『世界』5月号は本日発売です
既にお知らせしているように、「人間らしい働き方が消えていく」という特集の雑誌『世界』5月号は本日発売です。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/index.html
【ミクロとマクロの乖離】
「競争力の向上」と「雇用確保」を両立させるための条件 樋口美雄 (慶應義塾大学)【本当の雇用改革とは】
雇用格差の核心に迫る改革が未来を決める 中野麻美 (弁護士)【問題はアンフェア解雇】
「労使双方が納得する」解雇規制とは何か──解雇規制緩和論の正しい論じ方 濱口桂一郎 (労働政策研究・研修機構)【連合に告ぐ】
インタビュー 労働組合は生きているか 熊沢 誠 (甲南大学名誉教授)【執筆者からのメッセージ】【私たちを支える公共セクター】
公務員は「安定した仕事」なのか──臨時・非常勤等職員の雇用実態から見えてくるもの 根本 到 (大阪市立大学)【生きるために働く】
「ディーセント・ワーク・ガーディアン」を絶望させない ために 沢村 凜 (作家)【「解雇しつづける社会」へ?】
労働契約法は「改正」されたのか? 樫田秀樹 (ルポライター)【若者を使いつぶす妖怪】
ブラック企業が日本の未来を食いつぶす 今野晴貴 (POSSE代表)
私の論文は、本ブログをお読みの皆様にはもうとっくに読み飽きたことばかりが書いてありますが、世間の方々に物事の筋道を分かっていただくうえでは、それなりにお役に立つかも知れません。
冒頭の一節を:
はじめに
昨年12月の総選挙で自由民主党が大勝し、第二次安倍晋三政権が誕生して以来、世間の注目はもっぱらアベノミックスと呼ばれる経済政策に集中している。その内容が、アメリカでは民主党支持者のポール・クルーグマンの主唱するケインジアン的経済政策であること自体、安倍政権の他分野における(アメリカでは共和党に近い)保守的政策とのねじれが現れているが、この点については本誌の他の論考で論じられるであろうから、これ以上触れない。
本稿の課題は、今年に入って各種政策関係の会議から矢継ぎ早に示されてきている雇用労働分野における規制緩和の動きについて、批判的に論評することである。ここでいう「批判的」とは、いうまでもなく事実と論理を腑分けし、的確な方向を指し示すことであって、一方的な非難を浴びせることではない。「解雇規制緩和けしからん!」という結論をお望みの読者には必ずしも面白くない議論が展開される可能性があるので、あらかじめ予告しておく。ここで述べられるのは、解雇規制緩和論の正しい論じ方である。
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