 1日 (月)

労働生産性から考えるサービス業が低賃金なワケ@『東洋経済』

20120627000143401エイプリル・フール3連発、2発目は既に予告した『東洋経済』です。

「給料大格差時代」というすごい特集の中の、「労働生産性から考えるサービス業が低賃金なワケ」という記事。

え?どこかで聞いたような、と感じたあなた。ピンポーン。

そう、本ブログで何回か取り上げてきた、あのサービス業の生産性問題を、まったく同じ観点から記事にしています。

・・・端的にいって、二つの労働生産性を混同していることが議論の混乱を生んでいる。それは物的労働生産性と付加価値労働生産性だ。

・・・逆に言えば、いくら物的労働生産性を高めても、安売りに走れば、それは付加価値労働生産性を低めていることになる。・・・

で、最後のところで、私自身も登場してこう喋っています。

「日本の消費者は安いサービスを求め、労働力を買いたたいている。海外にシフトできず日本に残るサービス業をわざわざ低賃金化しているわけだ。またその背景には、高度成長期からサービス業はパート労働者を使うのが上手だったという面もある」(労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎統括研究員)

こう考えると、サービス業の賃金上昇には、高付加価値化といった産業視点の戦略だけでなく、非正社員の待遇改善など労働政策も必須であることがわかる。「サービス価格は労働の値段である」という基本に立ち戻る必要がある。


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コメント

日本で「サービス」といった場合、
「無形の財」ではなく「無償の愛」を指すことが多いので
日本で「無形の財」を指すときには
「サービス」というワードを使うのをやめたほうがいいと思うのです。

>「サービス価格は労働の値段である」という基本に立ち戻る必要がある。

トインビー, ウォーカー『中流社会を捨てた国』の原題は、『UNJUST REWARDS』(“不公正な報酬”、といったところ)。
日本で出版する場合には、原題の意味をそのまま翻訳してタイトルとするより、「格差不安」という雰囲気を醸し出す方が良い、と判断されたらしい…。

なお、この本の版元は東洋経済…。

(ちなみに今回の特集タイトルも“大格差”であって、「不公正」「理不尽」といった意味合いを漂わせているわけではない…。う~む)

何と言うか、うまく表現できませんが、サービス労働の価値としては、場所的・時間的な移動・蓄積が出来ないということに加え、「ハレの日」・「ケの日」(←あくまで比喩ですが)というか、「平日労働」に対して「土日祝祭日・盆暮れ労働」というような問題もあって、多数派は、あくまで平日労働者なわけでして、労働日数も多いのに対し、私のような舞台職人なんかの業界だと「ハレの日」だけサービス生産が求められていて、「土日祝祭日・盆暮れ労働」ということが多いわけです。
これは、時期は少しずれていますが、行楽・観光地における関係労働者と類似しています。
で、何を申したいかというと、かつてはこういうサービス生産は相対的に交換価値が高かった。
ところがこのあたりの差がなくなったばかりか、寧ろ低い交換価値しか与えられなくなってしまっているわけです。
行楽観光については、海外との競争だとか、企業労働者の休暇の拡大などがあると思われます。

問題は、これにかけられる既存インフラの価値の低下だと思われます。本来、平日(暇な時期)に可能なサービス生産だけは平日にすべきところ、俄サービスで切り抜ける(だからトンネルの天井も落ちる)。労働日が少ない労働者はそのまま低賃金で、年中で数少ない「ハレの日労働」だけ。流通や運輸・交通も同じで、時期集中の事業であるのに、‟低価格は正義なり„で、結局、見えないサービス生産(安全とか、インフラの維持とか、労働力の再生産とか)は無価値だということになるわけです。蓄積がなくなったところで初めて気づくことになるのですが、そんな時にはもう(高速道路だと)重大事故が起こっているんです。

契約関係の重層化(多層化)に因り、最終ユーザーや発注者に見えにくくなっているところの、稀なサービス、少ないサービスの生産、見えない間接サービス生産などの交換価値を、いま少し上げるには、どのような社会的合意や仕組みが必要なのでしょうか。

連投になりますが・・・
ハレの日のご祝儀相場、繁忙期追加料金、閑散期割引料金が、労働環境におけるリスクペイという意味で、もう少しサービス生産にもそういうことがあって良いと思います。
それで、表面上、このような所得移転作用が明らかであっても、リスクペイ操作なのであれば、それがその日時の労働力の仕入値段なのであって、それはけして社会的に不正義な分配ではないわけでしょうし・・。

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