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2013年3月15日 (金)

『情報労連REPORT』3月号

2013_03『情報労連REPORT』3月号は、「東日本大震災から2年 元気に、一歩ずつ前へ」という特集です。

http://www.joho.or.jp/doc/report/

東日本大震災の発生から2年。津波や原発事故がもたらしたつめ跡や心の傷は、いまだ回復できたわけではない。しかし、福島に暮らす人たちはつらい過去を引きずってばかりではない。元気に、懸命に、一歩ずつ前へ進む「ふくしま」の姿をリポートする。

私の連載「労働ニュースここがツボ!」は、「偏見まみれの認識が「ジョブ型正社員」を妨げる」です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/johororen1303.html

昨年末の総選挙で自民党が大勝し、安倍内閣が発足するとともに、経済財政諮問会議や規制改革会議といった機構が一斉に活動を開始しています。その動向には注意を払っていく必要があるのはもちろんですが、一方的な決めつけも控えるべきです。その際事態を混乱させるのは、一方的な思い込みでそれらの動きを褒め称えようとする報道や評論です。

 去る2月5日、経済財政諮問会議の民間議員4人が「雇用と所得の増大に向けて」という提言を行いましたが、その日の日経新聞の記事はこう書いていました。「提言は『退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべきだ』と指摘する。会社員の退職ルールの再検討を求める内容で、先進国でもっとも厳しい正社員の解雇規制などが念頭にあるとみられる。」「みられる」というのは日経の記者の主観的見解に過ぎず、提言にはそんな言葉はまったく出てきません。しかし、こういう言葉がさらりと出てくる背景には、いうまでもなく日本の解雇規制に対するそういう誤った認識が(とりわけ経済報道や評論に)広まっているという事実があるのでしょう。

 いうまでもなく、不公正な解雇は許されないというのは先進国共通のルールで、日本の解雇権濫用法理もなんら「もっとも厳しい」ものではありません。それが欧州諸国と違ってくるのは、解雇規制自体ではなく、その背後にある雇用契約の性格がジョブ型かメンバーシップ型かということに基づくものです。メンバーシップ型でどんな命令にも従う代わりにどんな仕事でもあてがうという約束であれば、ジョブがなくなっても解雇できないのは当然です。それは解雇規制「が」厳しいのではなく、解雇規制が適用される雇用契約がそうなっているからで、それは企業側もそれを活用して労働者を柔軟に使ってこれたことの対価である以上、そこを欧州並みに緩やかにするのであれば、正社員に対する人事権も欧州並みに制約するのでなければなりません。

 労働問題に無知な日経記者と異なり、この提言はその点はきちんと認識しています。すなわち、「正規雇用と非正規雇用という二元的な雇用システムではなく、地域や職務を限定した正社員や専門職型の派遣労働者など、『ジョブ型のスキル労働者』を創出することで、・・・、『多元的な雇用システム』を目指すべき」とした上で、それを前提として「就業形態や労働者の属性にかかわらず、能力や仕事内容に応じた人事・処遇制度改革に継続的に取り組む」ことと並んで、「事業・産業構造転換に伴う労働移動等に対応するため、退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべき」と述べているのです。

 せっかく経済財諮問会議がそれなりにまっとうな認識に基づく提言を出しても、偏見にまみれたマスコミがそれを低俗な認識におとしめるというのが、現代日本の悲しい姿です。

(参考)

ちなみに、この点、田村憲久厚生労働大臣はちゃんと分かって、産業競争力会議でも説明しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0600W_W3A300C1EE8000/

厚労相は「職務を決めて採用する米国と異なり、日本は転勤があり、様々な職務をこなし、労働者に(長期雇用の)期待がある」と指摘。現行ルールの変更には言及しなかった。職務を限定した正社員が増えれば「色々変わってくる」と述べ、民間の雇用形態しだいで解雇の難しさも変わりうるとの認識も示した。

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