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2013年4月30日 (火)

『ジュリスト』5月号は高齢者雇用特集

L20130529305『ジュリスト』5月号は「高齢者雇用の時代と実務の対応――高年齢者雇用安定法の改正」という特集です。

http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/018853

•〔鼎談〕高年齢者雇用安定法改正の評価と高年齢者雇用のこれから●森戸英幸●清家 篤●水町勇一郎……12
•高年齢者雇用安定法改正の概要●厚生労働省……32
•高年齢者の継続雇用制度をめぐる法的課題●山下 昇……37
•高年齢者雇用安定法の改正と逆理的帰結――暗黙の選抜と揺らぐ雇用保障●高木朋代……43
•〔インタビュー〕経団連からみた高年齢者雇用安定法改正の評価と取組●遠藤和夫……49

やはり、森戸、清家、水町という何とも言えない取り合わせの鼎談が読み応えがあります。

それぞれに、自分の本来の考え方と、今回の改正の妥協の距離感を感じつつ、より良き現実への第一歩として論じているあたりがなんとも。

本来定年廃止論の清家さん、年齢差別禁止論の水町さんとの対比で面白いのは、森戸さんが「思い切って解雇してみろよ」論になっている点で、これは労政審での審議がかなり影響しているのでしょうか。

森戸 私は、企業が今回の改正に本当にちゃんと対応しようとするのであれば、場合によっては60歳前でも解雇する、という覚悟を決めなければいけないと思っています。・・・

森戸 企業はこれまで、60歳になったので辞めて下さい。あなたはまだまだできるけれども、60歳定年なんですいませんと言えばよかった。今後はそうではなくて、あなたは定年まで仕方なくつないであげたけど、もう能力的にはゼロなんですよ、と言わなければいけなくなるわけです。私が思うに、経営側が今回の改正案に強く抵抗したのは、本音のところで、「おまえは能力がないから辞めろ」とは言いたくないというのがあったのではないかと。

これは、まさに私も改正の経緯の中で強く感じたことです。その趣旨は、例の海老原さん主催の場でもちょいとしゃべりましたね。

ただ、そういう議論自体が、実は日本型システムにどっぷり浸かった感覚から出てくるものであって、本当にゼロベースで考えて、「もう能力的にはゼロなんですよ」なんて馬鹿なことはほんとはないわけです。そういう風にしてしまったのは、本人の本当の能力とは別に年功的に昇進させて管理職にしてしまってきたからなので、就職したときから「もう能力的にはゼロなんですよ」だったはずはないのですね。

会社の命令であれこれ回されてきたあげくに「もう能力的にはゼロなんですよ」が通用するかという話になると、それはなかなか難しかろうとも思われるわけです。この手の話は全部つながってくるわけですが、日本で能力に基づく解雇も結構難しい最大の理由は、具体的なジョブの遂行能力でもって人事管理をやってないからですから、これは覚悟だけの問題じゃないのですよね。

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コメント

まだ対談全文を読んでいないので的外れかもしれませんが、すでに前回改正で基準制度が導入されたときに、労使で基準を決めて「おまえは能力がないから辞めろ」と言うようになっている、というのが私の認識です。それやこれやでTB先で少し感想を書かせていただきました。http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20130502#p3

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さてようやく本題に入りますが、上記日経の記事にhamachan先生から一言ないかと思って先生のブログを拝見したところこんなエントリを発見しました。「ジュリスト」の当該記事を読んでいないので的外れな話になる危険性は多々あるのですが、とりあえず先生のエントリにある範... [続きを読む]

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