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2013年4月 2日 (火)

『働き方と職業能力・キャリア形成』

KosugiこちらもやはりJILPT小杉組の研究成果。

http://www.jil.go.jp/institute/reports/2013/0152.htm

労働政策研究報告書 No.152 平成25年3月25日

働き方と職業能力・キャリア形成
―『第2回働くことと学ぶことについての調査』結果より―

こちらは事実発見がかなり長いので、リンク先を見ていただくことにして、それを踏まえた政策的インプリケーションを:

非正社員はOJTを含め職業能力開発の機会が限られている。能力開発機会の拡大のためには、企業内において基幹的な業務への職域拡大を促進することが考えられるが、それは同時に非正社員側の意欲や姿勢にも左右される。企業の非正社員への雇用管理・キャリア管理を改善する施策として、具体的にはジョブ・カード制度のキャリアアップ型等を用いた正社員への登用の促進、非正社員へのキャリア・カウンセリング機会の提供、非正社員と正社員の間の均衡・均等待遇化の促進、非正社員の職域拡大にキャリア形成助成金などを使いやすくする施策などが考えられる。

特に能力開発機会が少ない中小規模企業向けに、これらの政策的支援を活用するために必要な事務処理などを援助する、中間的な支援の仕組みも考慮されるべきであろう。

外部労働市場を通じてのキャリア形成を目指す非正社員も少なくないことから、企業外での能力開発機会の充実も重要である。男性非正社員では、働き方を変えるための自己啓発に比較的長期で経費負担の大きい教育機会を利用する傾向もあった。一定水準の専門性や技能水準を担保するために、高等教育機関などの活用や職業資格取得と結びつけるなど、長期的な訓練で、かつ、企業現場での実践的な学びを核とすることにより企業からの評価を高めるとともに、個人の経費負担も抑えられるような職業訓練システムの設計も、ひとつの方向として考えられる。

女性の能力開発機会も限られている。男女間賃金格差には、就業経験年数ばかりでなくOJTを含む能力開発機会の格差も強く影響していると推測される。中でも有配偶女性の機会が乏しいが、その背後には、深く根付いた性別役割分業観があると推測される。こうした現状を前提にすれば、両立支援施策と併せて、女性の能力開発を促進する均等施策を推進する必要がある。

女性は企業内での能力開発機会が限定されがちであるため、自己啓発のしやすい環境整備が重要である。キャリア形成助成金の認定コースを女性の視点から見直し、より女性の関心が高い分野への拡充を図ること、また、雇用保険加入期間が短かったり、未加入の就業者に対する自己啓発支援制度の整備も期待される。


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