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2013年3月

『労働力媒介機関におけるコミュニティ・オーガナイジング・モデルの活用に関する調査』

YamazakiJILPTの諸外国に関する報告書『労働力媒介機関におけるコミュニティ・オーガナイジング・モデルの活用に関する調査』がアップされました。

http://www.jil.go.jp/foreign/report/2013/2013_0328.htm

本資料は平成24年度に実施した「労働力媒介機関におけるコミュニティ・オーガナイジング・モデルの活用に関する調査」で行ったインタビュー・レコードを取りまとめたものである。本調査は平成22~23年度に実施したアメリカの新しい労働組織とそのネットワークに関する調査を受けて実施したもので、これまでに訪れた組織の数は平成24年度に新たに加わった12箇所をあわせて42箇所となった。

「アメリカの新しい労働組織とそのネットワークに関する調査」が明らかにしたのは、機能不全に陥りつつあるアメリカの労使関係システムを現代の社会に適合させるためにそれらの組織が努力する姿であった。そして、その背景にはコミュニティ・オーガナイジングという、日本の、とくに労働分野においてあまり紹介されてこなかった手法が重要な役割を担っているということを当機構の調査がおそらく日本ではじめて紹介したと思われる。

そのコミュニティ・オーガナイジングにおいて重要な役割を担っている組織を中心にさらに深く調査した成果が本資料である

ということで、本ブログで何回か紹介してきている山崎憲さんが中心になってやってるアメリカ労働運動研究の産物の一つの資料集です。

http://www.jil.go.jp/foreign/report/2013/pdf/2013_0328.pdf

執筆担当者
遠藤公嗣 明治大学経営学部教授
筒井美紀 法政大学キャリアデザイン学部准教授
山崎憲 労働政策研究・研修機構 主任調査員補佐
米澤旦 東京大学大学院
岩田敏英 労働政策研究・研修機構 調査員

いろんな話が雑多に詰め込まれていますが、ざっと見て面白かったのは、SCMW! (South Central Michigan Works! )のインタビューの最後に出てきた「逆就職フェア」。

◆逆就職フェア
SCMW! の訓練終了者を対象に、適時、逆就職フェアを開催している。この逆就職フェアが通常のものと異なるのは、求職者が使用者のブースを回るのではなく、求職者の職業訓練の成果を使用者に見てもらう方式を採用していることだ。例えば溶接コースの訓練は6-8 週間かけて実施されるが、その訓練終了者が訓練成果の作品を展示し、使用者はその作品の確認、および面接などを通じて採用活動を行う。このフェアによって、SCMW! のスタッフの説明によれば「ほとんどの者が就職できる」。

へえ。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-e0e1.html(山崎憲『労働組織のソーシャルネットワーク化とメゾ調整の再構築』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-0914.html(『アメリカの新しい労働組織とそのネットワーク』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-81d5.html(遠藤公嗣,筒井美紀,山崎憲『仕事と暮らしを取りもどす ― 社会正義のアメリカ ― 』)

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両角道代・森戸英幸・梶川敦子・水町勇一郎『Legal Quest労働法』第2版

L17921両角道代・森戸英幸・梶川敦子・水町勇一郎の4人による共著教科書『Legal Quest労働法』第2版(有斐閣)をお送りいただきました。有り難うございます。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641179219

労働法を学ぶ学生向けの教科書。コンパクトながら要点をおさえた丁寧な叙述で人気上昇中。労働市場法や労働紛争解決法まで含めた「労働法の全体像」がつかめる。初版刊行以降の法改正や新しい重要判例に対応した第2版。好評のリーガルクエストシリーズ。

学部向けのスタンダードなテキストですね。

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権丈善一「社会保障と係わる経済学の系譜」序説・(1)

先日、都内某所で秘密会合(笑)があったとき、その日に読んだばかりとお話しした権丈論文二連発が、ご本人のホームページにアップされています。

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/20130330115410.pdf(社会保障と係わる経済学の系譜序説―サムエルソンの経済学系統図と彼のケインズ理解をめぐって―)

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/20130330115502.pdf(社会保障と係わる経済学の系譜(1))

ご本人によると、

これまでで、一番感謝された原稿かな。
> 『三田商』5号、6号の原稿が足りません。
> 何卒、よろしくお願い申しあげます(お助けを)

まぁ、ふたつとも冬休み入る頃から、仕方がないなぁと取りかかったんだけどな。。。
どうにか、卒業式までに発刊できてなによりです。でも2冊とも無茶苦茶薄い号だったけどね(笑)。

だそうです。

その都内某所で話題になった図というのはこれです。

Kenjoh

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山本陽大「ドイツにおける解雇の金銭解決制度に関する研究 解雇制限法9条10条の史的形成と現代的展開」

どうも、「金銭を払って解雇するという制度」と「世界中みても、解雇が無効になった後に金銭で解決する国はある」の違いも理解しないまま、あれこれ論ずる人々が絶えないようなので、

そもそもドイツ解雇制限法における解雇の金銭解決制度とはいかなるものであるのか、何かものを言う前に勉強するために最適な論文がネット上に上がっていますので、学習指定文献(笑)としてリンクしておきます。

同志社法學 第344号(62巻4号)所収の山本陽大「ドイツにおける解雇の金銭解決制度に関する研究 解雇制限法9条10条の史的形成と現代的展開」です。

http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TB12280027&elmid=Body&lfname=028003440006.pdf&loginflg=on

はじめに
第一章 前提的考察
  第一節 我が国における解雇法制の特徴
  第二節 "解雇無効"の意義
  第三節 日本における解雇の金銭解決制度論
    ⑴ 意義と我が国における議論状況
    ⑵ ﹁今後の労働契約法制の在り方に関する研究会﹂報告書
  第四節 本稿の課題
    ⑴ 諸外国の解雇法制
    ⑵ 検討の順序と課題
第二章 ドイツ解雇制限法における解消判決・補償金制度
  第一節 概説
    ⑴ ドイツにおける解雇法制の概要
    ⑵ 解消判決・補償金制度
  第二節 歴史的経緯と基本理念
    ⑴ 事業所委員会法および国民労働秩序法下での法状況
    ⑵ "存続保護"法の展開
    ⑶ 解消判決・補償金制度の規範的正当性― 連邦憲法裁判所二〇〇四年一〇月二二日決定
    ⑷ 小括
  第三節 手続法的要件論
    ⑴ 解雇制限訴訟の係属と時機に適した解消申立ての提起
    ⑵ 解消申立ての法的性質
  第四節 実体法的要件論
    ⑴ 解約告知の社会的不当性
    ⑵ 解消時点における労働関係の存在
    ⑶ 解消事由の解釈― 労働者の解消申立てについて
    ⑷ 解消事由の解釈― 使用者の解消申立てについて
    ⑸ 小括
  第五節 双方による解消申立ての法的処理
  第六節 解消判決の方法と効果
    ⑴ 判決方法の諸類型
 ⑵ 遡及的解消をめぐる問題― 連邦憲法裁判所一九九〇年一月二九日決定
  第七節 補償金決定システム
    ⑴ 概説
    ⑵ 法的性質と機能
    ⑶ 他の法領域における補償金の取扱い
    ⑷ 算定基礎
    ⑸ 考慮要素
第三章 ドイツ法の総括と日本法への示唆
  第一節 ドイツ法の総括
  第二節 総論的考察
    ⑴ 解雇無効原則への評価
    ⑵ 解雇の金銭解決制度の基本理念
    ⑶ 規範的正当化について
  第三節 各論的考察
    ⑴ 労働者側の申立て
    ⑵ 使用者側の申立て
    ⑶ 補償金(解決金)について
結びに代えて

なお、山本さんはこの論文を書いたときには同志社大学博士課程でしたが、今は労働政策研究・研修機構の研究員ですので、話しを聞きたいという方はそちらにどうぞ。

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佐藤岩夫・樫村志郎(編), 『労働審判制度をめぐる当事者の語り――労働審判制度利用者インタビュー調査記録集』

引き続き、東京大学社会科学研究所の研究シリーズとして刊行された佐藤岩夫・樫村志郎(編), 『労働審判制度をめぐる当事者の語り――労働審判制度利用者インタビュー調査記録集』をお送りいただきました。

これは、本ブログでも紹介してきた

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3e42.html(労働審判の解決金は100万円)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/---b654.html(菅野・仁田・佐藤・水町『労働審判制度の利用者調査 -- 実証分析と提言』)

東大社研の労働審判調査の一環として行われたインタビューの詳細な記録です。

労働者13人、使用者13人、事案は解雇など雇用終了が多いですね。雇用形態は正規、契約、パート、派遣が取り混ぜられています。どれも大変面白く、この分野に関心のある人にとっては必読です。

私のあっせん事案の研究でもいくつか出てきましたが、身に覚えがないのにパワハラをしたとされて首になったという事案があり、この問題の難しさを改めて感じさせます。

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玄田有史(編), 『危機に克つための雇用システム――近未来事業プロジェクト成果報告会の全記録』

Ss


私がコメンテーターとして出た東京大学社会科学研究所のシンポジウム「危機に克つための雇用システム」の議事録が、同社研の研究シリーズとして刊行されました。

http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/publishments/issrs/issrs/

このシンポについては、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-72ed.html(濱ちゃん先生がどう暴れるかが期待でしたが、想像以上に大暴れ(笑))

でも、いろんな方の感想を載せてますが、実際に私がどんなことをしゃべったのか、こちらに私の発言部分だけを抜き出してありますので、関心のある方はどうぞ。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/shakencomment.html(コメント)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/shakenpanel.html(パネルディスカッション)

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『東洋経済』4月6日号

20120627000143401来週初めに発売される『東洋経済』4月6日号、「給料大格差時代」という特集のどこかに、私がちらりと顔を出しているはずです。さて、どこでしょう?

http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/toyo/detail/BI/5e073e337c3b53e9a69926d9d18c5a3c/#mokuji

COVER STORY
給料 大格差時代

[PART1] 広がる給与格差

昇格&一時金で大きな差 年功型賃金は完全崩壊へ

COLUMN│ 若手・中堅で4%賃上げ 40歳で格差2倍も オリックスの人事改革

完全役割給導入で広がる社内格差 グローバル企業の帰結

2万人を大調査! 実データで見る中小企業の給与激減

[独自試算] 主要1300社 40歳年収ランキング

33業種別 業界平均年収付き

全上場企業編 上位・下位30社

最高益更新企業編 上位・下位30社

[PART2] 賃上げ狂騒曲の虚実

なぜ賃金は上がりにくいのか? 4つの構造問題

TPP交渉参加でも焦点に! 労働生産性から考えるサービス業の低賃金

人手不足も低賃金の介護・保育職員 なぜ賃金は上がらないのか

消費拡大狙い年収アップ
「アベノミクス」に呼応する
小売り・流通の業界事情

INTERVIEW│ 鈴木敏文/セブン&アイHD会長兼CEO

賃上げ続出でも影薄い労組 異例の展開となった春闘の内幕

名物経営者が語る「賃上げ興国論」
INTERVIEW│
似鳥昭雄/ニトリHD社長
「リスクと覚悟を持って、45年間ベースアップをしてきた」
大山健太郎/アイリスオーヤマ社長

第2特集
迷走する産業政策
どうした経産省!

経済最優先を掲げた安倍首相。側近に経産省出身ホープを据え、アベノミクス第3の矢を担う産業競争力会議にも経産官僚を多数登用した。ところが動き出してみると、成長戦略は従来プランを脱せず、規制緩和も迷走ぎみだ。「経産省主導内閣」の実態。

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濵本・興津編『ヨーロッパという秩序』

108078濵本正太郎・興津征雄編『シリーズ激動期のEU3 ヨーロッパという秩序』(勁草書房)をお送りいただきました。

お送りいただいたのは、この本の第3章「EU社会法の柔軟性と正当性」を書かれている櫻庭涼子さんであろうと思います。

櫻庭さんの論文は、EUのパート、有期、派遣3指令の立法過程に着目して、労使合意による規範設定の限界を論じているもので、私にとってはとても近しい内容ですが、その他の論文も、EUという法秩序の有り様をさまざまな角度から分析していて、大変興味深いものでした。

というか、EU時代は労働に限らず、EUのさまざまな側面を勉強する機会が結構あったのですが、日本に帰ってからはどうしても視野が労働問題に限られて、憲法多元主義だの、人権条約だのといった話からは距離があってので、読みながら結構懐かしい思いもしました。

こういう形の論集を送っていただいたことを感謝いたします。

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職務限定正社員に関する日経記事

本日の日経5面に「職務限定の正社員 普及へ」という記事が載っています。

職務限定、勤務地限定の無期雇用を普及させるというのは望ましい方向だし、まさに「ジョブ型正社員」であるわけですが、そこに載っている日経新聞作成とおぼしき表がいささか意味不明です。

規制改革会議の資料を見ても、こんな表はないので、多分日経の記者が勝手に作ったんだと思うのですが・・・。

給与水準のところが、「正社員」は「高い」で、「限定正社員」は「正社員の8~9割」って、勝手に人の給料を決めるなよ。

無限定正社員は、どういう仕事をするか決まってないので、潜在的な職務遂行能力に基づく職能給になるわけで、たまたまある仕事をしているときに、同じ仕事をしている限定正社員と比べて高くなるか低くなるかが一義的に決まる訳のものではないでしょう。むしろ、年功制で若い頃は低い無限定正社員は、ベテランの限定正社員より低い方が当たり前でしょう。

もっとひどいのが「解雇」の欄。「正社員」が「しにくい」で、「限定正社員」は「雇用契約に解雇条件を細かく明記」と、まったく間違ったことを平気で書いている。

こういう発想が瀰漫するから、限定正社員を解雇自由化の道具だなどと誤解する人も出てくる。

言うまでもなく、限定正社員であれ、無限定正社員であれ、解雇規制そのものに何の違いもありません。「客観的に合理的でなければ無効よ」ということです。

違うのは、何が客観的に合理的かが、雇用契約の内容によって違いが出てくるというだけで、どういう仕事をするか決まってなくて、どんな仕事でも命じられたらしなくてはいけない人であれば、その仕事がなくなっても配転しなければならないけれども、特定の仕事だけをする約束で、それ以外の仕事を命ずることができない人であれば、やはり配転を命ずるわけには行かないというだけのこと。

雇用契約に書くのは「この仕事だけよ、配転はなしよ」ということであって、解雇条件を細かく書くなどという発想自体、解雇自由脳の悪影響なのでしょう。

同じ解雇規制をあてはめたときに雇用契約の内容から結果に違いが出てくるという話と、そもそも誰かを解雇しやすくしてやろうという話とはまったく違います。

その辺がぐちゃぐちゃになっているのが、この日経記事の表によく現れています。

(追記)

こういう日経脳の典型的な例:

https://twitter.com/tyk97/status/317506557812293632

解雇できない上に、職務が限定(転勤、配置転換がない)では、これ如何に。最強の雇用形態ではないか。

こういう人々は、「客観的に合理的な理由がなければ解雇してはいけない」と「いかなる理由があっても解雇してはいけない」の区別がつかない人々なんでしょうか。

いうまでも日本の法制は、論理学的に同値の表現を用いれば、「客観的に合理的な理由があれば解雇してよろしい」というものであるわけです。

ただ、何が「客観的に合理的」かが、雇用契約の内容によって変わってくる。

会社の命令でいかなる仕事でもしなければならない約束であるなら、たまたまあるときに命じられたある仕事がなくなっても、他の仕事に配転する義務があるし、たまたまあるときに命じられた仕事ができなくても、やれる仕事に回す義務がある。それは、あえていえば法律が要求していないのに、会社が自らの人事権を大きくふるいがたいがためにみずからの責任を大きくしているだけの話。ある仕事がなくなったりできなくなったりしただけでは「客観的に合理的な理由」にならないというだけ。

職務限定正社員であれば、その仕事がなくなったり、その仕事ができなくなれば、「客観的に合理的な理由」になりうるので、「解雇してよろしい」となる可能性が高くなる(もちろん、選定基準や労使協議など他の要件を満たすことは必要)。

こういうもっとも基本的なことからいちいち説明しなければならないというところに、今日の日本の解雇論議の底の浅さが露呈しているわけです。

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上林千恵子さんについて

ふと新聞を見ると、知った名前があったのですが、

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS28021_Y3A320C1PP8000/人事官・検査官に民主など反対 衆院、同意人事を可決

衆院は28日の本会議で、人事院人事官に法政大の上林千恵子教授、会計検査院検査官に立教大の角紀代恵教授を起用するなど10機関35人の国会同意人事案を自民、公明両党などの賛成多数で可決した。上林、角両氏には民主党、日本維新の会、みんなの党、共産党、生活の党が反対し、29日に予定する参院での承認は微妙な情勢だ。

どういう理由で反対したのか、これだけではよくわかりませんが、人事官候補の上林千恵子さんは労働問題の研究者として、とりわけ外国人労働者問題に真摯に関わってこられた方であるだけに、反対した党の並びをみるにつけ、なんだかよくわからない感がこみ上げます。

Others02最近では、連合総研の「「外国人労働者問題に関する調査研究員会」でご一緒し、上林さんは中国人技能実習生の問題を四国の奥地まで現地調査に行って、そのバイタリティに感心してみていました。その成果は

http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1348044231_a.pdf

にまとめられていますが、要約は

第3章 中国人技能実習生の出身階層と技能実習の成果~母国への送金と職場規律・生活規律の習得( 上林千恵子・法政大学社会学部教授

本章では、研究委員会で実施した技能実習生に対するアンケート・ヒアリング調査の分析と今後の制度課題の検討が試みられている。
 調査結果から、中国人技能実習生の多くが農民工出身であること、そして、彼・彼女らの就業行動と母国の労働市場の階層構造との関わりが明らかとなる。また、その滞日就業の目的は「母国への送金と職場規律・生活規律の習得」へと鈍化しており、技能修得や日本語習得という目的は背後に退いた感がある。

多くの技能実習生が「お金を稼ぐため」と割り切っているにもかかわらず、各地で労使紛争が頻発していることは重く受け止めねばならない。筆者は、技能実習制度が今後の外国人労働者受入れ制度のための試金石とするならば、技能実習生を受入れる企業に労基法や入管法を遵守するという最低限の行為が伴うこと、そして、そうした遵守を可能とするような受入れ体制を人数の上でも予算の上でも構築することが必要だと指摘している。

Book_12889なお、もう少し広く外国人単純労働者受け入れ方法としての日本の技能実習制度を西欧諸国と比較した論文が、五十嵐泰正さん編の『労働再審2 越境する労働と移民』に載っています。この問題を考える上で不可欠の論文です。

どちらにおいても、私の歴史的分析と一緒に載せられております。

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児美川孝一郎『「親活」の非ススメ』

1106259446児美川孝一郎さんから新著『「親活」の非ススメ“親というキャリア”の危うさ』(徳間ポケット)をお送りいただきました。

今や、幼稚園入試から大学卒業まで、子のイベントに親がベッタリ付き添うのは当たり前。「これからは就職活動を手伝う時代」と、わが子を尻目に勝手に盛り上がっている親も存在する。だが、親の就活介入には効果があるのか?効果が“ある”親と“ない”親との違いは何か?親の生き方が就活を左右するとは?キャリア教育のエキスパートが、知っておきたい“就活の要点”と“親としての在り方”を案内する。

ということで、今度は就活に振り回されている学生達の親たちに向けた本です。

第1章 これが最前線!就職活動と親
第2章 なぜ、親心があだとなるのか?
第3章 「親としてのキャリア」を歩むことの難しさ
第4章 こんなにも変わった!今どきの就活事情
第5章 わが子の就活にどうかかわるか?
エピローグ 親自身が自分の「人生」を歩み直す

この本のエッセンスは、エピローグで児美川さん自身がこう述べています。曰く:

通常ならばあり得ないくらいに短縮すれば、実は、たった“ひと言”で表現できてしまいます。-要するに、「子離れ」のススメです。

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『日本の雇用と労働法』第4刷

112483拙著『日本の雇用と労働法』が第4刷となりました。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/nikkeihajimeni.html(まえがき)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/nikkeimokuji.html(目次)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/nikkeibookreview.html(書評)

日経文庫にも最近労働法の本が増えましたが、労働法の解説書でありながら日経文庫のジャンル分けで「F 経済学・経営学」に入っているというのは珍しいと思います。

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新人巫女、緊張した面持ち

Wlf13032808460006p1産経新聞から、

かつて、巫女さんの労働者性について本ブログで取り上げたことがありましたが・・・

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130328/wlf13032808460006-n1.htm

奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社で27日、採用されたばかりの新人巫女(みこ)7人に神楽(かぐら)「浦安の舞」の所作を指導する講習会が開かれた。

講習会には神社音楽協会の講師を招き、先輩巫女らも協力。祭典などで奉納される浦安の舞の基本的な所作や、手に持つ鈴や扇の扱いについて指導した。

「扇を上げる際に、あごがあがらないように」「鈴や扇を丁寧に扱うこと」などと指導を受け、新人巫女らは緊張した面持ちで、何度も基本の所作を繰り返した。

講習を受けた同市戒重(かいじゅう)の山崎真維(まい)さん(18)は「今はぎこちないが、練習を重ねて優雅な舞を披露できるようになりたい」と話していた。

新規高卒で巫女さんとして採用されたということのようですね。

初詣期のお札販売員としての臨時雇用ということではなく、舞を奉納するスキル労働者となるべく教育訓練を受ける常用労働力として採用されたのですね。

ふむふむ。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-00c0.html(神の御前の労働基準法)

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『週刊文春』4月4日号

Image明日発売の『週刊文春』4月4日号に、興味深い記事が載っています。

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2528

竹中・三木谷「解雇自由」の悪巧みで日本企業は総ブラック化する!

