リフレ派を遙かに超えるドーアノミックス
『エコノミスト』誌3月12日号に、ロナルド・ドーアさんが「エコノミスト賞受賞者が考える「日本経済 私の処方箋」第15回 インフレ目標2%は中途半端 ホンモノの「貨幣印刷」を試みよ」というエッセイ風の文章を書かれています。
アベノミックスの遙か上をいくドーアノミックスとは?
・・・それでは、ホンモノのインフレ工作があり得るだろうか。あると思う。
1.日銀法を改正し、政府の注文次第、新しい貨幣を増刷させうることを規定する。
2.政府が財政赤字の引き締めをやめて、公共事業、特に国立病院建設や、生活保護を切り詰め前の水準に戻したりして、赤字拡大を図る。
3.その赤字を埋めるのに、国債を競り売り、または日銀に買わせるのではなく、ただ、日銀に作らせた新しいマネーを使う。
4.最低賃金法による最低賃金決定は3ヶ月おきに再設定する。
5.消費税増税実施の1ヶ月前に、増税を延期する。
6.この政策転換、制度変革と同時に、政府は宣言する。いわく、経済を刺激するための一次的措置であって、インフレ率が、1年先に5%に達しそうになったら、元の制度へ戻したり、他の引き締め手段に訴えたりする。つまり、インフレ天井5%を確約する。
私は経済学を論ずるがらでもないので、ドーアノミックスそれ自体を論評することはしませんが、ドーア先生、かつては、賃上げでインフレを起こそうという議論を展開していたのですが、もはや労働組合頼むに足りず・・・ということなのでしょうか。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_7d29.html(最低賃金引き上げは悪くない)
これは、以前ロナルド・ドーア先生が主張していた議論とよく似ていますね。
2001年12月号の『中央公論』に、ドーア先生は「私の「所得政策復活論」―デフレ・スパイラル脱出の処方箋」という論文を寄せ、「財界が音頭をとって賃金“引き上げ”を断行せよ」と主張したことがあります。
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