« 歴史から考える解雇規制@日経新聞「中外時評」 | トップページ | 現行法でも3歳まで短時間勤務が可能 »

日本経団連「労働者の活躍と企業の成長を促す労働法制」

日本経団連が「労働者の活躍と企業の成長を促す労働法制」と題する意見書を公表しています。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/033.html

http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/033_honbun.pdf

目次は次の通りで、

はじめに

I.雇用を巡る状況の変化

1. 国内の雇用機会確保の必要性

2. 多様な労働者が活躍できる労働環境づくりの課題
(1) 労働者の実態に対応していない労働時間管理
(2) 厳格な雇用保障責任の問題
(3) 年功処遇の問題

II.労働者が働きやすく、透明性の高い労働法制に向けた具体策

1. 労使自治を重視した労働時間法制改革
(1) 企画業務型裁量労働制の見直し等 1.企画業務型裁量労働制の「対象業務と対象労働者の範囲」
2.手続きの簡素化
3.事務系や研究・技術開発系等の労働者の働き方に適した労働時間制度

(2) フレックスタイム制の見直し 1.週休2日制の場合の時間外労働となる時間の計算方式の変更
2.清算期間の柔軟化

(3) 変形労働時間制の見直し(天災時のカレンダーの変更)
(4) 特段の事情がある場合の36協定の特別条項に関する基準3の柔軟な運用
(5) 休憩時間の一斉付与規制の撤廃

2. 勤務地・職種限定契約における使用者の雇用保障責任ルールの透明化

3. 労使自治を重視した労働条件の変更ルールの透明化

参考資料 労働条件の不利益変更に関連する裁判例

分量的にもⅡの1の労働時間規制の緩和が中心になっているようです。

これについては、第1次安倍内閣時のホワイトカラーエグゼンプション時の議論のほとんど繰り返しになるので、改めてどこかで取り上げることにして、ここでは話題の「勤務地・職種限定契約における使用者の雇用保障責任ルールの透明化」について。

ここについての日本経団連の議論は、ある面で正しい議論の筋に沿っている面もありながら、正直言っていささか危ういものを感じます。

たとえば、

・・・しかし、勤務地や職種限定の労働者に対する使用者の雇用保障責任は、一般に、勤務地や職種が限定されていない、いわゆる正社員と当然には同列に扱われないという解釈がなされている4。したがって、紛争を予防するため、特定の勤務地ないし職種が消滅すれば契約が終了する旨を労働協約、就業規則、個別契約で定めた場合には、当該勤務地ないし職種が消滅した事実をもって契約を終了しても、解雇権濫用法理がそのまま当たらないことを法定すべきである。

いいたいことはわからないでもないのですが、この言い方では間違いだとしかいいようがありません。

別に、勤務地限定であろうが、職種限定であろうが、「解雇権濫用法理がそのまま当たらない」などという馬鹿なことはありません。客観的に合理的な理由のない解雇をしてはいけないことには何の変わりもないのです。

何が違うかというと、勤務地や職種が限定されていることによってその限定を超えた配転によって解雇を回避する努力を講じる義務がないということであって、そこだけ捉えれば確かに解雇しやすいということは可能ですが、それは解雇権濫用法理が適用されなくなるなどということとはまったく別のことです。

とりあえず、この点については確認的に書いておきます。

|

« 歴史から考える解雇規制@日経新聞「中外時評」 | トップページ | 現行法でも3歳まで短時間勤務が可能 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本経団連「労働者の活躍と企業の成長を促す労働法制」:

« 歴史から考える解雇規制@日経新聞「中外時評」 | トップページ | 現行法でも3歳まで短時間勤務が可能 »