私とPOSSEの今野晴貴さんが出ておりますので、是非お買い求めの上、お読みいただきますよう。

『世界』の次号(4月8日発売)でも並ぶようですね。

ちなみに、この号の主な記事は。

悪臭漂うドブ川で野菜栽培、発がん性ホルモン剤注入で鶏肉肥大…
「中国猛毒食品」生産農家を直撃!
「死んだ豚を川に捨てたのは俺だ」
 犯人農民の告白

とか、

秋篠宮佳子さま
美人すぎる皇族の奔放な学園生活

膝上15㎝のミニスカにイヤリング、巻髪、細眉、Kポップでダンス!

とかですけど。面白そう。

Img_4ec917421029d98fd9c6ca454646940

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ネオ・ネオ・コーポラティズムの提唱?

本日の日経の「経済教室」に、経済財政諮問会議民間議員の高橋進さんが「賃上げ実現の条件 上 政経労でルール作りを」を書かれています。

中身は、先日の日経記事

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO53153370U3A320C1NN1000/賃上げへ政労使協定 脱デフレ、官民で構想浮上 3者痛み分け促す

の解説的なもので、同記事の背景が山田久さんとともに高橋さんであることがわかりますが、それより興味深いのは、この記事が極めて強く政労使三者構成原則を打ち出していることです。もっとも、記事の中では「政労使」じゃなくて「政経労」という耳慣れない言葉遣いをしていますが。

・・・そうしたルール作りにはあくまで労働側と経営側が取り組むことが原則であり、政府がむやみに介入すべきではない。政府が安易に経営側に賃上げや雇用拡大を求めることも望ましくない。しかし、今の日本は両者のパワーバランスが崩れているため、民間の交渉に任せておくだけでは新たなルールは作れない。そこで、政府が両者の間に入り、ルール作りを誘導して、持続的な賃上げを可能にする経営側と労働側の合意を形成することが必要になる。

労働側が読んだら不愉快になる一節ですが、しかし「今の日本は両者のパワーバランスが崩れている」というのは否定しがたい事実でしょう。職場の代わりに選挙で一生懸命頑張ってみても、それが支持基盤のはずの労働組合に還元されなかったのも事実ですし。

何にせよ、

これらを議論する場としては雇用戦略対話など既存の枠組みがあるが、具体的な場にこだわらなくてもよい。必要なのは、政経労の三者が対話を通じて新たなルールについて合意を得ることである。

と、三者構成に基づくルール作りという大原則をきちんと述べていることは、重要でしょう。

同記事の最後には、

・・・また、従来型の春季労使交渉に代わる賃金底上げの仕組みとして、主要産業ごとに経営と労働側の代表が参加する委員会を設置し、事業再編や労働移動などの必要性について、個別に勧告できるようにすることも検討すべきだ。

とも述べられています。企業別組合中心のためにそれを超えたレベルの機能が極めて弱体な日本で、産業レベルのコーポラティズム的な機構を作るという課題は、遙か昔から論じられては消えていった古くて新しい課題ですが、21世紀のこの時代になって、こういう形で改めて提起されてきているということに、表層的な批判では済まない本質的な課題が露呈していると言えましょう。

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解雇規制緩和―「いいとこどり」は困る@朝日社説

本日の朝日社説は、この問題を見事に過不足なく解説しています。

ほとんど私が書いたみたい(笑)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1(解雇規制緩和―「いいとこどり」は困る)

 

 雇用ルールの見直しは、働く側が一方的に不利にならないよう十分な目配りが必要だ。

 正社員でも、きちんとお金を払うことで解雇しやすくする。そのかわり、再就職もしやすい社会にする――。安倍政権のもと、規制改革や産業競争力をテーマにした会議で、こんな提案が出ている。

 競争力を失った業種から、将来性のある産業へと労働力を移し、経済を活性化する。正社員と非正規雇用との格差を是正する。そんな狙いを掲げる。

 背景には、日本では正社員の解雇規制が厳しいという経営者側の認識がある。

 欧米では特定の仕事を前提に雇われることが多い。その仕事がなくなれば整理解雇はやむをえない、と認識されている。

 だが、日本では大企業を中心に、どんな仕事をさせるか決めずに新卒を一括採用する。その後は会社の都合で仕事を与え、転勤させる。社員側も今の仕事がなくなったら、別の仕事に回ることを期待する。

 こうした実態を踏まえ、日本の裁判所は解雇にあたって、会社側が配転や出向など雇用を続ける努力をどこまで講じたかを問うてきた。

 それは半面、正社員は「何でも屋」として、長時間労働もいとわないのが当たり前という風土をつちかってきた。

 一方、正社員の雇用を安定させる調整弁にされてきたのが非正規の社員だ。正社員が守られてきたのは大企業だけで、中小・零細企業では理不尽な解雇が横行してきた実態もある。

 解雇規制を緩めるなら、二極化した雇用の間で、もっと多様な働き方が必要だ。

 たとえば勤務地や職種が限定された新しい形の正社員を活用する。それなら「雇用に期限はないが、仕事がなくなったら解雇」というルールにも納得がえやすく、会社側が正社員雇用に前向きになるかもしれない。

 さらに、非正規から正規へとステップアップできるルールを整備する。新しい仕事へと移るための職業訓練や、その間の生活保障を充実させる。

 解雇規制の緩和は、そんな仕組みづくりが大前提だ。

 日経連(現・経団連)が95年にまとめた「新時代の日本的経営」では、幹部候補の正社員、雇用柔軟型の非正社員の間に、高度な能力を活用する専門職を位置づけた。

 ところが、能力を生かした働き方は増えず、雇用の不安定化ばかりが進んだ。会社側の「いいとこどり」だけの改革なら、日本再生は望めない。

(追記)

やはり、そういう感想が・・・

http://tomohatake.blog.fc2.com/blog-entry-17.html(道に迷ったら元へ戻ろう。)

今朝、朝食をとりながら広げた朝日新聞の社説『解雇規制緩和・・「いいとこどり」は困る』。最近のメディアにしてはめずらしく「正調」である。コンパクトにしてズバリ的を得た論理性。まるで濱口桂一郎先生が書いたのか(笑)と思わせる筋書き。ひと段落してhamachanブログを開くと、先生も「俺が書いたかのよう(笑)」と称賛されていて本当に笑ってしまった。

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蒼国来の解雇無効判決

ということで、解雇規制問題が騒がしいときに、何事ぞ、大相撲の蒼国来の解雇訴訟に判決が・・・。

http://www.asahi.com/national/update/0325/TKY201303250222.html(「蒼国来さんは今も幕内力士」 地位認める判決)

大相撲の八百長問題で、日本相撲協会の引退勧告を受け入れず解雇された元幕内・蒼国来さん(29)=中国出身=が、協会を相手に、幕内力士として土俵に復帰することなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、蒼国来さんが現在も幕内力士の地位にあることを認めた。

古久保正人裁判長は、問題となった取組について、「故意による無気力相撲と認めるには十分ではなく、このことを理由とする引退勧告処分は無効だ」と述べた。

蒼国来さん側は、協会の八百長調査や解雇手続きの不当性を主張していた。

非違行為を理由とする解雇において、当該非違行為が認定されないという典型的な事案ですが、そもそも相撲力士は労働者なのかという話はさておき(「解雇」という言葉は、日本相撲協会の規則にある言葉ですが)、根拠のない理由で一方的に契約関係を断ち切ることが許されるのか、という意味では、上記事実認定からすれば当然の結論なのでしょう。

(追記)

控訴断念とのことなので、職場(土俵)復帰ということになるのでしょう。

http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201303250711.html(北の湖理事長、控訴断念の意向 蒼国来さん解雇無効判決)

大相撲の八百長問題で、日本相撲協会からの引退勧告を受け入れずに解雇された元幕内・蒼国来(そうこくらい)さん(29)が、土俵への復帰などを求めた訴訟で、東京地裁が25日、「解雇は無効」と判断し、現在も幕内力士の地位にあると認めた判決を受け、日本相撲協会の北の湖理事長が控訴断念の意向を固めたことが分かった。「判決で認定された事実から、控訴しても逆転勝訴が見込めない。双方の利益にならないのではないか」などと周囲に語った。

協会としての最終判断は、協会の危機管理委員会(委員長・宗像紀夫外部理事)と弁護士の協議を経て理事会で正式に決まる。北の湖理事長は判決直後、「このような結果になった要因はどこにあったのか、危機管理委員会で検証して頂く」とコメントを出したが、その後、周囲に控訴断念の意向を漏らしていた。

力士らの処分が決まった2011年4月の理事会では、当時の放駒理事長ら執行部の処分案に反対していた。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_c64e.html(力士の労働者性)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_fd03.html(時津風親方の労働者性)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_bbf0.html(幕下以下は労働者か?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-d31a.html(力士の解雇訴訟)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-b776.html(朝青龍と労働法)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/by-916f.html(力士をめぐる労働法 by 水町勇一郎)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-4251.html(力士会は労組として八百長の必要性主張を@水谷研次さん)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-2ce8.html(力士の労働者性が労働判例に)

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下原千恵さんがほんとに居た!

アイドル女子大生下原千恵(げばら ちえ)というのは、松尾匡さんのでっち上げた架空の人物かと思っていましたが、

Test_2http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-5d20.html(松尾匡さんの絶妙社会主義論)

ここの最後の章がボクの章で、ベテラン「革命家」の「南天南八(なんてんなんぱち)」と、アイドルの女子大生「下原千恵(げばらちえ)」の掛け合いという形式で書きました。国営指令経済で特権と粛清が発生するのはなぜか、ソ連・東欧経済が私有資本主義になった理由、なぜコルホーズ制をとったか、労働者自主管理企業で内部資金で蓄積すると年功制や会員権方式を通じて変質すること、ユーゴ型自主管理経済がインフレで崩壊する必然などを説明したあと、決定とリスクと責任のバランスという観点から企業の主権のあり方を考察しています。
 背景には、ゲーム理論などの応用ミクロモデルがあるのですが、もちろん、まったく数式などは出さず、例によって主観的には一般向けにわかりやすく書いたつもりです。実はひとりよがりかもしれませんけど。参考文献案内もたくさんつけましたので、立ち入った勉強をしたいときにも役立ちます。

これが絶妙。どう絶妙かと言えば、引用し始めるときりがないので、もうとにかく本屋で立ち読みでも何でもしてね、としかいいようがない。社会主義の問題点とあり得る可能性を、ここまで分かりやすく軽妙に、しかもレベルを全然落とさずに書いたものはたぶんほかにないはず。

Bf3mpo2cyaaz7vuなんと、この現代日本に実在していたようです。

http://togech.jp/2013/03/22/659()

恵比寿駅のあたりでSuica拾いました。恵比寿駅改札に届けておきました。 チェ•ゲバラさん 24才 女性と券面に。日本に革命家が潜伏!!

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医療介護福祉政策研究フォーラムの案内

医療介護福祉政策研究フォーラム(虎ノ門フォーラム)というところからご依頼をいただいて、その第12回社会保障研究会でお話をすることになりました。

http://www.mcw-forum.or.jp/research.html

第12回月例社会保障研究会開催のお知らせ  

(仮)演題:「雇用はこれからどうなるのか-新しい労働社会への展望- 」

講師:濱口 桂一郎 氏(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労使関係部門 統括研究員)

日時:平成25年5月16日(木)18:30~20:30
  
場所:プレスセンター10階・ホールAC
(東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル)

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『POSSE』18号

9784906708055まだ出ていませんが、『POSSE』18号の表紙がアップされていたので、一応紹介。特集は「ブラック企業対策会議」だそうですね。

http://www.hanmoto.com/jpokinkan/card/card.php?isbn=9784906708055

特集は「ブラック企業対策会議」です。研究者、評論家、投資家など各界の論客からブラック企業への対抗策の意見を集めました。
国会の首相答弁にも「ブラック企業」が登場し、「ブラック企業」言説が急速に広まっています。
そこで今号の特集は「ブラック企業対策会議」と題し、研究者、評論家、投資家など各界の論客からブラック企業への対抗策の意見を集めました。

また、巻頭には大阪市天王寺区での生活保護「不正受給」に関するルポを掲載。作られた「不正受給」の実態や、生活保護制度がどうあるべきなのか、またブラック企業と生活保護費の引き下げの関係性を検討しました。

ということで、左上の表紙から字を読み取るのは難しいのですが、常見陽平とか海老原嗣生とかいう名前が、本田由紀とか岩崎夏海とかと並んでかろうじて読めるような。さらに、左の方には山本一郎という字も読み取れるように思うのですが、これってもしかして切り込み隊長???


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怪著にして快著

下でその一端をご披露した『日本の雇用終了』について、羊こと宇城さんが、「怪著にして快著」と評していただいております。

https://twitter.com/ustht/status/315447702395686913

ハマちゃん先生の『日本の雇用終了』は怪著にして快著なので、ぜひご一読を。 中小企業ではスパスパ解雇してますよ

https://twitter.com/ustht/status/315450670583017472

事例集なので、端から端まで読む必要はないかも。最後の政策提言?を多角的に検討する材料

http://homepage3.nifty.com/hamachan/jilpthajimeni.html(はじめに)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/mokuji4.html(目次)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/jilptbookreview.htm(書評)

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フジテレビ新報道2001

明日のフジテレビ新報道2001の案内:

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/shin2001/index.html

24日の「新報道2001」は、日本が目指すべき新時代の雇用のあり方について議論する。厚生年金の支給開始年齢引き上げに伴い、来月から企業は希望する社員全員の65歳までの雇用を義務づけられる。ただ新卒採用抑制など若い世代の雇用環境悪化の懸念も指摘される。一方政府の有識者会議では正社員の解雇条件の緩和が議論され注目を集めている。年功序列型賃金、終身雇用、新卒一括採用など、超少子高齢化時代を見据え“日本型雇用”の形をどう進化させていくべきか?ゲストに自民党の塩崎恭久政調会長代理ほか識者を交えて徹底討論する。

一応、私も取材を受けました。どういう形で使われるかは分かりませんが、高齢者雇用と解雇問題についてちょびっと語っています。

(追記)

ほんとにちょびっとしか使われませんでしたが、その分、私の言いたかったことのかなりを海老原さんがスタジオでしゃべってくれてたような・・・。

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中小企業ではスパスパ解雇してますよ

世間では解雇規制の議論が盛り上がってきているそうですけど、何にせよ、日本社会の現実の姿からかけ離れた思い込みを前提に議論がされたのでは、あらぬ方向に走って行くばかりですので、

https://twitter.com/Sgt_Doraemon/status/315093544815697922

役に立たない人間を雇い続けなければいけない負担は中小企業には相当なもの。 解雇できないから、簡単に雇用も出来ない。

それはどこの国の中小企業なのでしょうか。多分、年間数十万件の労働紛争が労働裁判所にやってくるヨーロッパ諸国なんでしょう。

112050118少なくとも、私が日本の労働局のあっせん事案を調べた限りでは、こういうのが日本の解雇の現実の姿ですけど。

・10185(非女):有休や時間外手当がないので監督署に申告して普通解雇(使は業務対応の悪さを主張)(25 万円で解決)
・10220(正男):有休を申し出たら「うちには有休はない」その後普通解雇(使は「業務態度不良」)(不参加)
・20017(正男):残業代の支払いを求めたらパワハラ・いじめを受け、退職勧奨(取下げ)
・20095(派男):配置転換の撤回を求めてあっせん申請したら雇止め(不参加)
・20159(派男):有休拒否に対し労働局が口頭助言した直後に普通解雇(不参加)
・20177(派女):出産直前に虚偽の説明で退職届にサインさせた(不参加)
・20199(派女):妊娠を理由に普通解雇(不開始)
・30017(正女):有休申請で普通解雇(使は通常の業務態度を主張)(打ち切り)
・30204(非女):有休をとったとして普通解雇(使は当日申請で有休と認めず欠勤と主張)(12 万円で解決)
・30264(非女):有休を請求して普通解雇(使は当日申請で業務に支障と主張)(6 万円で解決)
・30327(非女):育児休暇を取得したら雇止め(使は力量劣るためと主張)(30 万円で解決)
・30514(非男):労基署に未払い賃金を申告したら雇止め(使は事実でないと主張)(不参加)
・30611(正男):指示に従わず減給、これをあっせん申請して懲戒解雇(使は職場トラブル、顧客とのトラブルが理由と主張)(打ち切り)
・30634(正男):労働条件の明示を求めたら内定を取り消し(15 万円で解決)

・10011(非女):個人情報(家族の国籍)を他の従業員に漏らしたことに抗議すると普通解雇(7万円で解決)
・10057(正男):会社から監視カメラで監視され、抗議すると普通解雇(15 万円で解決)
・20088(派女):いじめの現状を公にしたら派遣解除で雇止め(20 万円で解決)
・30015(派男):応募した業務と違う営業に回され、申し入れたら雇止め(不参加)
・30037(試女):無給研修に疑問を呈し、正式採用拒否(不参加)
・30048(正男)・30049(非女):配転で交通費を請求したが拒否され、退職勧奨(不参加)
・30077(正男):賃金が求人票と異なり、問うと退社を促された(10 万円で解決)
・30563(非男):偽造契約書に承諾させようとし、意見を言うと退職を勧める(不参加)

・10029(非女):賞味期限や注文数のごまかしを指摘したら普通解雇(不参加)
・10210(正女):データ改ざんを拒否して普通解雇(30 万円で解決)
・30036(正男):ハローワーク紹介で内定した会社が他社に労働者を供給する会社であることに疑義を呈したところ内定取消(不参加)

