熊谷健一『ISO26000と労使の課題』
熊谷健一さんの『ISO26000と労使の課題』(生産性労働情報センター)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://bookstore.jpc-net.jp/detail/lrw/goods003738.html
発行から2年が経過し、ISO 26000の内外での利用が進み始めている。この規格が登場した背景には、グローバル化が加速する世界のなかで、企業と組織の社会的責任がさらに厳しく問われていることがある。それに対応するには、各国の法律や国際条約などのハードローを遵守することはもちろん、それを上回る積極的な取り組みが必要である。そのためにISO26000などのソフトローを活用する意義は大きい。
ISO26000の最大の特徴はステークホルダーの参画にあり、企業においては労使間の協議が中心となるため、労使での幅広い理解と協力が必要である。本書では、規格の取り纏めに実際に携わった著者が、関連資料と交えて推進のポイントを、また勘所をコラムで教えてくれる。
連合で国際関係をされて以来、熊谷さんはいわゆるCSR(企業の社会的責任、今では企業に限らない「組織の社会的責任」)のこの業界でのアドヴォケートという感じですが、自らその策定に携わったISO26000の解説書として、この本はいろんな実例が豊富に載っていて、読みやすいし、手ごろな本だと思います。
(1)広がる国際CSR
1.CSRの現場から/2.今日のCSR/3.ISO26000の登場
4.JIS26000の発行/5.普及への取り組み
(2)利用のためのポイント
1.コンセプトと原則の確認/2.7つの中核主題の推進
3.規格の実践とステークホルダーの活用
4.デューディリジェンスの実行/5.労使関係と労働分野の取り組み
(3)労使の取り組み
1.活用の現場から/2.企業での取り組み/3.労使の協議と協力
4.労働組合の対応とUSR
(4)最新の活用事例から
(5)資料編
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