就活のリアル@『現代思想』4月号
最近、むつかしげな哲学思想ばかりでなく現代社会のアクチュアルなテーマも時々取り上げるようになった『現代思想』が、「就活のリアル」という特集を組んでいます。
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791712601
就活のリアル
【討議】
「全身就活」から脱するために / 大内裕和+竹信三恵子【概論】
就職しないで生きるという選択岐 就活と貧困を思考するために / 佐々木賢【制度のなかで/権利として】
対抗的キャリア教育の“魂” / 児美川孝一郎
悪化する若者の雇用環境と大学生の就活自殺 / 森岡孝二
「もう、ブラックでもいい」という隘路から抜け出すために / 水島宏明【高校/専門学校の現場では】
職業世界へ接近・参入する青年たちをいかにとらえるか 専門学校生の検討を中心に / 植上一希
ソーシャルスキルとは何か 困難高校卒業後の就職をめぐるエスノグラフィ / 古賀正義【「人材」になるということ】
『何者』と「就活デモ」を結ぶ線 / 樫村愛子
「働かないことが苦しい」という「豊かさ」をめぐって / 貴戸理恵【就活を終わらせるために】
シューカツを巡る〈大人〉の欲望のまなざし / 栗田隆子
「就活」のアンナ・R / 白石嘉治【インタビュー】
グッド・ノイズに耳を澄ませる 日本仕事百貨が繋げる仕事 / 中村健太+西村佳哲【あたらしい「生き方」を求めて】
就活からの脱落 異なる教育実践のために / 渡邊太【ブックガイド】
「就活」を考えるためのブックガイド / 橋口昌治
竹信さんが対談の中で、2005年頃から非正規問題を紙面に書けるようになったのは、新聞社の上級管理職層がちょうど定年にさしかかったからだと語っているあたりも面白かったりしますが、ここではやはり児美川孝一郎さんのインタビュー記事「対抗的キャリア教育の魂」から:
・・・先に、学校教育や大学教育が、若者たちを「就活システム」へと牽引する「馴化」装置になっていると言いました。そこをひっくり返すこと、そこに疑いを持たせることができれば、対抗的なキャリア教育の役割の半分は果たしたことになるのではないでしょうか。生き方としての「正社員モデル」に大いなる揺さぶりをかけるということです。もちろん僕は、若い人たちが正社員になっていくことを否定するつもりはありません。「社畜」にはなって欲しくないだけです。そして、そうならないために、したたかな働き方の“術”を身に付けて欲しいと願っています。・・・
あと、最後の橋口昌治さんのブックガイドの冒頭に、いかにも意味ありげな落語が載っています。さて、何の隠喩でしょう。
A「おじさん、すごく深い、大きな穴、掘ってますね」
B「うん、やっとここまで掘れたんだけどね」
A「へえ、何で、そんなに大きな深い穴を掘ってるんですか」
B「誰かがここに、大きな深い穴があるというんで、一生懸命掘って探しているんですけど、なかなか出てこないんです」
-桂枝雀
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コメント
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森岡孝二の「悪化する若者の雇用環境と 大学生の就活自殺」
「現代思想」2013年4月、94~104ページをもしよければ要約してくれませんか?
ご迷惑をおかけしてすいません。
投稿: まさたか | 2014年7月 2日 (水) 00時32分