・20070(正男):常務に「勝手にやらんで欲しい」と言って懲戒解雇(打ち切り)
・20214(正女):マネージャーの降格人事に嘆願書をもって抗議したことで普通解雇(取下げ)
・30131(正男):客先で荷下ろし順に意見をしたら出入り禁止となり、さらに普通解雇(不参加)
・30243(正女):運営に意見が食い違っただけで普通解雇(打ち切り)
・30594(非男):副社長と営業方針、やり方が合わないとして雇止め(打ち切り)

・10032(正男):勝手に日曜出勤したので出勤停止、処分撤回を要求して懲戒解雇(取下げ)
・10056(正女):会社・社長の批判、社長の机を開けて社員の履歴書を見たので普通解雇(25万円で解決)
・10075(正男):会議中の発言や営業員との口論を理由に普通解雇(不参加)
・10097(派男):会社を信用できないと発言したことを理由に普通解雇(16.5 万円で解決)
・20052(正男):言い争いで出勤停止、不服申立に対し自主退職したものと見なす(30 万円で解決)
・20086(非男):社長、専務、同僚への暴言で普通解雇(不参加)

・10039・10040(非男):役職者として出向してきたのに昇進を拒否したので雇止め(それぞれ100 万円、150 万円で解決)
・10074(正女):他店舗勤務を拒否して普通解雇(打ち切り)
・100125(非女):異動拒否で普通解雇(不参加)
・10193(正男):勤務先の廃止に伴い、東京勤務を拒否し普通解雇(打ち切り)
・20153(正男):業績不振及び異動命令拒否で整理解雇(不参加)
・30050(正男):障害者で長時間労働に耐えられないのに京都勤務を拒んで普通解雇(不参加)
・30114(正女):配置転換命令に従わず普通解雇(打ち切り)
・30224(正女):保母として採用されたのに介護職員として働かされ、抗議すると普通解雇(打ち切り)
・30234(非男):配転命令を拒否すると「辞めてもらうしかない」と退職勧奨(不参加)
・30541(派男):常用派遣、東京への転勤命令に従わないので普通解雇(打ち切り)
・30573(正女):配転を拒否したので退職勧奨(打ち切り)
・30613(非男):介護施設への異動拒否を理由に普通解雇(16 万円で解決)

・10081(非女):勤務日数変更を求められ納得できず説明を求めたら雇止め(17.5 万円で解決)
・20085(正男):月給制から時給制への変更を拒否したら普通解雇(150 万円で解決)
・20130(正男):自社株購入を拒否して「聞けないなら会社を辞めろ」(不参加)
・30358~30361(正男・正女):減給を拒否したら普通解雇(取下げ)
・30380~30383(正男・正女):減給を拒否したら普通解雇(不参加)

・30209(試男):試用期間の延長を拒否したら普通解雇(不参加)
・30411(非男):事業部長だったが休職、復帰後一般営業員扱いを拒むと雇止め(不参加)

・10166(正女):異動か解雇か迫られた(不参加)
・20055・20056・20063(正男):職種転換か退職かを迫られた(打ち切り)
・20203(正女):教務主任になるか退職するかと迫られた(不参加)
・30126(非女):店長の解雇通告後、本社は異動か退職の選択を迫る(5 万円で解決)
・30318(正男):長女が長期入院状態なのに転勤命令、「従うか辞めるか」と退職勧奨(打ち切り)
・30407(正女):「転勤に応じないのであれば辞めてもらうしかない」(不参加)
・30579(正男):「配置転換に従えないなら退職しかない」(不参加)

・10172・10173(非女):平日週4 日勤務を平日週5 日+土曜も出勤するか、無理なら解雇(取下げ)
・20062(正男):最賃に引き下げる。応じなければ来なくても良い(不参加)
・30121(正男):賃金引き下げか解雇か(解決金ゼロで解決)

・10124(正男):請負への移行か辞めるか(8 万円で解決)
・30190(正男):退職しなければパートにする(不参加)
・30321(正男):解雇か週3 日の非常勤かと言われ退職(19 万円で解決)
・30548・30549(試男):面接時と異なる雇用条件(正社員のはずが嘱託)を示し、応じなければ内定取消(各20 万円で解決)
・30560(正女):育児休業から復職後、パートか解雇かと迫られ解雇に応じた(不参加)
・40002(試男):アルバイトになるか退職か(打ち切り)
・30596(正女):転勤・減給・有期化に従えなければ退職するよう強要(不参加)

・10014(非男):売上増のため出張を要求され、「行かないのなら辞めろ」「辞める」(5 万円で解決)
・10037(試女):受付業務を教えるように言われ、拒んだら普通解雇(不参加)
・20057(正男):職務命令違反、勤務態度不良で普通解雇(不参加)
・20110(正男):上司に従わないという理由で懲戒解雇を予告されたので退職届を提出(30 万円で解決)
・20120(正男):運行命令の放棄と社内での暴言が理由で懲戒解雇(打ち切り)
・20123(正男):悪質運転を繰り返したことを理由に「もう要らない」(打ち切り)
・20169(正女):上司の指示に従わない(トイレ掃除等)ので普通解雇(不参加)
・30004(非女):指導に従わないので普通解雇(不参加)
・30056(非女):自己都合退職後アルバイト勤務中業務妨害したので普通解雇(不参加)
・30079(派男):一部業務を拒否し派遣先の要求で契約解除(15 万円で解決)
・30097(非男):同僚とのトラブルでうつ病に、業務命令を拒否したら更新拒否(不参加)
・30128(非女):仕事を拒否し、意に反することがあると無断欠勤するので退職勧奨(7 万円で解決)
・30185(非女):指示に従わないので退職勧奨(打ち切り)
・30207(正男):専任講師として採用されたのに収益追求を強要され、退職勧奨(不参加)
・30222(非女):「会社の方針に従えなければ辞めてくれて結構」(不参加)
・30223(非女):「長い時間働かなければ辞めてくれ」(不参加)
・30240(正女):受付事務でカウンセリング業務を拒否したので普通解雇(10 万円で解決)
・30278(正男):研修中本人の就業拒否のため普通解雇(不参加)
・30337(非女):業務改善に応じず「明日から来なくてもいいです」(打ち切り)
・30363(正男):再三の是正指示にかかわらず業務着任できないため普通解雇(打ち切り)
・30559(正男):社命に従わず仕事に熱意なしと普通解雇(不参加)

・10018(非男):出退勤をメールで送信したため普通解雇(不参加)
・10021(非女):業務怠慢を理由に普通解雇(不参加)
・10038(正男):移転就職で、住民票を移しておらず自分の車をもたないことを理由に普通解雇(不参加)
・10098(正男):業務上の失態重なり報告怠るので普通解雇(不参加)
・10106(派男):派遣先からの勤務態度についての苦情で雇止め(打ち切り)
・10112(正男):仕事に誠意が見られないとして解雇(取下げ)
・10116(非男):業務手順が守られないという理由で普通解雇(不参加)
・10139(正男):職務怠慢を理由に懲戒解雇(不参加)
・20015(非男):ずさんな清掃の仕方ゆえ普通解雇(2 万円で解決)
・20016(非女):作業内容の不備を理由に労働条件引き下げに加え退職勧奨(不参加)
・20047(正女):能力、勤務態度、協調性の問題から普通解雇(15 万円で解決)
・20096(正男):事務局長として職務懈怠で懲戒解雇(10 万円で解決)
・20162(正女):仕事中に抜け出すので普通解雇(1 万円で解決)
・20200(非女):接客態度が悪いので普通解雇(不参加)
・20201(非女):誠実さがないので普通解雇(不参加)
・30025(正男):ミスを報告しないので普通解雇(不参加)
・30173(正男):業務に支障をきたす行為多く、パート社員とし「クビ」(30 万円で解決)
・30276(正男):勤務態度不良、成績不良で普通解雇(打ち切り)
・30279(派女):マナー違反を理由に雇止め(不参加)
・30328(試男):態度が反抗的なので普通解雇(打ち切り)
・30371(派男):勤務中の居眠りを理由に普通解雇(打ち切り)
・30390(正男):後輩に誤った指示をし、業務をほったらかしにしたので普通解雇(50 万円で解決)
・30517(正男):仕事ぶり、態度ともに悪いので普通解雇(打ち切り)
・30583(非男):勤務中の言動や行動に改善なしとして普通解雇(打ち切り)
・40018(非男):勤務態度に問題ありと普通解雇(打ち切り)
・40019(非女):事務の乱雑さで雇止め(打ち切り)
・40030(非女):勤務態度、勤務成績不良で普通解雇(打ち切り)
・40035(非男):業務態度不良で雇止め(打ち切り)
・40038(正男):警備室内でスリッパを履いていたので普通解雇(打ち切り)

・10028(正女):職場のトラブルで夫が威力業務妨害したので退職勧奨(謝罪・退職金で解決)
・10044(非女):フロアマネジャを怒らせたので出勤停止、普通解雇(取下げ)(あっせん外で30万円で解決)
・10169(派女):宗教関係の精神の混乱のため退職勧奨(15 万円で解決)
・10171(非女):従業員間のトラブルを報告したら誤解で即日普通解雇(不参加)
・20042(正女):再入社が知れていじめを受け、「これからいじめがひどくなるから退職してほしい」(不参加)
・20071(正男):「傷害事件を起こす恐れがあるので辞めてもらう」(打ち切り)
・20092(非女):マネージャーとトラブって欠勤、メールのやりとりで退職とされた(打ち切り)
・20113(非男):上司との喧嘩で顧客から殴られたことを理由に退職勧奨(打ち切り)
・20154(非男):個人を誹謗中傷するメールを再度送ったため普通解雇(打ち切り)
・20155(正男):部下とトラブり、「こんな部下と一緒に働けない」と言ったら退職とされた(28 万円で解決)
・20160(非女):会社の調和を乱したので雇止め(不参加)
・20176(正女):上司とのトラブルで普通解雇(50 万円で解決)
・30007(非男):協調性の欠如ゆえ雇止め(不参加)
・30011(非女):職場トラブルから「不満があれば辞めてもらっていい」(打ち切り)
・30051(非男):職場内の人間関係や勤務態度から雇止め(打ち切り)
・30054(正男):人間関係乱したとして普通解雇(打ち切り)
・30065(試男):職員との信頼感欠如を理由に普通解雇(25 万円で解決)
・30087(試男):自分でネットショップを経営し火の車で使用者や他の従業員に無心したので普通解雇(打ち切り)
・30104(派男):就労初日に派遣先担当者との見解の相違で即日解除(不参加)
・30136(試女):同僚とコミュニケーションを図ろうとしないので退職勧奨(30 万円で解決)
・30151(正女):職場の秩序を乱したとして普通解雇(50 万円で解決)
・30156(非男):コミュニケーションがとれず協調性に欠けるとして雇止め(取下げ)
・30170(試男):協調性がないという理由で普通解雇(不参加)
・30181(派女):他スタッフとの協調性低いとして雇止め(不参加)
・30192(試男):現場責任者が指導したところ噛みつきトラブルになり退職勧奨(1.2 万円で解決)
・30226(非女):チームワークを乱すので退職勧奨(不参加)
・30235(試女):挨拶ができない、声が小さいので普通解雇(不参加)
・30241(派女):派遣先から人間関係のトラブルで契約解除の申し出あり雇止め(15 万円で解決)
・30253(正男):取締役に罵声を吐くなど勤務態度不良で普通解雇(720 万円で解決)
・30254(正男):協調性がないので普通解雇(取下げ)
・30294(派女):派遣先で他の派遣労働者とのトラブルを理由に雇止め(打ち切り)
・30312(試男):意思疎通を図らず社長の指示以外聞かないので普通解雇(40 万円で解決)
・30349(正男):職場での暴言、脅迫、命令無視を理由に懲戒解雇(打ち切り)
・30353(正女):職場内の人間関係が悪化したため普通解雇(40 万円で解決)
・30355(派男):女性パートが嫌がっているという理由で雇止め(不参加)
・30415(非女):皆から無視されるようになり、異動先がないとして普通解雇(不参加)
・30434(正男):業務中不満をぶちまけ、同僚を脅迫したため退職勧奨(不参加)
・30435(非女):上司とのコミュニケーションがとれないので普通解雇(不参加)
・30515(試男):コミュニケーション能力不足を理由に普通解雇(不参加)
・30536(非男):風紀を乱したため普通解雇(打ち切り)
・30540(試男):態度が悪く、周りとコミュニケーションがとれないとの理由で普通解雇(不参加)
・30574(派女):派遣先での喧嘩を理由に普通解雇(打ち切り)
・30625(試男):協調性の欠如ゆえ普通解雇(50 万円で解決)
・30642(非女):他の作業を手伝わなかったから普通解雇(取下げ)
・40009(正男):職場の秩序を乱すとして普通解雇(打ち切り)
・40012(正女):他従業員とのトラブルで解雇(離職直前に過去に遡って1年の有期契約にして雇止め)(4 万円で解決)
・40032(試男):試用期間中、他の従業員に溶け込まず孤立して普通解雇(打ち切り)
・40033(非男):店内の盗難騒ぎでトラブルになり普通解雇(15 万円で解決)

・10007(非女):小児科医が看護師や患者の母親とトラブルを起こすので普通解雇(160 万円で解決)
・10154(非男):利用者や市からセクハラ発言にクレームがあったので普通解雇(5 万円で解決)
・10188(非女):仕事上のクレームがあったため普通解雇(不参加)
・10238(非女):現場でトラブルを起こしたため普通解雇(不参加)
・20077(正男):他社の運転手や客からの苦情多く普通解雇(打ち切り)
・20084(非男):皆に迷惑をかけ、クレームが多いので普通解雇(不参加)
・20143(正女):仕事のミスで顧客を怒らせたので普通解雇(5 万円で解決)
・20205(正男):得意先とのトラブルで普通解雇(不参加)
・30005(正男):得意先に失敗多く改めないので普通解雇(不参加)
・30152(非男):クレーム、事故が多いと雇止め(打ち切り)
・30165(試男):品位に欠け、客に不愉快な思いをさせたので普通解雇(打ち切り)
・30172(正女):入居者からクレームがあったとして普通解雇(24 万円で解決)
・30284(試男):荷物の扱いが悪く、顧客の苦情あり普通解雇(打ち切り)
・30324(非女):客とのトラブルや従業員同士のトラブルで雇止め(打ち切り)
・30335(派女):派遣先の隣の会社からのクレームを理由に雇止め(45 万円で解決)
・30339(正男):現場作業でクレーム多いと普通解雇(会社は請負契約と主張)(打ち切り)
・30521(非女):学生から授業中質問に答えてくれないとクレームがあり普通解雇(215 万円で解決)
・30533(非男):請負先からのクレームがあり普通解雇(20 万円で解決)
・30539(正男):仕事のミスや苦情がひんぱんなのに反省がないので退職勧奨(打ち切り)
・30551(非女):利用者のウケが悪いからという理由で普通解雇(3 万円で解決)
・30565(非男):顧客からクレームがあったため普通解雇(18 万円で解決)
・40043(非男):客からのクレームで普通解雇(不参加)

・10042(試男):いとこを病院に連れて行くため遅刻・無断欠勤で普通解雇(40 万円で解決)
・10048(試男):無断欠勤や同僚を罵ったので普通解雇(不参加)
・10049(試?):無断欠勤や勤務中の中抜けを理由に普通解雇(50 万円で解決)
・10102(派女):遅刻など勤怠状況悪く派遣先から拒否されたため雇止め(3.12 万円で解決)
・20061(派男):欠勤を伝えると「もう来なくて良い」(不参加)
・30027(正女):欠勤が多いので退職勧奨(取下げ)
・30032(正男):勤務中連絡が取れなくなり無断欠勤で普通解雇(不参加)
・30162(正男):無断欠勤するようでは困ると普通解雇(17.5 万円で解決)
・30180(正男):職場離脱を理由に普通解雇(不参加)
・30292(正男):遅刻を理由に懲戒解雇(取下げ)
・30396(非女):欠勤や早退が多いため雇止め(不参加)
・30519(正男):無断欠勤(1 日)をしたとの理由で普通解雇(6.8 万円で解決)
・30631(正女):社長のパワハラでうつ病、薬の副作用で居眠り・遅刻で普通解雇(取下げ)

・10104(試女):休みが多すぎを理由に普通解雇(不参加)
・10111(正女):体調不良による半休を理由に退職勧奨(23.3 万円で解決)
・20021・20023(試男):体調不良で4 日間休んだため普通解雇(同一事案について労使双方からあっせん申請)(5 万円で解決)
・20129(試男):試用期間中、風邪や頭痛で4回休んだため普通解雇(1 万円で解決)
・20136(正女):社長から「メタボ、豚、デブ」と言われ、うつで休み普通解雇(18.1 万円で解決)
・20184(非女):休みが多いと普通解雇(不参加)
・30078(正男):休務したいと伝えたら社長命令で普通解雇(不参加)
・30270(非女):体調不良で2 日休んだため普通解雇(打ち切り)
・30315(派女):体調不良で休んだため雇止め(13 万円で解決)

・10043(正女):「このままでは体がもたない」「やってられない」と愚痴ったら退職手続(30万円で解決)
・10100(正男):「この会社は最低だ」と叫ぶので「そんなに嫌なら辞めたらどうだ」(150 万円で解決)
・30184(正女):大学教授が納得しないと卒業できないと財務諸表の開示を求めたため内定取消(不参加)
・30427(派男):派遣では働きたくないというので雇止め(10 万円)
・30616(派女):「時給上げないとやる気起きない」に派遣先が不快感で退職勧奨(打ち切り)

・10096(非女):「うちの事務所に合っていない」「解雇ですね」(10 万円で解決)
・10110(非女):カラーに合わないを理由に普通解雇(不参加)
・10136(試男):社風に合わないことを理由に普通解雇(不参加)
・20048(非女):店長から「俺的にだめだ」と普通解雇(15 万円で解決)
・20068(非女):社風に合わないから普通解雇(不参加)
・20104(正男):いったん内定したが営業向きでないと思い取り消し(25 万円で解決)
・30044(非男):挨拶しなかったため採用4 日後に「辞めて欲しい」(打ち切り)
・30083(正女):会社方針に合わないと普通解雇(不参加)
・30088(正男):会社方針に合わない(100 万円で解決)
・30247(正男):社長交代で普通解雇(不参加)
・30261(正男):廃業し息子が後継するにあたり、他は継続雇用するが、本人は雇用したくないと普通解雇(取下げ)
・30341(試女):「相性の問題ですね」と普通解雇(打ち切り)
・30555(正男):やる気なし、社長の意に沿わないとして普通解雇(打ち切り)
・30626(正女):再面接で社員としての適合性に欠けると判断して内定取消(不参加)
・30633(正男):有料紹介業者を通じて社風に合わないと解ったから内定取消(30 万円で解決)

・10071(正男):異動の送別会中に会社の鍵を忘れたことを思い出し依頼したら即刻解雇(不参加)
・30040(非女):「会社の恥、お詫びに死ね」と言われ、配置転換、雇止め(不参加)
・30311(試男):待機中過度に挨拶しすぎとして解雇(不参加)

