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2013年4月 6日 (土)

『HRmics』15号

1海老原嗣生さんのニッチモが出している『HRmics』15号が出ました。

http://www.nitchmo.biz/

リンク先のこの同じ画像をクリックすると、中身が読めます。

今号の特集は「非正規雇用の決着点」。

表紙にでかく・・・、黒田日銀新総裁の顔が載っていますが、これはほとんど関係がなくってですね、上の方にでかく、「有期雇用は総合職と表裏一体の関係 法制の大幅な変更は正常化への第一歩となるか」と書かれていて、これがこの特集の基本的スタンスを良く表しています。

特集 非正規雇用の決着点

1章 契約社員、何がいけない?なくすと困る?

01.それは正常化への第一歩なのか
02.5年にわたる派遣と有期雇用、法改正のプロセス
03.法改正で新たに生まれる課題

2章 その宿題、プロはどう考えるか

01.解雇規制と雇用者保護
02.企業側に混乱は起きているか
03.今回の法改正は雇用正常化への第一歩なのか
04.その時、派遣の役割は?

<結び>労使対立を超え、雇用正常化へ本気で取り組むきっかけに

登場する人々はなかなか渋い選択ですよ。

「解雇規制と雇用者保護」には労働法学者の野川忍さん。

海老原:日本企業がもっと解雇をしやすくするにはどうしたらいいのでしょう。

野川:簡単です。人事権を一部放棄して、雇用契約を双方向のものにすればいいのです。今のような「面倒は見てやるから、言うことは聞け」というようなウェットな関係ではなく、その分、ドライで、「おまえの言い分も聞くけど、その分、尻も拭わないよ」という関係に。・・・繰り返しますが、人事権と解雇権は対の権利なのです。人事権が欲しければ解雇権が制限されるのは致し方ない。解雇の自由が欲しければ人事権はある程度放棄せざるを得ないのです。

「解雇の自由」という表現はやや語弊がありますが、ジョブがなくなったらドライに解雇できるという意味ではそうですね。

次の「企業側に混乱は起きているか」はリクルートワークスの豊田義博さんですが、その次の「今回の法改正は雇用正常化への第一歩なのか」は、連合総研の龍井葉二さんと派遣ユニオンの関根由一郞さん。

龍井さんは「ジョブ型正社員」に疑問を呈しています。どういう風に?それは是非リンク先でお読み下さい。

さらにその次の「その時、派遣の役割は?」は、雇用維新でおなじみの出井智将さんと、カヨリンこと川渕香代子さん。

なかなかすごいことを言っています。

川渕:・・・これを契機に、改めてジョブ型社員というものの人事制度や市場機構を整えていかなければならないと思います。

海老原:・・・今の日本で、付け焼き刃的に職務別賃金や資格などを作るのも無茶ですよね。

出井:・・・まずはジョブの評価を行う市場が必要になりますね。標準的な資格などがなく、評価の仕組みも不全であれば、私達人材ビジネスがその代役となって、評価や認証などを行い、企業に推薦していく必要があるのではないでしょうか。

これに海老原さんは「心強いですね」と応じているのですが、わたしはむしろ、これは労働組合に対する警醒の声だと認識すべきだと思いますよ。

本来労働組合がやらなければならないことを全然やらないものだから、人材業界が自分でやるぞと言っているんですよ。ここに危機感を感じないで、どこに感じるんですか。

まじめな話、ここにこそ、集団的労使関係の出番があるはずではないでしょうか。そこのところが今、労働組合にどこまで認識されているのか。

あと、連載ものを紹介。

森戸英幸さんの感情働法理論は「魔法のツール?退職金」

はっしーの上から目線のコンプライアンスは「社長、甘やかしておいて追い出し部屋はないんじゃない?」

常見陽平さんの「採ってはいけない、その学生」は「真のスポーツ勇者しっかり見分けろ」で、冒頭、いきなり「押忍!もう一丁、押忍!」と、体育会系に始まります。

山内大地さんの大学巡りは、「実社会の厳しさを学生も体感している大学」で、岐阜大学の「販路開拓、アポ取りもさせる本物インターンシップ」などが紹介されてます。

石渡嶺司さんの就活温故知新は「新卒求人広告に見る世相と採用方法の変遷」

マシナリさんの公僕からの反論は「判決で終わる司法と議決から始まる行政の違い」

最後のわたくしの「雇用問題は先祖返り」は、「近代的労使関係はどこにいったのか」

これは、わたくしのHPにアップしておきますので、関心のある方は(あまりいないかも知れませんが)どうぞご覧下さい。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/hrmics15.html

・・・

4 「近代的」労使関係の完成が「近代主義の時代」を終わらせた
 
 日本の労働政策は1970年代初頭までは「職業能力と職種に基づく近代的労働市場」をめざし、年功制を脱した職務給を唱道してきましたが、1970年代半ば以降は企業内における雇用維持を最優先とし、企業を超えた外部労働市場の充実は二の次三の次と見なすような政策思想に大きく転換しました。

 この転換のもとになった要因にはさまざまなものがあります。もっともよく指摘されるのは、高度経済成長下で進められた技術革新の中で、新規事業への転換が頻繁に起こり、職務給のような「古くさい」考え方ではそれに対応していけないという企業現場レベルの反発です。これを受けて、すでに1960年代末には、日経連も『能力主義管理』において職務主義から能力主義への転換を図っていました。

 なお近代主義の言葉を語り続けていた政府が最終的に立場を翻したのは1970年代半ばでした。1973年に起こった石油ショックに対して、労使一体となった要求に基づき、雇用調整助成金の導入による雇用維持を最優先とする方向に大きく舵を切ったのです。労使一体で雇用維持を求めたのは、同盟系の組合だけでなく、雇用保険法の改正に反対していた総評系の組合も含まれていました。まさに、「個々の労働者の現実から遊離した政治活動」から現場の労働者の利益に直接関わる政策課題への転換でした。この流れがやがて政策推進労組会議を経て、全民労協、民間連合、そして現在の連合につながっていくわけですが、それはまさに日本生産性本部が広めようとしていた「近代的労使関係」の完成された姿であるとともに、それなるがゆえに、1960年代に経済政策サイドや雇用政策サイドが主唱していた「近代主義の時代」に終止符を打つものでもあったのです。

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