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2013年3月15日 (金)

それは世界中が間違っている

東洋経済の風間直樹さんが、東洋経済オンラインで、

http://toyokeizai.net/articles/-/13244(解雇解禁? 規制改革論に潜む“火種”)

という文章を書いていますが、その中で、かつて第一次安倍内閣時に、規制改革会議から出された「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」という文書のことを振り返っています。

20080911000085031いうまでもなくこの文書は、当時規制改革会議で労働タスクフォースを務めていた政策研究大学院大学の福井秀夫氏が書いたものですが、このとき実はわたくしも同じところにいて、彼とは同僚だったんですね。そして、当時風間さんは彼とわたくしに取材して、東洋経済に結構でかい記事が載ったりしたこともありました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_ca49.html(週刊東洋経済本日発売)

福井秀夫氏と私の発言が向かい合わせのページに載っていますので、どちらがよりまともで社会的に通用する議論であるか、読者の方々がそれぞれに判断することができるようになっております。

どっちも同じ法学部卒業で、どっちも霞ヶ関官僚出身で、どっちも現職が政策研究大学院大学教授という鏡合わせみたいな存在ですから、中身の代わりに属性批判という誰かさんの「馬を射る」戦法ではどっちもどっちにしかなりませんから、まさに議論の内容そのものでもって判断していただくしかないわけで。

で、その時のことを回想しつつ、風間さんはこう書いています。

この「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」の作成で中心となった委員は、当時こう語っていた。「たとえば最低賃金制度が効率性をゆがめる影響はあるに決まっている。影響はあるのだから制度は不要であり、世界中で導入されているのだとしたら、それは世界中が間違っている。日本だけは正すべきだ」。

いやあ、まさにそういう人でしたな。

こういう人が突っ走っていたのですから、無茶苦茶なはずです。その点、昨今の規制改革は、「国際先端テスト」だそうですから、「世界中が間違っている」と萬邦無比の我が国体(笑)を誇るようなことはないでしょうね。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_1cda.html(規制改革会議の大暴走)

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コメント

「世界中が間違っている」が真だとするなら、その「世界中」で支持されている経済理論およびそれに基づく政策が「間違い」だと気づいた根拠はいったい何なのか、という点はなかなかに興味を覚えます。真っ当な大学で普通の経済理論を学ぶ限り、日本以外の「世界中」では支持されていない理論に到達できる可能性は、限りなく低いわけですから。

そんな異次元の理屈に基づいて現実の政策を弄ろうとしたがる手合いよりは、「横書きの論文を縦書きにする」だけの方が、有害でない分マシってことになるのでしょうね。

法学部卒で最低賃金法の歪みに関して言えるとは…凄い方です。経済学的には、最低賃金法は「非効率」です。ただし、社会政策の観点からそれを間違いと言い切れるのかどうか、難しい問題です。「ブラック企業」の問題もありますから。「間違い」というよりかは「理想的でない」という方が正しいのかもしれません。

記事の趣旨と異なっているとは存じ上げておりますがもう暫く、最低賃金に関して脱線させて下さい。
私はコンビニでアルバイトをしており、かれこれ5年程そこに置かせて頂いているのですが、時給は最低賃金+10円ほどです。新人バイトと殆ど金額が変わりません。その原因は、最低賃金法です。
店長側としては人件費にそれほど割ける訳がなく、その結果、勤続年数や経験や能力ではなく、「最低賃金法」が賃金の目安となってしまっているのです。
この様な不公平の問題と、もう一つ経済学的には労働の超過供給が発生するという問題もあり、私は最低賃金法は望ましく思いません。ただし、先程述べたブラック企業の存在などを考えると、これを廃止するのも良いことではなさそうです。どちらにしても、社会の実態から乖離しているようだ、ということには違いないと思います。

長々と管見を述べさせて頂いてしまったことをお詫び申し上げます。

無職の人がいっぱいいてかわいそう、という善意を旗印に、
理論的に正しいことだから世界中でまだ実行されてなくても我々が率先してやるんだよ!

という決意は
ベーシックインカム推進派と妙に二重写しになりますね。

どちらかが先に、ではなくて、同時に実現する日が来るのかもしれません。

>世界中で導入されているのだとしたら、それは世界中が間違っている。

清々しい!
自説を「世界の常識」と吹聴する人のことを思えば、実に清々しい!

最低賃金が問題になるとしたら、牡蠣の殻剥きなどの、日本人のなり手のない職種において、中国人研修生が安く使われる話ですが、これは最低賃金のせいとしてはならないでしょう。需要はしっかりあるので価格に転嫁できるはずであり、業界自体の問題です。

現在の最低賃金が高水準すぎるならば、最低賃金の弊害が問題になるのはわかるのですが、現在の水準では、理論のための理論としか思えないですね。

最低賃金も生活保護も世の中の規準です。風間某はそれが分からないのでしょう。規準がなかったら効率も非効率もない。メジャーな経済雑誌がこの体たらくでは日本のマスコミが暗黒面に陥る日は近いのではと危惧してしまいます。

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