・10022(試男):社員から借金を繰り返し、ガソリンを勝手に自分の車に給油して普通解雇(打ち切り)
・10026(正?):バスの通勤定期ありながら自転車通勤、始末書出さず懲戒解雇(5.86 万円で解決)
・10156(正男):残業手当不正受給を理由に普通解雇(不参加)
・10175(正男):取引業者との癒着を理由に普通解雇(40 万円で解決)
・20046(正男):社有車の距離数改ざんを理由に懲戒解雇(打ち切り)
・20115(非女):店長から犯罪行為に荷担したように怒鳴られて退職(労働者は非行を否定)(打ち切り)
・20128(派女):タイムシートの改ざんや患者からのクレームで派遣先が更新拒否(不参加)
・20132(正男):本部に報告せずイベントを開催させた背任行為を理由に懲戒解雇(40 万円で解決)
・30008(非男):顧客情報漏洩していないのに退職を求められ雇止め(労働者は非行を否定)(取下げ)
・30052(正男):経歴詐称、交通費不正請求のため普通解雇(不参加)
・30064(正女):業務上横領を理由に普通解雇(労働者は非行を否定)(2 万円で解決)
・30117(試男):交通費の不正使用、専門知識不足、協調性に欠ける(打ち切り)
・30140(試女):身に覚えのない売上金3 万円の不足を理由に雇止め(労働者は非行を否定)(5万円で解決)
・30175(正女):謝金支払い上の問題で懲戒解雇か自主退職かを迫られた(打ち切り)
・30200(非男):秘密漏洩(輸送ルートの変更)を理由に普通解雇(不参加)
・30495(正女):個人情報の持ち出しを図ったため普通解雇(209.4 万円で解決)
・40001(正男):顧客の契約破棄(転職先への顧客移動)を理由に懲戒解雇(不参加)

・10239(非男):経理業務で販促金を紛失したため雇止め(不参加)
・20044(正男):業務終了後私用で社有車を運転中人身事故を起こし懲戒解雇(150 万円で解決)
・20049(試男):業務上の交通事故や業務ミスから退職勧奨(6.3 万円で解決)
・30255(正男):商品積荷事故を認めよ、嫌ならクビと言われ、拒むと退職勧奨(不参加)
・30258(正男):2 回の交通事故を理由に懲戒解雇(不参加)
・30651(正男):職務従事中の交通事故で懲戒解雇(不参加)

・10004(正男):部下のカードや友人・顧客の名前で借金して懲戒解雇(370 万円で解決)

・10079(非女):工場長から泥棒扱いされ雇止め(労働者は非行を否定)(25 万円で解決)
・10163(非女):身に覚えのない窃盗を理由に普通解雇(労働者は非行を否定)(不参加)
・20127(試女):社長からタバコやボールペンを盗んだとして懲戒解雇(労働者は非行を否定)(不参加)
・30076(正女):罵声を浴びせ、辞めさせるために商品を盗んだことにされて普通解雇(労働者は非行を否定)(不参加)
・40008(正男):レジからの着服で懲戒解雇(不参加)

・10034(非男):アルバイトを平手打ちしたので普通解雇(150 万円で解決)
・30502(正男):就業中部下を殴って出血させたので懲戒解雇(打ち切り)

・10153(正女):いじめの犯人と疑われ辞めるよう促された(労働者は非行を否定)(20 万円で解決)
・10162(正男):セクハラを理由に懲戒解雇(取下げ)
・30332(派女):いじめをしたからという理由で雇止め(労働者は非行を否定)(30 万円で解決)
・30420(非女):同僚に対するいじめを理由に「辞めてくれ」(労働者は非行を否定)(不参加)

・30016(非男):業務中に路上で放尿したので普通解雇(59 万円で解決)

・10151(正男):請負先での経歴詐称と無断欠勤を理由に退職勧奨(30 万円で解決)
・20002(試女):試用期間中、過去の勤務歴を隠していたとして普通解雇(21.25 万円で解決)

・30189(正男):懲戒事由不明の解雇(不参加)

・10174(派男):闇金からの電話がかかってきたので普通解雇(不参加)
・20126(試男):会社にサラ金から電話がかかり「他の社員の手前辞めて欲しい」と退職勧奨(2.88 万円で解決)
・30082(正男):会社に闇金からの電話がかかるようになり、自宅待機を命じ、普通解雇(10万円で解決)
・30376(非女):父が事件を起こしたことを理由に普通解雇(不参加)
・40005(正男):社内における男女交際を理由に懲戒解雇(取下げ)
・40011(正男):親族の相続問題を理由に普通解雇(不参加)
・40021(正男):親族の問題で退職勧奨(不参加)

・10120(正男):副業を理由に普通解雇(不参加)
・10186(正男):土曜も勤務日だが出勤がほとんどないため、バイトをしていいかと相談したため普通解雇(不参加)
・30419(派男):勤務時間外にリクルート活動を行ったため普通解雇(43 万円で解決)
・30595(正男):在籍中会社の顧客に個人での営業行為をしたため懲戒解雇(不参加)
・30600(試男):社員でありながら他社の仕事のために欠勤したので退職勧奨(8 万円で解決)

・10123(非女):協調性がなく、車の運転ができないので退職勧奨(55 万円で解決)
・20165(正女):パソコン入力が遅いとして普通解雇(13.42 万円で解決)
・30163(非女):面接時には問題にされなかった中国語・パソコン能力を理由に普通解雇(不参加)
・30291(派女):PC入力不得意のため業務に支障で雇止め(打ち切り)
・30553(非女):パソコン入力時に間違いが多いので雇止め(欠勤分を有休扱いで解決)
・30617(派男):トラック運転のスキルがないので普通解雇(9.6 万円で解決)

・10019(正男):受注額の粗利益より人件費の方が多いので普通解雇(不参加)
・30045(正男):「月間800 万円を達成しなければ退職」と退職勧奨(不参加)
・30070(非女):業務評価を理由に雇止め(不参加)
・30073(非女):「ノルマを達成できなければアウト」と普通解雇(不参加)
・30306(正男):3 件受注しないと辞めてもらうと通告し退職勧奨(不参加)
・30567(非男):更新基準(自販機販売台数)により雇止め(60 万円で解決)
・40004(非女):ノルマが達成できないからと、知らずに退職届を書かされ雇止め(不参加)

・10179(非女):仕事のミスを理由に社長が威圧的言動で退職勧奨(不参加)
・20116(試男):作業ミスで上司に暴行・暴言を受け、普通解雇された(20 万円で解決)
・30099(非女):1 回ミスで普通解雇(10 万円で解決)
・30274(非女):仕事のミスを理由に雇止め(打ち切り)
・30392(派男):(派遣会社からの申立)業務処理のミスから雇止めしたら解雇と主張され、平行線(取下げ)
・30428(試女):同じミスを何回も繰り返すので雇止め(1 万円で解決)
・30525(正女):1 つのミスを繰り返し責め退職に追い込まれた(5 万円で解決)
・30584(派男):派遣先で顧客名を間違えるという重大なトラブルがあったので雇止め(6 万円で解決)
・30602(正男):売上の未収を理由に普通解雇(不参加)
・30610(非男):安全配慮ミスを繰り返すため普通解雇(打ち切り)

・10017(正女):「仕事ができない」と言われ退職届の提出を迫られた(5 万円で解決)
・10148(正男):試験に不合格、不良工事多く、職人として失格として普通解雇(取下げ)
・10183(正女):勤務成績不良で普通解雇(不参加)
・10187(正男):契約と異なる肉体労働に従事し、能力欠如で普通解雇(不参加)
・10199(正男):営業力不足で普通解雇(不参加)
・20010(正男):(会社側からの申立)介護職の仕事量をこなさないため普通解雇(18 万円で解決)
・20054(正男):技術に疑問、看過し得ない行動があったので退職勧奨(32 万円で解決)
・20094(試男):試用期間中、仕事ぶりが採用基準を満たさず普通解雇(打ち切り)
・20156(正女):能率の低下を理由に普通解雇(打ち切り)
・20170~20172(非女):生産性が低いため普通解雇(不参加)
・20213(正男):業務対応能力不足で普通解雇(不参加)
・30003(非女):判断力、コミュニケーション力が不足(100 万円で解決)
・30081(正男):技量、業務姿勢を理由に普通解雇(不参加)
・30096(正女):体が大きく目立ち能力に欠けるとして普通解雇(不参加)
・30115(正女):「仕事をまったく覚えない。とりあえすクビ」と普通解雇(打ち切り)
・30169(正男):能力、人間関係に問題ありと退職勧奨(打ち切り)
・30231(非女):契約通りの仕事が為されないため普通解雇(不参加)
・30238(試男):職務能力不足で普通解雇(打ち切り)
・30320(非女):期間中沖縄に長期出張中、客の回転悪く雇止め(50 万円で解決)
・30362(試女):採用翌日に能力不足で普通解雇(3.7 万円で解決)
・30365(非男):業務遂行能力がないとして普通解雇(解雇撤回、年度中休職扱いで解決)
・30366(正男):「仕事の能力がないから辞めて欲しい」と退職勧奨(取下げ)
・30372(派男):常用派遣、成績が悪いため普通解雇(打ち切り)
・30373(正男):業務遂行能力、能率が劣るため普通解雇(不参加)
・30418(正女):能力不足を理由に普通解雇(取下げ)
・30426(試男):仕事のスピードがより必要との理由で普通解雇(不参加)
・30437(非男):「給料を払って仕事を任せられないなら来てもらう意味がない」と退職勧奨(6万円で解決)
・30448(派女):スキル不足と派遣先の業績悪化を理由に雇止め(10 万円で解決)
・30483(正女):業務成績不良で普通解雇(不参加)
・30527(正女):仕事ができないから普通解雇(15 万円で解決)
・30570(正女):新人研修でスキル不足がわかったと内定取消(35 万円で解決)
・30581(派男):派遣先から能力的に問題ありとされたので普通解雇(25 万円で解決)
・30586(試男):職人としての技量が足りないと普通解雇(3.2 万円で解決)
・30609(正男):スキルが足りないからと普通解雇(取下げ)
・30637(正男):職務遂行能力不足で退職勧奨(普通解雇とすることで解決)
・30650(正男):仕事の能力がないため普通解雇(取下げ)

・10003(試女):向いていないと雇止め(打ち切り)
・10131(非女):即戦力ではないとして普通解雇(不参加)
・20058(試男):面接後作業をさせられ、報酬をもらい、その後「体が悪そうだから」と採用拒否(不参加)
・20196(正女):業務に適性がないとして普通解雇(20.8 万円で解決)
・30086(非女):入社1 週間で「この仕事に合ってない」と普通解雇(3 万円で解決)
・30127(非女):「この仕事に向いていない」と普通解雇(不参加)
・30391(正女):即戦力にならないことを理由に普通解雇(不参加)
・30433(試男):管理職として不適格として普通解雇(不参加)
・30449(非女):児童と接する業務に不向きとして普通解雇(36 万円で解決)

・10214(正男):怪我(荷下ろし作業中の労災事故)の報告をする度に退職を強要(不参加)
・20087(正男):荷積み中負傷し休職、「あなたの仕事はない」と普通解雇(不参加)
・20146(正男):業務上負傷し、労災申請したら「今日でもういい」と普通解雇(不参加)
・30302(正男):業務上の怪我で休業中に退職勧奨(不参加)
・30338(正男):業務上の交通事故で解雇、行政指導で撤回するも復職できず(不参加)
・30408(正男):トラックから落下し休業、復帰後突然「いらない」と普通解雇(20 万円で解決)
・30431(非男):業務上の熱中症で休業中に退職を強要(不参加)
・30488(試男):通勤災害で休業中、長期欠勤を理由に普通解雇(18 万円で解決)
・30516(非男):業務上負傷し休業、職場復帰を拒否され解雇(不参加)
・30599(非女):業務上負傷で休業中に、機械を減らすとして雇止め(不参加)
・30647(試男):作業中負傷で入院中、退職届を出すよう要求された(不参加)

・30100(派男):期間途中、交通事故で負傷し、欠勤中普通解雇(30 万円で解決)
・30221(非女):交通事故で休職中に雇止め(不参加)

・10073(正男):社内でインスリン投与を顧客に見られると困ると、持病(糖尿病)を理由に普通解雇(20 万円で解決)
・10182(正男):過労で持病(大腸憩室炎)が再発したのに「辞表を出せ」と退職勧奨(32 万円で解決)
・30061(正女):B 型肝炎で休職、配置転換に納得せず退職勧奨(不参加)
・30161(非男):網膜剥離で入院後、復職を求めたが普通解雇(30 万円で解決)
・30178(正女):勤務中腰を痛め、職場復帰を求めたが退職を要求される(13.8 万円で解決)
・30229(正女):過労とストレスで休職(アトピー性皮膚炎)、復職後も通院加療中に退職勧奨、解雇(打ち切り)
・30262(非女):仕事で腱鞘炎を発症していると話したら契約満了(2 万円で解決)
・30512(正男):脳梗塞で入院リハビリ中、リハビリ終了まで雇用継続と合意したのに12 月
末打切りを通告(不参加)
・40020(正男):病気(うつ病と深部静脈血栓症)を理由に強制退職(解雇)(不参加)
・40042(正男):心臓機能障害のため車の運転ができないため内定取消(20 万円で解決)

・30100(派男):期間途中、交通事故で負傷し、欠勤中普通解雇(30 万円で解決)
・30221(非女):交通事故で休職中に雇止め(不参加)

・10073(正男):社内でインスリン投与を顧客に見られると困ると、持病(糖尿病)を理由に普
通解雇(20 万円で解決)
・10182(正男):過労で持病(大腸憩室炎)が再発したのに「辞表を出せ」と退職勧奨(32 万円で
解決)
・30061(正女):B 型肝炎で休職、配置転換に納得せず退職勧奨(不参加)
・30161(非男):網膜剥離で入院後、復職を求めたが普通解雇(30 万円で解決)
・30178(正女):勤務中腰を痛め、職場復帰を求めたが退職を要求される(13.8 万円で解決)
・30229(正女):過労とストレスで休職(アトピー性皮膚炎)、復職後も通院加療中に退職勧奨、
解雇(打ち切り)
・30262(非女):仕事で腱鞘炎を発症していると話したら契約満了(2 万円で解決)
・30512(正男):脳梗塞で入院リハビリ中、リハビリ終了まで雇用継続と合意したのに12 月末打切りを通告(不参加)
・40020(正男):病気(うつ病と深部静脈血栓症)を理由に強制退職(解雇)(不参加)
・40042(正男):心臓機能障害のため車の運転ができないため内定取消(20 万円で解決)

・10076(正男):業務中犬に噛まれたためうつ病になり、欠勤のため退職勧奨(不参加)
・10180(正女):パワハラが原因でうつ病、出勤不能になり、解雇通告(不参加)
・10234(正男):バス運転に集中できずもうろうと意味不明の言動で危険として普通解雇(不参加)
・20041(試男):精神障害でいじめを受け自宅療養中に雇止め(7 万円で解決)
・30021(正女):「アホアホ」と暴言、ストレス障害で休養、辞めるかパートかと迫られ解雇(打ち切り)
・30109(正女):適応障害で休職中普通解雇(75 万円で解決)
・30111(正男):精神疾患の療養の再延長を申し込んだが普通解雇(打ち切り)
・30249(試女):勤務中にリストカットして普通解雇(打ち切り)
・30257(正女):うつで休職後、復職したが退職勧奨(不参加)
・30356(正女):同僚の嫌がらせでパニック障害、職場復帰を伝えると退職勧奨(47 万円で解決)
・30405(試男):脳の手術を行ったこと(運転中引きつけの恐れ)を理由に普通解雇(打ち切り)
・30421(非女):悲鳴(個人的攻撃)で休職、復職を希望すると退職を勧める(不参加)
・30606(正男):うつ病で休職、復職を申し出たが「戻る席がない」と退職勧奨(打ち切り)
・30649(正男):パニック障害で休業、復帰できなければ辞めてもらうと退職勧奨(33 万円で
解決)
・40031(派女):私的にリストカットしたことを知られて雇止め(打ち切り)

・20142(非女):上司と言い争い、いったん解雇後復職したが体調を崩し休職し退職に至った(5 万円で解決)
・20145(正女):嫌がらせが原因で体調を崩し退職した(打ち切り)
・30095(非女):店内で倒れて休んだので普通解雇(不参加)
・30133(試女):体調不良で病院に行ってから連絡を入れたら普通解雇(不参加)
・30137(正男):風邪の発熱で3 日欠勤したら営業職として通用しないと普通解雇(打ち切り)
・30528(非女):嫌がらせによる体調不良で休みたいと申し出たら退職を強要(不参加)
・30576(正男):体調を崩し休んでいる間に退職勧奨(不参加)
・30620(正女):体調不良で帰るよう言われ、休養中に解雇の電話(不参加)

・30414(非男):家族介護のため休職を伝えると普通解雇(不参加)
・30575(非女):母の看護で1 ヶ月休職後出勤すると「来なくて良い」と普通解雇(4 万円で解決)

・10091(非男):知的障害者が勤務中パニックになり非常ボタンを押したため退職勧奨(不参加)
・30091(試女):身体的な理由で職務に合わないと退職勧奨(不参加)
・30237(試男):知的障害者が仕事についてこれず計算ができないので普通解雇(18.4 万円で解決)

・30199(正男):子どもの障害のため出勤状況悪く普通解雇(30 万円で解決)

まだまだ続きますが、まあこんな感じです。こういう事案にご立派な「解雇のスキル」があるとも思われませんが、でもスキルがあろうがなかろうがクビはクビ。

そして、会社側のあっせん不参加等で解決しない方が多く、解決した3割でも、解決金は平均10万円から20万円ほど。

各ケースの詳細については、『日本の雇用終了』を是非お読みください。

それが日本社会の解雇の現実です。

その現実から出発しない議論は空疎でしょう。

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東京大学公共政策大学院「労働法政策」の日程について

2004年度から毎年やっている東京大学公共政策大学院での講義「労働法政策」ですが、来年度の日程について、手違いというか、思い違いがありました。

http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/courses/2013/5121080.htm

ここにアップした日程では、

4/10 イントロダクション
4/17 労働力需給調整システム
4/24 労働市場のセーフティネット
5/1 雇用政策の変遷
5/8 高齢者と障害者
5/15 職業能力開発
5/22 労災保険と安全衛生
5/29 労働時間の短縮と柔軟化
6/5 賃金制度と最低賃金
6/12 非正規雇用
6/19 労働契約
6/26 男女平等
7/3 ワークライフバランス
7/10 労働組合
7/17 労使協議制と紛争処理制度

4月10日から始まって、7月17日に終わる予定で考えていたのですが、

大学院の在学生用掲示板の日程を見ると、

http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/students/schedule.htm

4月3日(水) 夏学期授業開始
7月13日(土) 夏学期授業終了
7月14日(日) 夏季休業期間
(8月31日(土)まで)

なんと、去年より前倒しになっている。1週間ずれてしまってます。最後の予定の7月17日はもう夏休みだ。

ということで、来週早々に公共政策大学院の事務局に連絡して直して貰うつもりですが、この日程は全て1週間早まります。第1回目のイントロダクションは4月3日ということになりますので、受講予定の皆様はご注意ください。

(非常勤講師なもので、こういうのをネット上で見て初めて気がつく)

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2013年度早稲田大学商学部寄附講座「少子高齢社会における生活保障論」

全労済協会の早稲田大学商学部寄附講座「少子高齢社会における生活保障論」、来年度の日程がアップされています。

http://www.waseda.jp/w-com/student/news/2013/pdf/Kifukouza_Zenrousai2013.pdf

春学期金曜3限で、毎回入れ替わり講師が講義しますが、わたくしは4月26日に出てきます。

4月26日 新しい労働社会の姿とこれからの課題 (独)労働政策研究・研修機構統括研究員濱口桂一郎氏

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次回HRmicsレビューのお知らせ

海老原嗣生さんのニッチモが主催する次回HRmicsレビューのお知らせがアップされていますので、こちらでも宣伝。

http://www.nitchmo.biz/

有期雇用は今後どうなるのか。それはどんな社会的動きの中で起きているのか。その矢面に立たされる企業経営はどう対応していくべきか。抜本的に考える場を用意しました。

≪プログラム≫
Part1
【テーマ】法改正、それは正常化への第一歩か?
【講 師】本誌編集長 海老原 嗣生
Part2
【テーマ】識者はどう見る<座談会>
【司 会】東京・大阪共通
本誌編集長 海老原 嗣生
【東京会場パネラー(予定)】
独立行政法人労働政策研究・研修機構 濱口桂一郎氏
東京大学社会科学研究所 教授 水町勇一郎氏
株式会社リクルートスタッフィング 
広報室マネージャー 川渕香代子氏
【大阪会場パネラー(予定)】
立行政法人労働政策研究・研修機構 濱口桂一郎氏
モロゾフ株式会社 人事総務グループ課長 中西泰輔氏
ほか1名

