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2013年4月11日 (木)

内閣府規制改革会議第2回雇用ワーキング・グループでプレゼン

本日、内閣府規制改革会議第2回雇用ワーキング・グループで報告してきました。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg/koyo/130411/agenda.html

報告者は、佐藤博樹、大内伸哉、わたくし、及び小嶌典明の4名です。はじめの3人が(限定正社員、試用期間について、小嶌氏が有料職業紹介についてという割り当てでした。資料はリンク先にアップされていますが、そのうち、わたくしのレジュメをこちらにコピペしておきます。

なお、やりとりもいろいろと興味深いものがありましたが、そのうちオフィシャルな議事録がアップされると思いますので、ここでは触れないでおきます。

Ⅰ 日本型雇用システムと雇用法制

1 メンバーシップ契約としての雇用契約

・日本型雇用システムの本質は正社員の雇用契約が「職務の限定のない地位設定契約」(メンバーシップ契約)であることにある。
・日本型雇用システムの特徴とされる長期雇用制度、年功賃金制度及び企業別組合は、すべてそのコロラリー(論理的帰結)として導き出される。

2 長時間労働と転勤を条件とする雇用保障

・日本型雇用システムにおいて雇用契約で限定されていないのは職務だけではなく、労働時間と就業場所についても原則として限定はない。
・これが女性や家庭責任を有する労働者にとって正社員として働くことを困難にしている。
・この職務、時間、空間について限定のない労働義務の代償として、職務がなくなっても守られるべき雇用保障が存在している。

3 生活給制度のメリットとデメリット

・年功賃金制には、正社員の家族の生活費(子供の教育費を含む)も含めて保障する生活給制度という意味がある。
・それがまた、職業的意義の乏しい教育をもたらしている。

4 陰画としての非正規労働者

・以上のシステムが適用されるのは正社員のみであって、日本には膨大な数の非正規労働者が存在している。
・非正規労働者の労務管理は以上と全く逆で、職務、時間、空間の限定があるかわりに、職務があっても雇用保障は存在しない。
・かつては主婦パートや学生アルバイトが主であったが、正社員の収縮に伴い、正社員を望む若者の不本意な非正規就労が増加した。

5 ジョブ契約としての雇用契約

・しかし、民法、労働基準法、職業安定法、労働組合法など日本の実定労働法は雇用契約をメンバーシップ契約ではなく(万国共通の)ジョブ契約を想定して規定している。

6 メンバーシップ型に修正された判例法理

・このように正反対の枠組みに立脚する日本型雇用システムと労働法制の隙間を埋めてきたのが、包括的な人事権法理、整理解雇法理、就業規則の不利益変更法理など戦後裁判所の判決で確立してきた判例法理である。
・雇用調整助成金など1970年代以降の政策立法も企業行動をメンバーシップ型に誘導した(1960年代まではむしろ外部労働市場型の政策)。

Ⅱ 今後の方向について

1 ジョブ型正社員の構築

・ジョブ(職務)や勤務地を限定した期間の定めのない雇用契約。ジョブを超える配転はないが、そのジョブがある限り原則として解雇から保護される。逆に当該ジョブがなくなったり、ジョブの絶対量が縮小すれば他のジョブに配転することで雇用を保障する義務はない。(不当な解雇から保護されるべきことはいずれの形態であっても当然)
・2012年改正労働契約法により無期転換した有期契約労働者が典型。
・当面は今までの正社員や非正規労働者から希望に応じてジョブ型正社員に移行するという形になるが、将来的には雇用契約のデフォルトルールをジョブ型正社員とすることも考える必要。

(付)試用期間について

・ジョブ型社会においては、試用期間とはあるジョブに採用した労働者が当該ジョブを遂行しうるかを判断するための期間。それゆえ、試用期間は個別解雇が緩やかとなる。
・日本型雇用システムではジョブが限定されないので、試用期間の性格が曖昧化(人間性判断?)。
・ジョブ型正社員であれば、試用期間の性格は諸外国型となる。
・ただし、欧州の試用期間は(その性質上)14日から長くても1年、多くは3か月から6か月である。

2 ジョブ型雇用政策の再構築

・公共職業安定所及び職業紹介事業者は、求職者に対しては、その能力に適合する職業を紹介し、求人者に対しては、その雇用条件に適合する求職者を紹介するよう努めなければならない。(職業安定法第5条の7)
・これが現実となるような労働市場インフラとして、企業を超えた職業能力評価システムをいかに整備するかが課題。

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コメント

おつかれさまです。(o^-^o)
趣旨とは異なるかもしれませんが、質問があります。
お答え頂けますでしょうか?
1.なぜ日本の企業はメンバーシップ型の雇用契約を採ってきたのか?
2.それは企業に限るのか?公務員は?
3.他の国でメンバーシップ型は存在するのか?
4.日本の実定労働法は、なぜ日本の現実とは異なるジョブ型の労働契約を前提としてきたのか?

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