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2013年3月13日 (水)

ジョブレス解雇に一番必要な規制はなにか?

今日の読売に、まっとうな理屈による解雇規制の改革論が出ています。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130312-OYT1T01604.htm?from=tw(解雇ルール明確化、正社員採用を促進…政府方針)

政府はリストラで工場が閉鎖された場合などを想定した解雇ルールを明確化する。

雇い入れる際に解雇しやすくしておけば、正社員として雇用しやすくなる。衰退産業から成長産業に労働力を移し、政府が掲げる「産業の新陳代謝」を進めたい考えだ。茂木経済産業相が15日の産業競争力会議で方針を示し、6月にまとめる成長戦略の柱にする考えだ。

具体的には、勤務地域や職種などを限定した社員の退職条件をあらかじめ雇用契約で明記し、エリア採用などの正社員を増やす。

あくまでもジョブレス解雇の話であり、貴様ぁ解雇、アンフェア解雇を許すというような話ではない、ということを、もう少しきちんと述べてほしいところですが、筋論としては、解雇規制を論じるなら、まさにこういう筋道でなければならないというものです。

こういうのを「解雇しやすい」という言い方をすること自体、ヨーロッパの感覚からすれば奇妙に聞こえるということも付け加えておく必要があるでしょう。

「就職」したのであれば、その「職」がなくなれば雇用も終了するのは別に不思議ではない。

それが不思議なのは「就社」したために、「職」がどうであろうが「社」がある限り雇用が維持されるという約束で入った人であって、そういうのを雇用安定職業不安定というわけです。

ただし、ヨーロッパの目で見て大事なものが抜け落ちているのは、ジョブが減ったときに誰を解雇して誰を残すかを会社側の恣意に委ねてはいけないという、一番大事なことが書かれていないことです。

そこがないと、ジョブが減ったからといって、「こいつは生意気だからクビにしよう、あいつは可愛いから残してやろう」という恣意的な選別を許すことになり、結果的に貴様ぁ解雇を横行させることになります。

だから、ここは重要ですが、だからEUでは全加盟国に整理解雇時の労使協議を義務づけているのですし、国によっては法律上で整理解雇する順番を決めていて、それに反することができないようになっています。

そういう一番大事なことが抜けたままでは、ジョブレス解雇という名目の貴様ぁ解雇の自由化にしかならない危険性がある、ということこそ、労働者の味方と思う人はきちんというべきなんですよ。

日本の国境を一歩出たら労働組合にもILOにも全然通用しない議論をするのじゃなくて。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-4415.html(日航2労組は「整理解雇は条約違反」とILOに申し立て・・・てはいない)

確かに日航の労組が整理解雇に絡んでILOに申し立てたのでしょうが、少なくとも「整理解雇することはILO条約違反」だなんて馬鹿なことは主張していないはずです。

・・・要は、組合差別だからILO条約違反だと訴えているわけであって、そうでなければ通用するはずがありません。だって、差別のような不公正さがない限り、整理解雇それ自体は正当な理由のある解雇ですから。

ところが、朝日新聞の記者は、ILOに通用する組合差別という点ではなく、通用しない整理解雇という点を見出しにしたわけです。

ここが、差別問題にはきわめて鈍感なわりに、仕事自体が縮小したことに伴う整理解雇に対してはとんでもない悪事であるかのように考える日本型メンバーシップ感覚と国際的な労働問題のスタンダードのずれがよく出ています。

このJALの問題については、電話取材も受けましたが、肝心のここがなかなか理解されないのですね。

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