東京は前回と同様、水町先生ですが、大阪はまだ決まっていないようですね。

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障害者雇用促進法改正案要綱

本日、労働政策審議会が、諮問を受けた障害者雇用促進法改正案要綱について答申を出しました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xwnr.html

本日、厚生労働省の労働政策審議会(会長:諏訪康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授)に対して諮問した「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱(別添1)」について、同審議会障害者雇用分科会(分科会長:今野浩一郎 学習院大学経済学部経営学科教授)において審議が行われた結果、同審議会から田村憲久厚生労働大臣に答申(別添2)が行われました。

法律案要綱は、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずることを内容としています。

厚生労働省としては、この答申を踏まえ、本通常国会への改正法案を提出する予定です。

この答申、先の意見書をまとめるまで経営側がかなり難色を示していたことを反映して、こういう注文がつけられています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xwnr-att/2r9852000002xx3h.pdf

厚生労働省案は、おおむね妥当と認める。その上で、企業が精神障害者の雇用に着実に取り組むことができるよう、企業に対する大幅な支援策の充実を進めることを求める。

なお、使用者委員からは、精神障害者を雇用できる一定の環境が整っていると判断することができない現段階で、実施時期を定めることは慎重であるべきとの意見があった。

実施時期については「意見があった」のですが、内容については「おおむね妥当と認め」ていただいたということですね。

その法案要綱を、こちらにコピペしておきましょう。ただし、結構膨大なので、重要なところは中身を、そうでもないところはタイトルだけで。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xwnr-att/2r9852000002xwp8.pdf

第二 障害者に対する差別の禁止等

一 障害者に対する差別の禁止

(一) 事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならないものとすること。

(二) 事業主は、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならないものとすること。

二 障害者に対する差別の禁止に関する指針の策定(略)

三 雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るための措置 (いわゆる『合理的配慮』って奴です)

(一) 事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないものとすること。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでないものとすること。

(二) 事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならないものとすること。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでないものとすること。

四 雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等に関する指針の策定(略)

五 助言、指導及び勧告(略)

第三 紛争の解決(略)

四 調停(略)

第四 精神障害者を含む障害者雇用率の設定

一 対象障害者(身体障害者、知的障害者又は精神障害者(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第四十五条第二項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る。)である労働者の総数を算定の基礎とした障害者雇用率を設定し、事業主はその雇用する対象障害者である労働者の数がその雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数以上であるようにしなければならないものとすること。

二 障害者雇用率及び基準雇用率については、この法律の施行の日から起算して五年を経過する日までの間、労働者の総数に対する対象障害者である労働者の総数の割合に基づき、対象障害者の雇用の状況その他の事情を勘案して政令で定めるものとすること。

施行期日は、差別禁止関係が平成二十八年四月一日、雇用率関係が平成三十年四月一日となっています。約5年後ですね。

それから、以前コメントで書かれていた公務員への適用関係ですが、差別禁止関係は公務員が適用除外となっています。これは、男女均等法や雇用対策法の年齢差別関係の規定と並びで、国はそもそも差別をしないよう法律で決まっているから、という建前からなんでしょうが、精神障害者も含めた雇用率については、身体や知的障害者とまったく同様、適用除外にはなっていません。当然のことですが。

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終戦直後の中学校の労働教育

『労基旬報』3月25日号に掲載した「終戦直後の中学校の労働教育」です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo130325.html

筆者の勤務する労働政策研究・研修機構には労働図書館という施設があり、雇用労働に関わるさまざまな書籍を収納しています。その書庫には、思いもかけない書籍や文書が眠っていることもあります。たまたま見つけたのは、文部省検定済中学校用教科書『職業指導』でした。発行は昭和22年。終戦直後です。

若干背景を説明しますと、戦後新制中学校では必修教科として「職業科」を置き、農業、工業、商業、水産、家庭の諸科目と職業指導を合わせた内容でした。ところがその趣旨は理解されないままなおざりになり、1951年には職業・家庭科となり、1962年からは技術・家庭科とされ、男女別の内容になるとともに、職業指導の側面は消えてしまったのです(拙著『労働法政策』参照)。

この教科書は、中学校で職業科が教えられていた時代の貴重な証言ということになります。内容は、中学生用といえどもなかなか高度です。「われらの進路」から始まって、前半は「石炭を掘る人々」「電気を起こす人々」「製鉄所で働く人々」等々とさまざまな職業を解説していきますが、後半は「労働運動」、「働く人の健康」、「労働保護」など、労働問題の基礎知識が要領よくまとめられています。

たとえば、「労働運動」の章では、労働運動がなぜ必要なのか、何が求められているのかを的確に述べ、「殊に青少年労働者はよく組合の本質を理解し、組合の民主的精神を正しく捉え、自主・自由と放縦とを間違えることなく、立派な組合員になるように修養しなければならない」と呼びかけていますし、「労働保護」の章では、「労働者保護のための労働基準法が、真に働く人々の福祉のためのものとなるかどうかは、その運営のいかんにある。・・・この法律が真に働く人々の福祉の増進をもたらすように、私たちも協力しようではないか」と呼びかけています。

中卒で就職する者が多数派であったこの時代、彼らにそういった知識を伝えなければならないということは、当時の文部省の官僚たちにとってもあまりにも自明のことであったのでしょう。残念ながらその自明性は戦後60年余の間に雲散霧消し、今日高卒者や大卒者のための「キャリア教育」の名の下に行われ始めたものも、とりわけ労働者の権利の教育という面においては、終戦直後の文部省の意気込みには遙かに及ばないもののようです。

この教科書では各章末ごとにいくつかの課題が載せられていますが、最後の章の最後の課題はこういう問題です。言っておきますが、これは中学生用の教科書なんですよ。

「(7) 「職業の連帯性」ということを、具体例によって理解し、「社会生活と職業の連帯」という論文を書こう。」

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アベノミクスってなに?雇用編@朝日

本日の朝日の「アベノミクスってなに?雇用編」という記事に、解雇規制問題についての、極めてわかりやすくかつ的確な解説が載っています。執筆は吉田拓史記者です。

産業競争力会議の中の人も、こういう解説をきちんと読んでいただくといいのですけどね。

・・・「就職ではなく就社」と言われるように、日本の正社員は、採用段階では何の仕事をするかがはっきりしていない。転勤は当たり前。研究職から営業職へ移動することもある。働いている工場が閉鎖されたり、担当業務がなくなったりしても、会社が続く限り、できる仕事は別の工場や部署にある--。多くの社員はそう考えている。

欧米では、経営者を目指す人を除けば、特定の「職に就く」のが一般的。仕事の内容や勤務地は限定されている。決められた仕事しかやらず、転勤や単身赴任もない。仕事がなくなれば労働契約は打ち切られる。

こういう正社員なら、仕事がなくなって解雇されても「納得する」形で辞めていく。そうした人が次の仕事に早く就ける制度を整備しよう--。これが厚労省の方針だ。

しかし、解雇された人を吸収できる成長産業がなかったり、新しい仕事のための訓練制度が不十分だったりすると、失業者が増えるだけになる心配がある。

いうまでもなく、仕事がちゃんとあるのに、わざわざその仕事をちゃんとやっている中高年のクビを切って、そこに「解雇人数分の半分以上を20 代-40 代の外部から採用することを要件付与する」などという、欧米諸国では絶対に許されないような年齢差別を義務づけるような話とは違うわけです。

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田中萬年『「職業教育」はなぜ根づかないのか』

20130309122853田中萬年さんより『「職業教育」はなぜ根づかないのか 憲法・教育法の中の職業・労働疎外』(明石書店)をお送りいただきました。

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20130309/1362799863

萬年さんのブログ「職業訓練雑感」に、目次と前書きの一部が載っていますので、それを引いておきます。

はじめに

 承 前  教育問題の本質

 過失一  「教育勅語」の容認

 過失二  学問と職業の分離

 過失三  「教育を受ける権利」の盲信

 過失四  「普通教育」の信奉

 過失五  「平等」という個性無視

 過失六   「勤労」観の尊重

 過失七   「教育基本法」の矮小化

 過失八   「働くこと」の御題目化

 過失九   日本的雇用管理の後援

過失容疑   「キャリア教育」への幻想

改革試論   「働く」ための学習権の確立

おわりに

というのが並んでいるのを見ると、私は思い出すものがあります。それはまえがきの最後でも触れられています。

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20130319/1363647463

なお、本書は二〇〇九年七月の日本学術会議「大学と職業との接続検討分科会」における報告「教育における職業的イレリバンスの十大要因」を再編・補充した内容となった。

そう、私も委員として聞いておりました萬年さんの報告です。

http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/daigaku/d-shidai03.html

大学と職業との接続検討分科会(第3 回)議事次第

日 時 平成21 年7 月7 日(火)10:00~12:00
場 所 日本学術会議 5階 5-C(2)大会議室

議 題 1.講演 「教育における職業的イレリバンスの十大要因」(田中 萬年 委員)

    2.講演 「日本の大卒就職の特殊性を問い直す ―QOL 問題に着目して」(本田 由紀 幹事)

    3.その他

配布資料 資料1 「教育における職業的イレリバンスの十大要因」 (田中委員提出資料)(PDF)
        
     資料2 「日本の大卒就職の特殊性を問い直す ―QOL 問題に着目して」(本田委員提出資料)

冒頭の「承前」のところで、萬年さんは私のでっち上げた言葉を捕まえてこう述べます。

・・・このような日本の教育と職業との関係について濱口桂一郎は「教育と労働の密接な無関係」と揶揄している。この言葉は今日の教育の問題を鋭く摘出している歴史に残る名言である。

・・・本書は本田のいう若者、学校、社会を分離してきた教育の問題を明らかにする。あるいは濱口桂一郎が「教育と労働の密接な無関係」と揶揄する根本を解明する。

ということで、教育勅語にさかのぼり、日本国憲法や教育基本法まで批判の標的としつつ、熱っぽく語っていきます。

(追記)

その萬年さんが、私の表現方法がひねすぎていたためでしょうが、

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20130320/1363740007(「教育と労働の密接な無関係」は「でっち上げ」なのか「事実」なのか)

ただ、その「教育と労働の密接な無関係」について濱口氏は「でっち上げた言葉」と記している。これは濱口氏のテレなのか、ジョークなのか分からないが、従って不要なのかも知れないが、私にとっては新著の根幹に関わるので再確認というか、補足(?弁解)したいと思う。「でっち上げ」とは「捏造」と同義だからである。

・・・拙著は決して「でっち上げた言葉」の嘘の上塗りをしたのではなく、「教育と労働の密接な無関係」を真剣に論じているので、宜しくご批判頂きたい。

と懸念を表明されています。

そこにすでにコメントしたとおり、

もちろん、「言葉」を「でっちあげた」と言う意味です。
「内容」を「捏造」したなどという意図はありませんよ。

現実を描くのには、印象に残るような奇抜な表現が必要なときもあるので。
こういう言い方をするので、金子良事さんに「稀代の論客」などと皮肉られたりするのでしょうけど。

萬年さんにはあまりにも刺激が強すぎる表現だったようで、ご心配をおかけしてしまったようです。

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『季刊労働法』240号

Tm_mjqwx5vcmq『季刊労働法』240号(2013年春号)が届きました。

http://www.roudou-kk.co.jp/quarterly/archives/005551.html

先日すでに予告しておきましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-6d32.html

特集は「再就職支援事業に対する法規制の国際比較」です。昨今のリストラ話との関連でも、興味深い論考が載っています。

日本における再就職支援事業の状況と法的課題 大阪市立大学教授 根本 到

ドイツにおける再就職支援の法制と実情 岡山大学教授 藤内和公

フランスの再就職支援制度 龍谷大学教授 矢野昌浩

ベルギーにおける再就職支援制度 滋賀大学教授 大和田敢太

第2特集の「労働委員会の現在と課題」では、

岐路に立つ労働委員会―活性化検討委員会の提言 放送大学教授 道幸哲也

労働委員会の役割像:未来学的接近 国士舘大学教授 仁田道夫

労働委員会に求められる問題意識 東京都労委あっせん員 水谷研次

シジフォスの水谷さんが、エッセイ風にいろいろ書かれていて、とても面白いです。

あと、萬井隆令さんの「原発被曝労働と労働者保護の法的構造」では、わたくしの議論を引いて、

・・・安衛法に基づく原発事業者の安全に関わる指示と職安法の「矛盾」を指摘する濱口氏の問題提起を無視し続けることは許されない。

と述べられています。

そのほかの論文も面白いものがいっぱいです。

■論説■
原発被曝労働と労働者保護の法的構造
龍谷大学名誉教授 萬井隆令

■連載■
■労働法の立法学 第31回■
労使関係の『近代化』とは何だったのか
労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

■ローヤリング労働事件 第8回■
労働委員会による不当労働行為の救済
弁護士 宮里邦雄

■神戸大学労働法研究会 第22回■
エヌ・ティ・ティ・コムチェオ事件
(平成23年9月29日大阪地方裁判所判決、平成22(ワ)第9925号、地位確認等請求事件、一部
認容・一部棄却〔控訴〕、労働判例1038号27頁)
労働政策研究・研修機構研究員 山本陽大

■北海道大学労働判例研究会 第28回■
長時間労働の抑制とメンタルヘルス不調者の復帰支援をめぐる課題
建設技術研究所事件・大阪地裁平成24年2月15日判決, 労働判例1048号105頁
新潟青陵大学准教授 所 浩代

■筑波大学労働判例研究会 第35回■
複数の職場で就労した労働者のくも膜下出血死と業務起因性
国・足立労基署長(クオーク)事件(東京地判・平23年4月18日・労判1031号16頁)
筑波大学労働判例研究会 小牟田哲彦

■アジアの労働法と労働問題 第16回■
ベトナム労働組合法(2012年法)
神戸大学大学院准教授 斉藤善久

■イギリス労働法研究会 第16回■
イギリスにおける団体交渉の盛衰(そして再興?):1912年? 2012年
―国家の役割と法の役割―
キングズ・カレッジ教授 K. D. ユーイング
翻訳 古川陽二(大東文化大学教授)/有田謙司(西南学院大学教教授)

■文献研究労働法学 第8回■
ドイツ労働法文献研究(一)
三重短期大学准教授 山川和義

■ドイツ労働法古典文献研究会 第3回■
ニッパーダイの労働法思想と理論
立正大学准教授 高橋賢司

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NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター『正規・非正規雇用をめぐる新たな動きと今後の人材ビジネス』

18637982806NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター『正規・非正規雇用をめぐる新たな動きと今後の人材ビジネス』が届きました。同NPOが開催した2012年派遣問題フォーラムの記録と、その他の派遣・請負問題勉強会の講演録です。

http://www.npo-jhk-support119.org/page6.html

(1)特集:2012年派遣問題フォーラム
「改正労働者派遣法の課題と今後の雇用問題を考える」

「労働者派遣法から考え直す!」
労働政策研究・研修機構 統括研究員 濱口 桂一郎氏

プレゼンテーション
「改正労働法の問題点からみた今後の論議のあり方」
静岡大学人文社会科学部法学科 准教授 本庄 淳志氏
プレゼンテーション
「派遣社員のキャリア形成の課題と今後の展望」
株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部門 主任研究員 松浦 民恵氏
プレゼンテーション
「非正規雇用改革-近年の政策対応の評価と残された課題」
慶應義塾大学大学院商学研究科 教授 鶴 光太郎氏

<コーディネーター>
 東京大学大学院情報学環 佐藤博樹教授
<コメンテーター>
労働政策研究・研修機構  濱口桂一郎統括研究員

<パネラー>
 鶴光太郎慶應大学教授
 本庄淳志静岡大学准教授
 松浦民恵ニッセイ基礎研究所主任研究員

(2)講演集:2012年派遣・請負問題勉強会
「正規・非正規雇用をめぐる法改正の動きと今後の人材ビジネスを考える」

講演集1.「組織の論理と市場の原理:正規・非正規雇用における人事管理の問題」
 筑波大学社会工学類 江口匡太准教授

講演集2.「派遣労働者のキャリア形成の課題と今後の人材ビジネスの役割」
労働政策研究・研修機構 小野晶子副主任研究員

講演集3.「非正規雇用をめぐる法政策のあり方と今後の課題」
神戸大学大学院法学研究科 大内伸哉教授

講演集4.「東日本大震災が提起した雇用問題と人材ビジネスの今後のあり方」
労働政策研究・研修機構 伊藤実特任研究員

講演集5.「日本の雇用関係と派遣労」
一橋大学経済研究所  神林龍准教授

講演集6.「人材マネジメントの動向と人材サービスの役割・課題」
労働政策研究・研修機構  藤本真副主任研究員 

ということで、私も含めて、さまざまな研究者が参加しています。

上のリンク先には、冒頭の部分がサンプルとして載っていますが、

http://www.npo-jhk-support119.org/_file/2012forum.pdf

なんとサンプルには私の基調講演がまるごと載っていますね。


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出色のhamachan論

https://twitter.com/ryojikaneko/status/312601824408510464

僕が昔、報告書に書いた「政治教育と職業幾の間」という原稿を読み返したが、これだけ難しい論点を凝縮して書いたら、ほとんど訳が分からないのではないか、という思いがしないでもないが、気が付かなかったことにしよう。個人的には出色のhamachan論になってるという点では自信作だが。

だそうです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-5920.html(労働市場の変容と教育システム@広田科研報告書)

昨年7月に広田照幸さんにお誘いいただいて、科研研究会で喋ったものが、『社会理論・社会構想と教育システム設計』というタイトルの分厚い報告書の一部として送られて参りました。

わたくしの参加したセッションへの金子良事さんのコメント論文も興味深いし、自由投稿論文の窪さんの中卒労働市場のも面白いのですが、ここでは、わたくしの発言部分を載っけておきます。・・・

これの金子コメント論文ですね。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-b8cc.html(広田科研で報告)

本日、広田照幸先生の理論科研にお招きを頂き、若干生意気な意見を言わせていただきました。

大御所の潮木先生や、厨先生こと稲葉振一郎氏もいる前で、いろいろとご託を並べた感じもしますが、そのあとの酒で記憶が失われておりますので、どういうやりとりがあったかは覚えておりません。

酒の席で何を喋ったかも記憶の外にありますので、あとからあそこでこういっとったやないか、というのはなしですよ。

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広田照幸編『グローバリゼーション,社会変動と大学』

0286110岩波書店から刊行されたシリーズ大学の第1巻『グローバリゼーション,社会変動と大学』をお送りいただきました。編者の広田照幸さん、吉田文さんにお礼申し上げます。

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/0/0286110.html

グローバリゼーションにより,大学は近年,従来の教育・研究活動,また社会との関係についての再考を迫られるようになった.世界中で進む学生の国境を越えた移動と大学教育の輸出入の拡大,就職市場のグローバル化,知と大学の関係の変化,英語教育の新展開,デジタルメディアの影響――.激変する環境への対応と模索を論じる.

このシリーズでは、私が強い関心があるのはむしろ第2巻の「大衆化する大学」、第5巻の「教育する大学」などですが、本巻は第1巻としてある意味総論的にグローバリゼーションを取り上げたのでしょう。

1 グローバリゼーションと大学  (早稲田大学:教育社会学)吉田 文

2 日本の大学とグローバリゼーション  (日本大学:教育社会学)広田照幸

3 知の政策志向化現象と大学の役割  (東京大学:社会学)松本三和夫

4 グローバル化による競争環境の変化と求められる人材
  (大阪大学:労働経済学)松繁寿和

5 グローバリゼーションのなかの英語教育
  (立教大学:英語教育論)鳥飼玖美子

6 デジタル・メディアがもたらす大学の変容または消滅
  (大学評価・学位授与機構:哲学・認知科学)土屋 俊

広田さんは、ここでもあえてわざと「守旧派」の旗を掲げようとしています。

・・・冒頭で紹介した「フンボルト理念は終わった」と主張する中教審の委員の判断は本当に適切なのか。「古い理想」はもはや死んで葬られてしまったのか。私に言わせるとそれは間違いである。二つの意味で、「古い理想」は生き続けている。

問題は、フンボルト理念だけが大学の「理想」なのか?ということなのでしょうけど。

あと、本書の文脈から外れた全くつまらないことを言うと、大学で英語をしっかり勉強することの意義は、「欧米ではこうだ」などと、知ったかぶりをするインチキな連中のいうことを、原文をちゃんと読んで見抜ける知的能力を養うところにあるのだと思いますよ。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-cdf2.html(池田信夫氏の勇み足)

もちろん、本ブログを以前からお読みの皆さんには、英語が読めないのがどちらであるかはとうにおわかりでしょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-8afc.html(またしても池田信夫氏の捏造)

そのフランソワさんたちが実際にどういうことを言っているかは、通常の英語力があれば理解できます。


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それは世界中が間違っている

東洋経済の風間直樹さんが、東洋経済オンラインで、

http://toyokeizai.net/articles/-/13244(解雇解禁? 規制改革論に潜む“火種”)

という文章を書いていますが、その中で、かつて第一次安倍内閣時に、規制改革会議から出された「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」という文書のことを振り返っています。

20080911000085031いうまでもなくこの文書は、当時規制改革会議で労働タスクフォースを務めていた政策研究大学院大学の福井秀夫氏が書いたものですが、このとき実はわたくしも同じところにいて、彼とは同僚だったんですね。そして、当時風間さんは彼とわたくしに取材して、東洋経済に結構でかい記事が載ったりしたこともありました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_ca49.html(週刊東洋経済本日発売)

福井秀夫氏と私の発言が向かい合わせのページに載っていますので、どちらがよりまともで社会的に通用する議論であるか、読者の方々がそれぞれに判断することができるようになっております。

どっちも同じ法学部卒業で、どっちも霞ヶ関官僚出身で、どっちも現職が政策研究大学院大学教授という鏡合わせみたいな存在ですから、中身の代わりに属性批判という誰かさんの「馬を射る」戦法ではどっちもどっちにしかなりませんから、まさに議論の内容そのものでもって判断していただくしかないわけで。

で、その時のことを回想しつつ、風間さんはこう書いています。

この「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」の作成で中心となった委員は、当時こう語っていた。「たとえば最低賃金制度が効率性をゆがめる影響はあるに決まっている。影響はあるのだから制度は不要であり、世界中で導入されているのだとしたら、それは世界中が間違っている。日本だけは正すべきだ」。

いやあ、まさにそういう人でしたな。

こういう人が突っ走っていたのですから、無茶苦茶なはずです。その点、昨今の規制改革は、「国際先端テスト」だそうですから、「世界中が間違っている」と萬邦無比の我が国体(笑)を誇るようなことはないでしょうね。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_1cda.html(規制改革会議の大暴走)

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『情報労連REPORT』3月号

2013_03『情報労連REPORT』3月号は、「東日本大震災から2年 元気に、一歩ずつ前へ」という特集です。

http://www.joho.or.jp/doc/report/

東日本大震災の発生から2年。津波や原発事故がもたらしたつめ跡や心の傷は、いまだ回復できたわけではない。しかし、福島に暮らす人たちはつらい過去を引きずってばかりではない。元気に、懸命に、一歩ずつ前へ進む「ふくしま」の姿をリポートする。

私の連載「労働ニュースここがツボ!」は、「偏見まみれの認識が「ジョブ型正社員」を妨げる」です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/johororen1303.html

昨年末の総選挙で自民党が大勝し、安倍内閣が発足するとともに、経済財政諮問会議や規制改革会議といった機構が一斉に活動を開始しています。その動向には注意を払っていく必要があるのはもちろんですが、一方的な決めつけも控えるべきです。その際事態を混乱させるのは、一方的な思い込みでそれらの動きを褒め称えようとする報道や評論です。

 去る2月5日、経済財政諮問会議の民間議員4人が「雇用と所得の増大に向けて」という提言を行いましたが、その日の日経新聞の記事はこう書いていました。「提言は『退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべきだ』と指摘する。会社員の退職ルールの再検討を求める内容で、先進国でもっとも厳しい正社員の解雇規制などが念頭にあるとみられる。」「みられる」というのは日経の記者の主観的見解に過ぎず、提言にはそんな言葉はまったく出てきません。しかし、こういう言葉がさらりと出てくる背景には、いうまでもなく日本の解雇規制に対するそういう誤った認識が(とりわけ経済報道や評論に)広まっているという事実があるのでしょう。

 いうまでもなく、不公正な解雇は許されないというのは先進国共通のルールで、日本の解雇権濫用法理もなんら「もっとも厳しい」ものではありません。それが欧州諸国と違ってくるのは、解雇規制自体ではなく、その背後にある雇用契約の性格がジョブ型かメンバーシップ型かということに基づくものです。メンバーシップ型でどんな命令にも従う代わりにどんな仕事でもあてがうという約束であれば、ジョブがなくなっても解雇できないのは当然です。それは解雇規制「が」厳しいのではなく、解雇規制が適用される雇用契約がそうなっているからで、それは企業側もそれを活用して労働者を柔軟に使ってこれたことの対価である以上、そこを欧州並みに緩やかにするのであれば、正社員に対する人事権も欧州並みに制約するのでなければなりません。

 労働問題に無知な日経記者と異なり、この提言はその点はきちんと認識しています。すなわち、「正規雇用と非正規雇用という二元的な雇用システムではなく、地域や職務を限定した正社員や専門職型の派遣労働者など、『ジョブ型のスキル労働者』を創出することで、・・・、『多元的な雇用システム』を目指すべき」とした上で、それを前提として「就業形態や労働者の属性にかかわらず、能力や仕事内容に応じた人事・処遇制度改革に継続的に取り組む」ことと並んで、「事業・産業構造転換に伴う労働移動等に対応するため、退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべき」と述べているのです。

 せっかく経済財諮問会議がそれなりにまっとうな認識に基づく提言を出しても、偏見にまみれたマスコミがそれを低俗な認識におとしめるというのが、現代日本の悲しい姿です。

(参考)

ちなみに、この点、田村憲久厚生労働大臣はちゃんと分かって、産業競争力会議でも説明しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0600W_W3A300C1EE8000/

厚労相は「職務を決めて採用する米国と異なり、日本は転勤があり、様々な職務をこなし、労働者に(長期雇用の)期待がある」と指摘。現行ルールの変更には言及しなかった。職務を限定した正社員が増えれば「色々変わってくる」と述べ、民間の雇用形態しだいで解雇の難しさも変わりうるとの認識も示した。

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精神障がい者の雇用義務化がもたらすもの by 荻野@ニッチモ

昨日なんとか意見書がとりまとめられた精神障害者の雇用義務化の問題について、なにかわかりやすいのはないかと思って探したら、昨年11月にニッチモの荻野進介さんがこういうコラムを書いていたことに気がつきました。

役人が書いたものよりもずっとわかりやすいので、参考までに引用しておきます。

http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20121115.html精神障がい者の雇用義務化がもたらすもの

まず、二つのグラフを示します。3種類の障害者の新規求職件数と就職件数がどうなっているかですが、多分労働関係者でも、障害者に関わりがある人々以外はあまり知らないのではないでしょうか。

20121115a

20121115b_2


現行法では雇用義務から外されている精神障害者が、ものすごい勢いで求職し、就職するようになってきているのですね。

そこで、精神障害者を雇用するメリットとして3つ挙げられています。

一つは、身体障がい者、知的障がい者のうち、働ける人は既に働いている例が多く、「ふさわしい人材」を探すのがかなり難しくなっているが、精神障がい者は雇用義務の埒外に置かれていたため、「ふさわしい人材」を採用することができること。

二つは、特に身体障がい者の場合、床の段差をなくす、といった職場のバリアフリー化が必須だが、精神障がい者には特にそれは必要ないこと。

三つは、精神障がい者には高学歴で優秀な人材が多く、仕事の与え方の工夫によっては、大きな戦力になってくれる人がたくさんいること。

鍵になるのは、そう、人事管理、仕事管理をどう進めるか、という点だ。

そのためには、職場の仲間が、本人を理解することが必須となる。

そして、さらに4つめとして「職場が本来の職場の姿を取り戻す可能性」を挙げるのですが、それはどういうことでしょうか。

 「同じ精神障がいといっても、うつ病と統合失調症では、業務上、配慮するポイントは異なります。たとえば、うつ病の人はまじめな性格のため、業務を『抱え込む』『断れない』『やりすぎる』傾向がある。そういう人には、時間を区切って仕事を与えたり、今日はここまでにして帰ろう、と声をかけてあげたりすることが大切です」(川上氏、以下同)

 統合失調症の場合はどうか。「統合失調症とは、思考や行動、感情を、ある目的に向かってまとめる能力が低下する病気です。そのために、物事の優先順位づけがうまくできない、明確な指示がないと仕事が滞るなど、曖昧な状況で困惑する、といったことがおきます。反面、定型化された仕事には大きな力を発揮してくれます。同じように会社の数字を扱う仕事でも、財務よりは、ルール化が徹底している経理の仕事のほうが合うようです」

 さきほど、精神障がい者を雇用するメリットを三つあげたが、どうも、もう一つあるようだ。それは、職場が本来の職場の姿を取り戻す、ということ。うつ病の人には仕事の時間管理が、統合失調症の人には業務の定型化が必要、と書いたが、それは何ら特別なことではない。相手が障がい者でなくても、仕事を割り振る人間なら備えておくべきスキルとモラルに他ならない。

そうだとすれば、不機嫌な職場が精神障がい者の雇用で変わるかもしれない。障がい者が、ぎすぎすしがちな職場を変える可能性があるのだ。一方、企業は精神障がい者にも雇用を生み出すことでより大きな社会的責任を果たすことになる。本人は仕事を通じて堂々と社会参加し、そのことが社会経済の発展を促進する。そうした「三方よし」が実現できたら、理想的だ。

 障がい者雇用というと、これまでは特例子会社をつくり、障がい者のみで仕事をしてもらう方式をとる企業も多かった。ところがそれは身体障がい者、知的障がい者向きのやり方だったのだろう。これから重要なのは、既存の職場と障がい者をいかに共存させるか、ということではないか。

 わが国最初の障がい者雇用促進施策であり、身体障がい者の雇用義務化を定めた身体障害者雇用促進法が制定されたのは1960年。そこから半世紀を経て、障がい者雇用のあり方が大きく変わりそうな気配だ。

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精神障害者の雇用義務化 厚労省審議会が意見書

今回はフライングじゃないですよね。共同通信ですから、地方紙は全部こう報じるはずです。

http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013031401001758.html(精神障害者の雇用義務化 厚労省審議会が意見書)

厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会の分科会は14日、企業に精神障害者の雇用を義務付けることで合意し、意見書を取りまとめた。就労を希望する精神障害者が増えており、社会進出をさらに促すのが狙いだ。

厚労省は今国会に障害者雇用促進法改正案を提出する方針。成立すると、身体障害者に加えて知的障害者の雇用を義務付けた1998年以来の大幅な制度改正になる。

企業の準備期間などを考慮し、同省は義務化を5年後の2018年4月としたい考え。ただ、経営者側委員は時期尚早として、5年後の実施に難色を示している。義務化時期は、労使の代表らが参加する労政審でさらに議論する。

この記事からすると、精神障害者雇用の義務づけ自体には経営側も同意したが、5年後という時期についてはまだ合意していない、ということのようですが、それでも「今国会に障害者雇用促進法改正案を提出する方針」ということからすると、そんなに先ではなさそうです。

と、思ったら、厚労省のHPに意見書がアップされています。

夕方の審議会で何とか合意して急いでアップしたらしく、紙をスキャンしたものですね。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xeb3-att/2r9852000002xemq.pdf

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菅野・仁田・佐藤・水町『労働審判制度の利用者調査 -- 実証分析と提言』

L14442菅野和夫・仁田道夫・佐藤岩夫・水町勇一郎『労働審判制度の利用者調査 -- 実証分析と提言』(有斐閣)をお送りいただきました。有り難うございます。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144422

個別労働紛争の解決手段として多くの関係者に利用されている労働審判制度。その利用者を対象に行われた「労働審判制度利用者調査」の結果を紹介・分析する。現状の労働審判制度のメリット,今後の課題,他の紛争解決手段への応用など,分析・提言ともに興味深い。

ということで、本ブログでも紹介した東京大学社会科学研究所の労働審判調査の結果を、さらにいろいろな観点から分析した本です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3e42.html(労働審判の解決金は100万円)

昨年5月に関西学院大学で行われた日本労働法学会で佐藤さん、水町さん、高橋陽子さんらが報告した内容も盛り込まれていますし、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-458b.html(第123回日本労働法学会)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-6668.html(労働審判の解決金は低すぎるのか?)

さらに、菅野先生から始まって、さまざまな立場からの分析や提言が含まれています。

目次は、

1 序 論
 第1章 雇用労使関係の変化と労働審判制度の意義(菅野和夫)
 第2章 労働審判制度利用者調査の概要(佐藤岩夫)
2 利用者からみた労働審判制度(分析編)
 第3章 労働審判制度利用者の動機と期待(飯田 高)
 第4章 労働審判制度の基本的特徴の検証--迅速性・専門性・適正性(佐藤岩夫)
 第5章 金銭的側面からみた労働審判制度(高橋陽子)
 第6章 労働審判制度に対する当事者による評価の全体構造(今在慶一朗)
 第7章 民事訴訟利用者調査との比較(菅原郁夫)
 第8章 労働審判紛争の社会的構造--問題定義の記述形式を通じて(樫村志郎)
3 労働審判制度のこれからを考える(提言編)
 第9章 労働審判制度の意義と課題--労働法学の視点から(水町勇一郎)
 第10章 労働審判制度の実務と可能性--裁判官の立場から(渡辺 弘)
 第11章 労働審判制度の実務と課題--労働者側弁護士の立場から(宮里邦雄)
 第12章 労働審判制度の実務と課題--使用者側弁護士の立場から(中山慈夫)
 第13章 労働審判制度と日本の労使関係システム--労使関係論の視点から(仁田道夫)
 第14章 労働審判制度から民事訴訟制度一般へ--民事訴訟法の視点から(山本和彦)

ということですが、本書の影の登場人物は、実はわたくしたちJILPTの個別紛争研究でもあります。

第1章の菅野先生の文章から始まって、佐藤岩夫さん、高橋陽子さんの文章にもわたくしたしの労働局あっせんの研究の知見が使われていて、労働審判の実態との比較がされています。

菅野先生の第1章から、「労働関係上の権利の実現に寄与する労働審判制度」の一節を

・・・これを、労働関係における権利の実現という角度からみれば、労働審判制度は、職業裁判官と労使実務家とが権利関係を効果的に判定した上で、その心証を基礎としつつ、事案の内容と当事者の意向に即して、紛争を実際的に解決しているのであって、労働関係の権利や地位を不当に侵害されたと考える労働者が当該権利・地位を主張して使用者に対し迅速にその判定と実際的解決を図ることを可能ならしめている。労働審判手続の主要な事案である解雇や雇い止めについては、審理の結果解雇権濫用の心証となったとしても、調停・審判における職場復帰の事例は少なく、解決金+合意退職の事例が大多数とされるけれども、労働者が解雇・雇い止めの不当性につき司法手続による判定を迅速に得られること、職場復帰よりは解決金を得ての再出発の方が実際的な解決である場合が多いこと、そして、労働審判手続における解雇・雇い止めの解決金は労働局あっせんにおけるそれよりも相当に額が高いことからすれば、労働審判手続による迅速な判定と解決金の救済は、不当な解雇・雇い止めの救済上大きな意義を有すると言えよう。以上のように、労働審判手続は、労働関係の権利(地位)の擁護という点では長足の進歩をもたらしたと評価できる。

どれくらい違うかというと、本書103ページにあるように、労働審判で100万円、労働局あっせんで17.5万円で、文字通り桁が違います。

JILPTの報告書については、

http://www.jil.go.jp/institute/reports/2010/0123.htm

労働政策研究報告書 No.123

個別労働関係紛争処理事案の内容分析

―雇用終了、いじめ・嫌がらせ、労働条件引下げ及び三者間労務提供関係―

http://www.jil.go.jp/institute/reports/2011/0133.htm

労働政策研究報告書 No.133

個別労働関係紛争処理事案の内容分析II

―非解雇型雇用終了、メンタルヘルス、配置転換・在籍出向、試用期間及び労働者に対する損害賠償請求事案―

112050118http://www.jil.go.jp/institute/project/series/2012/04/index.htm

日本の雇用終了-労働局あっせん事案から

http://homepage3.nifty.com/hamachan/jilptbookreview.htm(書評)

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埋橋孝文編著『生活保護』(福祉+α)

108007ミネルヴァ書房から刊行されている「福祉+α」というシリーズの第4巻、埋橋孝文編著『生活保護』をお送りいただきました。

図ったわけではないのでしょうが、まさに生活保護をめぐる政治的議論が盛り上がっているときだけに、時宜に適した出版です。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b108007.html

「働くことが割に合う」社会の実現をめざして

2012年度に入って生活保護をめぐる議論と改革に向けた動きが活発化している。いままさに、生活困窮者の生活支援のあり方を見直し、社会保障制度の抜本的な再編が求められている。このような状況をふまえて、本書では経済的・政治的・社会的に注目される「生活保護」に対して、多面的なアプローチを試み、その現状と問題点を解明するとともに、今後の改革の方向性を提示する。

[ここがポイント]

・生活保護の不正受給の問題など関心が高まるなかで、タイムリーな一冊。
・国内だけではなく海外の事例も盛り込んでいる。

目次は以下の通りですが、かなり幅広い方々による実に包括的な一冊になっています。

総 論 生活保護をどのように捉えるべきか[埋橋孝文]
    −−本書のねらい

 第Ⅰ部 生活保護に分析のメスを入れる

第1章 生活保護への四つの批判[阿部 彩]
    −−研究からの反論

第2章 生活保護改革論議の課題[嶋田佳広]
    −−法学の視点から

第3章 公的扶助への社会学的接近[菊地英明]
    −−生活保護と家族モデル

第4章 生活保護における社会福祉実践は、如何に可視化・評価されるのか[森川美絵]

第5章 生活保護の歴史を概観する[岩永理恵]
    −−受給動向と雑誌記事から

第6章 「自立支援」による生活保護の変容とその課題[桜井啓太]

 第Ⅱ部 生活保護の受給者と行政の取り組みから考える

第7章 生活保護世帯の家計・生活構造[室住眞麻子]
    −−母子世帯を中心に

第8章 住宅困窮問題と生活保護および住宅政策[小田川華子]

第9章 障害者の生活と生活保護制度[山村りつ]

第10章 「食わせて寝かせる」から40年[松木宏史]
    −−救護施設と「最低基準」

第11章 医療ソーシャルワーカーが取り組む経済的相談[野村裕美]
    −−医療扶助を中心に

第12章 「自立支援」は生活保護をどのように変革(転換)したか[櫛部武俊]
    −−希望をもって生きる釧路チャレンジを通じて

第13章 何を考えてケースワークをしているのか[石橋和彦]
    −−反省も込めて

第14章 生活保護と就職困難者[四方理人]
    −−埼玉県「生活保受給者チャレンジ支援事業」のデータ分析

 第Ⅲ部 諸外国の経験を視野に入れる

第15章 イギリスの公的扶助制度の展開と課題[所 道彦]

第16章 フランスの公的扶助[都留民子]
    −−ワークフェア・積極的連帯手当(RSA)

第17章 ドイツにおける最低生活保障制度[森 周子]
    −−社会扶助と求職者基礎保障を中心に

第18章 スウェーデンの社会扶助受給者像と今日的課題[岩名(宮寺)由佳]

第19章 フィンランドの公的扶助制度と課題[石川素子]

第20章 韓国の国民基礎生活保障制度[金 成垣]
    −−現状と問題、そしてその特徴

文献案内
あとがき
索 引

この中でも、特に今読まれるべきは、なんと言っても第1章の阿部彩さんの「生活保護への四つの批判−−研究からの反論」でしょう。

いま、まさに生活保護ブームである。政党は世論の高まりを受けて、こぞって生活保護改革を打ち出している。にわかな関心の高まりのきっかけは、2011年、1950年代以降初めて、生活保護受給者数が200万人を超えたことである。そして、最近になって売れている芸能人の母親が生活保護を受給しているという報道が第二のブームを呼んだ。

これら世論の背景には、生活保護の受給者が増えること自体に対して、社会は嫌悪と危機を感じていることにある。だからこそ、不正受給はもちろんのこと、経済的に余裕のある家族がいる「けしからん」ケースなどについて、激しい非難が巻き起こる。ネットを少し検索すれば、生活保護の受給者に対する批判は山のように出てくる。中には、生活保護受給者は「税金泥棒」などの悪質な書き込みもあり、犯罪者のような扱われ方をしているものもある。

なぜ、人々はこれほどまでに生活保護を嫌うのか。・・・・・・

あと、本書で是非必読なのが、四方理人さんの「生活保護と就職困難者−−埼玉県「生活保受給者チャレンジ支援事業」のデータ分析」です。

そう、本ブログでも取り上げてきたあの埼玉県の事業を分析しています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-4287.html(埼玉県が生活保護家庭の教育支援へ)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/200-f0ab.html(『生活保護200万人時代の処方箋~埼玉県の挑戦~』)

こうして着々と出版されてくると、次の次ぐらいに予定されている私にもプレッシャーが・・・・・。

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メンバーシップ型非正規・・・とも言えないし

ギルガメさんのツイートから、

https://twitter.com/girugamera/status/311841796315566082

濱口さん的によると、日本の非正規雇用はジョブ型だって話なのだけど、最近うちの職場では非正規雇用にバシバシ転勤の発令が出てる。フルタイムで働き、サービス残業を強制され、正社員のシフトの穴埋めを優先的に回され、転勤し、時期が来れば解雇。なんだこれ。

ジョブ型正社員の反対のメンバーシップ型非正規か、とも思ったけれど、それで「時期が来れば解雇」ってんだから、全然メンバーシップなんか無いじゃないか。

まさに「なんだこれ」。ただの悪いとこ取り、会社側からすればいいとこ取りだけど。

下手するとこういうのが横行するから、気をつけないといけない。理屈だけではいかない。

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ジョブレス解雇に一番必要な規制はなにか?

今日の読売に、まっとうな理屈による解雇規制の改革論が出ています。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130312-OYT1T01604.htm?from=tw(解雇ルール明確化、正社員採用を促進…政府方針)

政府はリストラで工場が閉鎖された場合などを想定した解雇ルールを明確化する。

雇い入れる際に解雇しやすくしておけば、正社員として雇用しやすくなる。衰退産業から成長産業に労働力を移し、政府が掲げる「産業の新陳代謝」を進めたい考えだ。茂木経済産業相が15日の産業競争力会議で方針を示し、6月にまとめる成長戦略の柱にする考えだ。

具体的には、勤務地域や職種などを限定した社員の退職条件をあらかじめ雇用契約で明記し、エリア採用などの正社員を増やす。

あくまでもジョブレス解雇の話であり、貴様ぁ解雇、アンフェア解雇を許すというような話ではない、ということを、もう少しきちんと述べてほしいところですが、筋論としては、解雇規制を論じるなら、まさにこういう筋道でなければならないというものです。

こういうのを「解雇しやすい」という言い方をすること自体、ヨーロッパの感覚からすれば奇妙に聞こえるということも付け加えておく必要があるでしょう。

「就職」したのであれば、その「職」がなくなれば雇用も終了するのは別に不思議ではない。

それが不思議なのは「就社」したために、「職」がどうであろうが「社」がある限り雇用が維持されるという約束で入った人であって、そういうのを雇用安定職業不安定というわけです。

ただし、ヨーロッパの目で見て大事なものが抜け落ちているのは、ジョブが減ったときに誰を解雇して誰を残すかを会社側の恣意に委ねてはいけないという、一番大事なことが書かれていないことです。

そこがないと、ジョブが減ったからといって、「こいつは生意気だからクビにしよう、あいつは可愛いから残してやろう」という恣意的な選別を許すことになり、結果的に貴様ぁ解雇を横行させることになります。

だから、ここは重要ですが、だからEUでは全加盟国に整理解雇時の労使協議を義務づけているのですし、国によっては法律上で整理解雇する順番を決めていて、それに反することができないようになっています。

そういう一番大事なことが抜けたままでは、ジョブレス解雇という名目の貴様ぁ解雇の自由化にしかならない危険性がある、ということこそ、労働者の味方と思う人はきちんというべきなんですよ。

日本の国境を一歩出たら労働組合にもILOにも全然通用しない議論をするのじゃなくて。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-4415.html(日航2労組は「整理解雇は条約違反」とILOに申し立て・・・てはいない)

確かに日航の労組が整理解雇に絡んでILOに申し立てたのでしょうが、少なくとも「整理解雇することはILO条約違反」だなんて馬鹿なことは主張していないはずです。

・・・要は、組合差別だからILO条約違反だと訴えているわけであって、そうでなければ通用するはずがありません。だって、差別のような不公正さがない限り、整理解雇それ自体は正当な理由のある解雇ですから。

ところが、朝日新聞の記者は、ILOに通用する組合差別という点ではなく、通用しない整理解雇という点を見出しにしたわけです。

ここが、差別問題にはきわめて鈍感なわりに、仕事自体が縮小したことに伴う整理解雇に対してはとんでもない悪事であるかのように考える日本型メンバーシップ感覚と国際的な労働問題のスタンダードのずれがよく出ています。

このJALの問題については、電話取材も受けましたが、肝心のここがなかなか理解されないのですね。

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応援団ばかりが熱い春闘かな(字余り)

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http://mainichi.jp/feature/news/20130308org00m020011000c.html

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熊谷健一『ISO26000と労使の課題』

Image熊谷健一さんの『ISO26000と労使の課題』(生産性労働情報センター)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://bookstore.jpc-net.jp/detail/lrw/goods003738.html

発行から2年が経過し、ISO 26000の内外での利用が進み始めている。この規格が登場した背景には、グローバル化が加速する世界のなかで、企業と組織の社会的責任がさらに厳しく問われていることがある。それに対応するには、各国の法律や国際条約などのハードローを遵守することはもちろん、それを上回る積極的な取り組みが必要である。そのためにISO26000などのソフトローを活用する意義は大きい。
ISO26000の最大の特徴はステークホルダーの参画にあり、企業においては労使間の協議が中心となるため、労使での幅広い理解と協力が必要である。本書では、規格の取り纏めに実際に携わった著者が、関連資料と交えて推進のポイントを、また勘所をコラムで教えてくれる。

連合で国際関係をされて以来、熊谷さんはいわゆるCSR(企業の社会的責任、今では企業に限らない「組織の社会的責任」)のこの業界でのアドヴォケートという感じですが、自らその策定に携わったISO26000の解説書として、この本はいろんな実例が豊富に載っていて、読みやすいし、手ごろな本だと思います。

(1)広がる国際CSR
1.CSRの現場から/2.今日のCSR/3.ISO26000の登場
4.JIS26000の発行/5.普及への取り組み
(2)利用のためのポイント
1.コンセプトと原則の確認/2.7つの中核主題の推進
3.規格の実践とステークホルダーの活用
4.デューディリジェンスの実行/5.労使関係と労働分野の取り組み
(3)労使の取り組み
1.活用の現場から/2.企業での取り組み/3.労使の協議と協力
4.労働組合の対応とUSR
(4)最新の活用事例から
(5)資料編


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入江秀晃さんの拙著評

112050118メディエーション(現代調停・合意形成)の研究者、入江秀晃さんのブログ「私的自治の時代」で、拙著『日本の雇用終了』についてコメントをいただいています。

http://hirie.sakura.ne.jp/2013/03/post_1289.html(労働局あっせんの事例研究)

ブロガーとしても有名な濱口桂一郎先生による、労働局あっせんの実証研究。

労働法と法社会学の関係についても言及しておられる。
その両方の創始者とも言える末弘厳太郎以来、関係が深かったはずなのに、という話。

事例の中で私が興味を引いたのは、顧客の要望が絶対化していく中で労働者が切られているケースもある(多い)という話。

末弘厳太郎の名を出して法社会学と労働法の関係に触れた部分には、いままでの評では触れられていなかったように思います。

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『雇用構築学研究所NEWS LETTER』増刊40号

鹿児島、岩手、弘前と南北に分かれながら発行を続けている『雇用構築学研究所NEWS LETTER』の増刊第40号をお送りいただきました。

今回は増刊ということで、全編これ喜界島特集です。

念のため、俊寬の流された鬼界が島じゃありません。奄美大島の東に位置する離島です。

特産の白ゴマを活用した振興プランの構築が中心で、なんだかどんどん領域を拡大してます。

巻末の紺屋ボス、石橋はるかさん、畑山悠希さんの鼎談が、楽屋話をたっぷりしゃべっていて、大変面白いです。

ちなみに、喜界島観光物産協会のお知らせページ:

http://www.kikaijima-kankou.com/sugu/webdir/109.html「白ゴマに学ぶ、白ゴマを活かす振興会議」

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竹中・三木谷対談@『文藝春秋』4月号

25543273_1『文藝春秋』4月号の特集「安倍内閣は日本を救えるか」の巻頭にでかでかと、目次にものすごい大きな字で載っているのが、竹中平蔵、三木谷浩史両氏による対談「政官財の抵抗勢力に宣戦布告 本丸は規制緩和だ」です。

http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/574

中身は、先日本ブログで取り上げた

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-1c39.html(半分だけ正しい竹中平蔵氏)

ポリシーウォッチでの発言とほとんど同じですので、改めて繰り返す必要すらないくらいですが、要するに、

竹中 労働市場にも、健全な競争がないわけです。日本の正社員は世界で最も守られていますが、これは、1979年に東京高裁が出した特異な判例があるためです。

などと、本質をわきまえないまま表面的に「半分だけ正しい」議論を展開しています。

日本の正社員が世界でも特異な存在であることは私が繰り返し述べてきたことですが、それを「世界で最も守られている」という側面でのみ捉えるのは、「何でも命じてやらせられる」強大な人事権と、それと相補的な「何でもやらせることで雇用だけは守る」雇用保障とのバランスを見失った議論といわざるを得ません。

問題は、そういう特異な労使妥協が、今日の労働者にとってどこまで本当に望ましい姿なのか?もっと異なる別の労使の利害の均衡点にシフトする必要はないのかという点にこそあるはずなのに、それを労働者だけが一方的に守られて、企業は労働者に奉仕してきたかのようなインチキな議論で論じてしまうと、本来正しい方向に進むはずの議論が、あらぬ方向に迷走するだけにしかならないでしょう。

私自身、労働者の保護の在り方は規制の重点の置き所を変える、つまり正しい意味での規制改革が必要だと思っていますが、それを一方的な認識に基づく一方的な規制緩和を本丸だと言いつのるようなやり方で進めようとするならば、事態を混乱悪化させるだけであることは間違いありません。

その端的な一例が、三木谷氏のこういう発言でしょう。

三木谷 ・・・また、従業員の就業条件を緩和するホワイトカラーエグゼンプションも未だに導入されていない。ベンチャー企業なんかでは、スタートアップ期には週7日、24時間体制で頑張っています。それが従業員保護の名目で規制がかけられている。・・・

まさに、ベンチャー企業であれ、大企業であれ、他の先進国とは隔絶して、労働時間規制が実質的に存在せず、36協定を結んで残業代さえ払えば、経営パートナーでも何でもない雇用労働者に「週7日、24時間体制で頑張」らせることが平然とできてしまう、という点にこそ、ジョブがなくなっても整理解雇が難しいという以上に世界的に非常に特異な在り方であるという認識がかけらもなく、そういう異常なまでに長時間労働が可能な日本の労働法制をつかまえて、「それが従業員保護の名目で規制がかけられている」などとまだ文句たらたらな姿を見ると、いかに「半分正しい」とはいえ、そういう発想で規制「緩和」をやられてはたまらない、というのは率直な感想ではあります。

世界標準に近づけるというのなら、ジョブがなくても守られる雇用保障だけではなく、それの存在根拠となっている制約のない人事権についても同様に見直すというのでなければ、バランスがとれません。

そうやってバランスをとるのであれば、それは世界標準のノンエリート労働者の働き方であるわけですが。

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ヒューマン21EC-Netで1日講演

昨日、社会保険労務士のかたがたの集まりである「ヒューマン21 EC-Net」で、1日がかりで「日本の雇用と労働法」を講演してきました。

法政大学社会学部では90分授業を15回分で計1350分、22時間あまりに相当する内容を、午前2時間、午後2時間の計4時間に詰め込み、さらに最近の規制改革会議や産業競争力会議の動きへのコメントも突っ込むというやや無謀な試みでしたが、何とか時間内に収まり、かついくつもの熱心なご質問にもお答えすることができました。

http://human21ec-net.jp/information/index.html

2013.02.18第26回 研究会概要
日 時: 2013年3月9日(土) 10:00 ― 17:00
会 場: 日本青年館ホテル「502」会議室(新宿区霞ヶ丘町)
テーマ:「日本の雇用と労働法」
講 師: 濱口 桂一郎 先生(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)

ちなみに、次回講師は向井蘭弁護士だそうです。

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「医療分野の『雇用の質』向上に向けて」シンポジウムと看護協会の夜勤・交替制勤務ガイドライン

厚生労働省の後援で、「医療分野の『雇用の質』向上に向けて」シンポジウムが開かれるそうです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002wtic.html

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002wtic-att/2r9852000002wtjt.pdf

医療関係者の労働条件問題がようやくこういうシンポジウムが開かれるようになるまで一般的な認識になってきたということでしょうか。

01そういえば、長らく検討されてきた日本看護協会の『看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』が、ようやくまとまり、公表されたようです。

http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/shuroanzen/guideline/index.html

全文がPDFファイルでアップされているので、是非リンク先で見てください。

http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/shuroanzen/guideline/pdf/guideline.pdf

このガイドラインの作成の過程では、私も若干だけですがお手伝いさせていただいた経緯もあります。

こういう形でまとめられたことを喜ぶとともに、是非多くの医療関係者によって活用されることを期待したいと思います。

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ドーア先生、ベーカム派に!?

Dio連合総研の機関誌『DIO』の280号をお送りいただきました。特集は「選挙結果が問うもの」ですが、今号で一番衝撃的なのは、

報 告 ロナルド・ドーア ロンドン大学LSE名誉フェロー講演録

です。

なんと、ドーア先生はベーシックインカム派だったのです。

講演の中で、最後のところで

そういう問題について、私は20年前から、BIEN(Basic Income European Network、今はBasic Income Earth Network)のメンバーとして、ベーシックインカムの導入を考えてきました。ベーシックインカムは、生活保護よりも少し高い給付を、18歳以上の国民全員に給付するというものです。その制度が、どれだけ働く意欲を浸食するかが1つの問題、そして、財源がもう1つの大きな問題です。

と述べ、質疑応答ではかなりそこに質問が集中していますが、

−日本で格差問題が深刻化していることは、正しいご指摘だ。その解決策として、積極的労働市場政策ではなく、何故、ベーシックインカムを提言するのか。

労働市場政策としては最低賃金の水準を上げることしかない。公共失業対策事業で雇用を創っても、それは違った意味の失業です。今、安い仕事しかできない人たちが増えているが、これは、全く新しい形の失業です。また、生活保護受給者が増大すれば、不正受給も拡大するので、連帯意識が低下するなかで、国民の反発も高まる。それを解決するにはベーシックインカムしかない。

というやりとりがなされています。最後の龍井さんのコメントでも、

イギリスの社会思想は、レイバー、いわゆる労働条件よりも仕事のあり方にずっとこだわってきた。ドーアさんの初期のものはそういう文脈で読んだものですから、今日は、その考え方を諦められて、インカムのほうに行っているのが意外でした。

と、意外感を表明していますね。

私も大変意外でした。

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『第10回北東アジア労働フォーラム報告書 労使関係のガバナンスに関わる諸要因の現状と政策課題』

Neasia_2私も参加した日中韓の労働フォーラムのJILPTの報告書がアップされました。『第10回北東アジア労働フォーラム報告書 労使関係のガバナンスに関わる諸要因の現状と政策課題』です。

http://www.jil.go.jp/foreign/report/2013/2013_0222.htm

 

労働政策研究・研修機構(JILPT)は2012年12月4日、中国・成都で、中国労働保障科学研究院(CALSS)・韓国労働研究院(KLI)との共催による第10回北東アジア労働フォーラム(日中韓ワークショップ)を開催しました。

日本では、戦後から1970年代にかけて労使が激しく対立した紛争の時代があり、集団的労使紛争である労働争議の件数は、1974年には1万件を超えていました。しかし、その後は長期的に減少を続け、2011年にはわずか600件あまりとなりました。集団的労使紛争解決システムを担う労働組合の組織率は低下傾向にあり、労働委員会の労働争議調整件数も減少しています。その一方で、就業形態の多様化や雇用管理の個別化、近年の経済不況等により、個々の労働者と事業主との間の個別労使紛争が急激に増加し、社会問題となっています。

今回のフォーラムでは、日中韓の異なる制度、法律、文化に基づく労使関係の諸モデルを比較検討するとともに、労使関係のガバナンスのあり方、労使紛争の防止や解決のための方策等について議論を行いました。第1セッションで各国の労使関係のガバナンスに関わる法体系について、第2セッションで労使関係のガバナンスに関わる具体的な実践について、各研究機関の研究者がこれまでの研究成果に基づいて報告を行いました。

本報告書はフォーラムに提出された論文を収録したものです。

収録されている論文は、

【第1 セッション】日中韓の労使関係のガバナンスに関する法体系
韓国報告 「韓国の労使紛争解決システムの運営状況および制度改善への課題」(イ・ソンヒ 韓国労働研究院 研究委員)

日本報告 「集団的労使関係の諸モデルと個別労使関係」(濱口 桂一郎 労働政策研究・研修機構 統括研究員)

中国報告 「中国の労働関係における課題の根本的整備に係る法的制度」(王 文珍 人的資源社会保障部労働科学研究所労働法研究室主任)

【第2 セッション】日中韓の労使関係のガバナンスに関する具体的な実践
韓国論文 「労働争議調停人の特性について」(ソン・ミンス 韓国労働研究院 研究委員)

日本報告 「合同労組の現状と存在意義-個別労働紛争解決に関連して-」(呉 学殊 労働政策研究・研修機構 主任研究員)

中国報告 「労使関係の問題点への対処における中国の取り組み」(張 一名 中国労働保障科学研究院政策シミュレーション研究室主任)

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リフレ派を遙かに超えるドーアノミックス

001『エコノミスト』誌3月12日号に、ロナルド・ドーアさんが「エコノミスト賞受賞者が考える「日本経済 私の処方箋」第15回 インフレ目標2%は中途半端 ホンモノの「貨幣印刷」を試みよ」というエッセイ風の文章を書かれています。

アベノミックスの遙か上をいくドーアノミックスとは?

・・・それでは、ホンモノのインフレ工作があり得るだろうか。あると思う。

1.日銀法を改正し、政府の注文次第、新しい貨幣を増刷させうることを規定する。

2.政府が財政赤字の引き締めをやめて、公共事業、特に国立病院建設や、生活保護を切り詰め前の水準に戻したりして、赤字拡大を図る。

3.その赤字を埋めるのに、国債を競り売り、または日銀に買わせるのではなく、ただ、日銀に作らせた新しいマネーを使う。

4.最低賃金法による最低賃金決定は3ヶ月おきに再設定する。

5.消費税増税実施の1ヶ月前に、増税を延期する。

6.この政策転換、制度変革と同時に、政府は宣言する。いわく、経済を刺激するための一次的措置であって、インフレ率が、1年先に5%に達しそうになったら、元の制度へ戻したり、他の引き締め手段に訴えたりする。つまり、インフレ天井5%を確約する。

私は経済学を論ずるがらでもないので、ドーアノミックスそれ自体を論評することはしませんが、ドーア先生、かつては、賃上げでインフレを起こそうという議論を展開していたのですが、もはや労働組合頼むに足りず・・・ということなのでしょうか。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_7d29.html(最低賃金引き上げは悪くない)

これは、以前ロナルド・ドーア先生が主張していた議論とよく似ていますね。

2001年12月号の『中央公論』に、ドーア先生は「私の「所得政策復活論」―デフレ・スパイラル脱出の処方箋」という論文を寄せ、「財界が音頭をとって賃金“引き上げ”を断行せよ」と主張したことがあります。

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精神障害者雇用義務づけへ

朝日の記事から

http://www.asahi.com/politics/update/0305/TKY201303050431.html(精神障害者の雇用義務づけへ 厚労省、法改正案4月提出)

厚生労働省は、精神障害者の雇用を義務づける障害者雇用促進法の改正案を、4月にも国会に提出する方針を固めた。厚労相の諮問機関、労働政策審議会の分科会が5日開かれ、精神障害者の雇用義務づけを提案する意見書案が大筋で了承された。

ということで、その意見書を確認しておきましょう。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wn3q-att/2r9852000002wn5z.pdf

前の分科会資料ではペンディングになっていたところですが、

(2)精神障害者の取扱い

精神障害者については、平成16年の労働政策審議会障害者雇用分科会意見書において、「将来的にはこれを雇用義務制度の対象とすることが考えられる。」とされ、精神障害者の雇用の促進を図ることを目的に、平成18年4月からは精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の所持者)が実雇用率への算定対象とされた。また、平成20年の法律改正における国会の附帯決議においても、「精神障害者を雇用義務の対象に加えることについて、可能な限り早期に検討を行うこと」とされている。

この間、ハローワークで求職活動を行う精神障害者数が増加する中で、企業において雇用されている精神障害者数も増加しており、雇用環境の更なる整備を図りつつ、精神障害者を雇用義務の対象とすることが求められている。

一方、精神障害者を雇用する上での企業に対する支援策は十分とはいえない状況にあることから、企業が精神障害者の雇用

これらを踏まえると、精神障害者を雇用義務の対象とすることについては、企業が精神障害者の雇用に着実に取り組むことができるよう、十分な準備期間を設けることを前提とした上で、企業に対する更なる支援策の充実を進めつつ、実施することが必要である

さらに、精神障害者を雇用義務の対象とする場合の対象者の把握・確認方法は、精神障害の特性やプライバシーへの配慮、公正、一律性、事業主の予見可能性の担保等の観点から、精神障害者保健福祉手帳で判断することが適当である。その際、本人の意に反し、手帳の取得が強要されないようにすべきである。

(追記)

「意見書案が大筋で了承された」というのは、朝日の記者のフライングだったようです。

昨日は了承されなかったので、

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wmw4.html

来週の3月14日に、もう一回分科会を開催することになったようですね。

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この際、北欧の解雇規制全部蔵出し

その昔、一知半解無知蒙昧の人がスウェーデンは解雇自由だなどとデマを飛ばしたために、今日に至るまで、こうしてデマを信じて嘘を垂れ流し続けることになるという悲劇の連鎖

佐々木亮さんのツイートでみつけたものですが、

https://twitter.com/nagaoryo/status/308806027288137728

北欧のように解雇規制はなくしたほうが流動性が高まるので労働者にとってもプラスです。セーフティネットも万全にした上でね。\(^o^)/

スウェーデン在住の方からも突っ込まれているようですが、本ブログでも過去結構取り上げてきているので、この際全部蔵出ししておきますね。

まず、スウェーデンの解雇規制そのものの抄訳。これをじっくり読めばほぼ間に合います。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-10d4.html(スウェーデンの解雇法制)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-9ff0.html(北欧諸国は解雇自由ではない)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-26ec.html(これがスウェーデンの解雇規制法です)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-ffc2.html(スウェーデンの労働法制は全部ここで読めます)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-6bab.html(池田信夫氏の熱烈ファンによる3法則の実証 スウェーデンの解雇法制編)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-310b.html(スウェーデンは解雇自由だって!?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-823f.html(スウェーデンの解雇規制再三再論)

なお、一知半解さんの言葉を信じてうかつな発言をしてしまった方については、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-f890.html(一犬虚ニ吠ユレバ万犬實ニ傳ウ)

その他の諸国もあります。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-1311.html(これがノルウェーの解雇規制法です)

スウェーデンを解雇自由というのはさすがに一知半解さんくらいですが、デンマークについては結構まっとうな人々まで解雇自由だと信じている傾向にありますが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-c511.html(デンマークの解雇規制はこうなっています)

やはり日弁連の報告書にとどめをさすでしょう、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-5f50.html(日弁連デンマーク調査報告書)

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いわゆる一つの貴様ぁ解雇

こういうのが典型的な「貴様ぁ解雇」ですな。

http://www.asahi.com/national/update/0305/TKY201303050352.html?tr=pc(反TPP集会不参加で病院解雇 東京地裁が認定)

何か気に入らないことを「やった」からではなく、気に入られることを「やらなかった」からクビになるという意味では、沈黙の自由もないというやつですわね。

一知半解な方々が大好きな「解雇自由」というのは、もちろん、こういう貴様ぁ解雇こそを自由にやれるようにしろという意味以外にはなりえないのです。世界標準でいってね。

【小松隆次郎】解雇の真の理由は、環太平洋経済連携協定(TPP)の反対集会に出なかったことだ――。徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の元事務局長が不当に解雇されたと訴えた訴訟の判決で、東京地裁(西村康一郎裁判官)は5日、こんな指摘をした。そのうえで解雇を無効と認め、未払い賃金など計約850万円を支払うよう医療法人徳洲会(大阪市)に命じた。

 徳洲会では、自民党衆院議員の徳田毅氏が昨年12月に国土交通兼復興政務官に就任(2月に辞任)するまで理事を務めていた。元事務局長は「毅氏が中心となって開いたTPPの反対集会に参加しなかったため、解雇された」と訴えた。

 判決は、2011年12月の解雇前、元事務局長が徳洲会関係者から集会に欠席したことを非難されていた経緯などから、「毅氏の意向に従わず、反対集会に参加しなかったことが解雇の真の動機だと推認できる」と述べた。

ちなみに、こんなこと本来全くいう必要もないはずですが、その昔アメリカの核兵器は悪いがソ連の核兵器は平和的とかいう香ばしい方々もいたくらいなので念のためですが、TPP促進集会であろうが、TPP反対集会であろうが、労働法的には全く同じことですので念のため。

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大石哲之氏のブラック企業論

「大石哲之のノマド日記」というブログに、「ユニクロがブラックな本当の理由。キャリアの分断にみるユニクロの真の闇」という興味深い記事が載っています。

http://tyk97.blogspot.jp/2013/03/blog-post.html

エリートはハードワークでもブラックじゃない。ノンエリートは出世しなくてもブラックじゃない、では何がどうするとブラックになるのか?という、私が『POSSE』などで語ってきた話とかなり通底するテーマなので、是非上のリンク先にいって読んでいただきたいと思います。

以下はごく一部を引用。

よくブラック騒動をみると、すべて新卒で入社して店長にあてがわれたひとの話だ。
ユニクロの本社部門のひとの話は全然書かれていない。

ここが味噌である。

・・・ユニクロは、本社と現場のキャリアが完全に分断されていまっている。
本社は、中途採用で、マッキンゼーやらATカーニーやらアクセンチュアの人をとりまくり、コンサルの巣窟とも言われているようなところだ。彼らにとっては、本社はそれなりにチャレンジングでやりがいのあるホワイトな環境である。

・・・このように完全に分断された構図は、欧米の小売業だと当たり前なのだが、日本の場合あえて別の社会的な反発をくらうからか、学生がとれなくなるからか、そういう事実をあえてぼかしている。

店長の位置づけもあいまいなままだ。
はたして、上にあがれる幹部候補としての店長なのか。それとも単なる店長なのか。
ユニクロは前者をほのめかしつつも、実態は後者である。

学生も学生で、ユニクロに新卒ではいって、グローバルな経営をまなべるとほんとに思ってしまっているところが罪深い。

・・・ユニクロは、労働時間がブラックなのではなく、決して本社では働けない人材にグローバルとか、その上の華やかなMBA的世界をチラリズムさせて採用しておきながら、じっさいな名ばかりの店長をつづけさせる。つまり、ありそうにみえて実際はないキャリアパスで人を釣っているという詐欺のところが、真にブラックなのだ。

・・・解決策としては、ユニクロは、はっきりとキャリアの分断を示すべきだ。・・・そして、店長職は、管理職ではなく労働者という位置づけにはっきりとする。そのためにはもっとシステムをしっかりさせて、本社が管理し、現場の裁量をもっと減らし、機械的に働いてもらう。そもそも店舗の創意工夫などあまりなく、売れ筋の商品は、本社のマッキンゼーが分析して、どのようなものをどれだけ売るかは計算して提示できるような高度なマネジメントを目指すべきだろう。
現場はそれに従えば良い。

まさに、ノンエリートにエリートの夢を見せてエリートまがいの猛烈ハードワークをさせて、使い捨てていくというのが、ブラックのブラックたるゆえんなのでしょう。

その意味では、まさにこういう金融日記な人のいかにも「意識高い」系なお言葉こそが、そういうブラックを生む源泉なのでしょうね。

https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/308412760566398978

最近、ユニクロとか松屋がブラック企業と叩かれてるけど、社員なんて、決まった時間に、店で決まったもの売ってるだけだろ。そんな楽な仕事で、毎月決まった給料貰えるんだから、みんな甘えるんじゃないよ。

いや、「甘えるんじゃないよ」って、それこそ雇用契約の本旨からいっても、それこそが世界標準のごくごく普通の一番ポピュラーな労働者ってものの在り方なんですけど。

(追記)

この記事に対して、こういうとんちんかんな反応が返ってくるということ自体、いかに疑似エリート仕様の日本型正社員イデオロギーが牢固として染みついているかがよくわかりますね。

http://togetter.com/li/466929(ユニクロがブラック企業ならばUSの大手企業は皆真っ黒です)

どんな雇用体系だろうが、新卒全員がシニア管理職まで出世するわけじゃないんだから、何がブラックなのかわからない。これがブラックなら米大手企業はほぼ全部ブラックね

いやだから、ノンエリートにエリートの夢を見させて猛烈に働かせたりしないから、それはブラックじゃないんですよ。

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産業競争力会議 解雇ルール議論へ

NHKニュースから、

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130305/k10015953061000.html

政府の産業競争力会議は、成長産業への人材の移動が円滑になるよう、企業が社員に再就職の支援金を支払うこととセットで解雇できるようにするなど、有識者議員の提言に沿って、解雇ルールの明確化などを議論することにしています。

政府の産業競争力会議は、経済の成長戦略の取りまとめに向けて、6日からテーマごとに分科会を開くことにしており、このうち「人材力強化・雇用制度改革」に関する分科会に向けて、有識者議員が提言をまとめました。

それによりますと、少子高齢化が進むなかで、人口減少とそれに伴う労働力の低下が、日本経済を低下させる根本的な要因だとして、限られた労働力人口の生産性を最大限高めるための具体策を検討するよう求めています。

そのうえで、企業が社員を解雇する際、現在は必要性や合理性が厳しく問われ、労働市場の流動性を阻害しているとして、成長産業への人材の移動が円滑になるよう、企業が社員に再就職の支援金を支払うこととセットで解雇できるようにするなど、解雇ルールの明確化を求めています。

さらに、高度な技術を持つ外国人労働者の受け入れを積極的に進めることや、女性管理職を積極的に登用する企業に対する税制の優遇措置なども検討するよう求めており、産業競争力会議は、有識者議員の提言に沿って、解雇ルールの明確化などを議論することにしています。

今まで本ブログで山のように繰り返してきたことなのですが、依然として理解されていないようなので、まだ繰り返さなければならないようです。

ジョブがなくなってきた分野からジョブが生まれてきている分野へどう労働力を移動するかという経済学で議論できるジョブレス解雇の世界と、言うことをきかねえからクビだという「貴様ぁ解雇」の世界を両方きちんとわきまえて議論できる人が入らないと、

「必要性や合理性が厳しく問われ」なくても、好き放題に解雇できるというとんでもない話になりかねません。

もちろん、ジョブレス解雇であっても、誰を解雇するかについてのきちんとした労使間のルール設定がなければ、経営状況を理由に気にいらねえ野郎をクビにするということになりかねないので、まさにその意味からこそ「解雇ルールの明確化」が必要なのです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-ac43.html(ジョブレス解雇と貴様ぁ解雇)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-9862.html(ジョブレス解雇じゃないアンフェア解雇こそが真の労働法問題)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-a1c3.html(解雇するスキル・・・なんかなくてもスパスパ解雇してますけど)

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浅井隆,西頭英明,鈴木雄介『有期労働者の雇用管理実務』

51yxjjtuhbl__sl500_aa300_浅井隆,西頭英明,鈴木雄介『有期労働者の雇用管理実務』(労働開発研究会)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.roudou-kk.co.jp/books/book-10.html

  • 「今後の有期雇用対策をこれ一冊で総確認!」
            有期労働者の雇用管理に関わる重要な労働法の改正(労働契約法、高年齢者雇用安定法、労働者派遣法)をふまえた実務対応について具体的かつ実践的に解説。
  • 新たに対応が迫られる「有期から無期への転換型労働者」をどうする?正規と非正規間の待遇の違いをどう考える?etc…
    実際の運用場面に役立つ知識、規定の見直し方・規定例も盛り込み、実務家の疑問をトータルに解決します!

タイトルは「有期労働者」となっていますが、この本も安西著、岩出著と同様、労働契約法、高齢法、派遣法の改正3法の実務解説書です。

本書の特徴は、はじめの3章で各改正法について論じた後、第4章の「法改正に対応した人事管理(制度設計・運用)の再構築」という章を新たに設けて、人事管理の再構築について突っ込んで論じているところでしょう。

とりわけ、労働契約法による無期転換社員のあり方については、非常に細かく場合分けして論じています。

このあたり、いろいろとおもしろい論点がありますね。


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ユニクロ 疲弊する職場@『東洋経済』

20120627000143361というわけで、いよいよ『東洋経済』さんがユニクロを労働問題として取り上げてます。

http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/toyo/#mokuji

特別リポート
ユニクロ 疲弊する職場

ピカピカの有力ブランドであるユニクロ。しかし店舗ではサービス残業が常態化し、店長が「名ばかり管理職」である疑いがある。また、うつ病にかかる社員も続出している。グローバル企業の実像を追った。

高額訴訟で徹底対決 消えたユニクロ批判

大量離職を招いた「半年店長」量産政策

グローバル企業と旧陸軍の奇妙な類似

61vd4xa61sl__sx230_まあ、既にいわれていることも多いのですが、個人的にツボにはまったのは、「グローバル企業と旧陸軍の奇妙な類似 現場を苦しめる建前と現実の乖離」という1ページほどの記事でした。

山本七平氏の『一下級将校の見た帝国陸軍』の記述と、ユニクロの現場で起こっていることが、あまりにもよく似ているという話です。

グローバル、グローバルといいつのるベンチャー企業ほど、働き方に関しては日本型そのものという、本ブログで何回か取り上げた話とも通ずるのかもしれません。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-99a9.html(世に倦む城繁幸氏の憂鬱)

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Tomさんの労働法研究室

拙著について、アマゾンでレビューしていただいたこともあるTomさんが「Tomの労働法研究室」というブログを始められました。

http://tomohatake.blog.fc2.com/

今のところ、新規開設の挨拶と、「混乱招く労働法改正」というエントリをアップされているだけですが、今後の展開が大変楽しみです。

自己紹介によると、

昨今の劣悪化した労働社会を憂い、もっとまともな雇用環境の実現を目指して研究しています。とは言っても、大学の研究者ではありません。よき時代の電機メーカーで人事・労務を35年間担当し、定年後は人材会社で再就職のお世話をするキャリアカウンセラー、そして直近の4年間、労働局で使用者に対して労働基準法遵守を指導する仕事をしてきました。また、これから社会へ出て行く学生さんに労働法の基礎知識を教えることが重要と考え、二年間、毎月セミナーを開催しました。大学や高等学校へ出前講義にも行きました。

これからは、労働現場で悩ましい問題に直面して困っている若い人々の相談相手にもなり、みんなが希望をもって働くことのできる社会を実現するために微力を注ぎたいと考えています。

という方です。

今のところ、中身のある唯一のエントリである「混乱招く労働法改正」では、私のブログについて、過分のご評価をいただいております。

日本的雇用慣行をどのように現実修正していくのかを考えるとき、私の考え方の根底にあるのは、労働政策研究・研修機構(JILPT)の濱口桂一郎先生である。何を考えるにあたっても、濱口先生の理論をベースに考えることにしている。濱口先生のブログは素晴らしい教科書でもある。このブログの教えから、専門書を読み自分の頭の広がりを形成していくようにしている。

今後の労働法を考えるとき、前提におかなければならないことがいくつかあるが、大事なことは三つと私は考えている。第一に、「恒常的な仕事は原則無期契約であるべき」ということ。第二に、「雇用契約は本来は『仕事』の契約であって、契約した仕事がなくなれば、雇用契約は解除されるのが普通であること。日本では仕事がなくなっても、職務変更や勤務地変更によって会社の中で雇用を維持してきたが、それは特異な雇用形態だよ。」ということ。第三に、「どのような雇用形態であれ、賃金はじめ労働条件はもう少し均衡のとれたものにする必要がある」ということです。
このような考え方に立って、これからの雇用形態はいかにあるべきかということを私なりに研究しています。

私のいわんとしていることを、誰かさんみたいに変な曲解をしたりすることなく、素直に理解していただいており、大変ありがたく思っております。

(参考)

http://www.amazon.co.jp/review/R20MJI3CUV3KHT/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4004311942&linkCode=&nodeID=&tag=

131039145988913400963もともと、労働法が専門ではない小生にとって、濱口先生を存じ上げたのはこの度の新書が初めてであった。頭の中のもやもやがスッキリと解消された気分である。
日本の「雇用」契約は「メンバーシップ」契約であること、そこに日本の労使関係の原点があることは同感であるし、加えて、私は日本人の中にある強い差別意識、常に自分よりも弱い立場の人間を作っておかなければ満足できないという「貧しい心」が作用しているのではないかと思っている。

http://www.amazon.co.jp/review/R1B0KOB867UMYZ/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4532112486&linkCode=&nodeID=&tag=

112483私はアマチュアの心をもったプロフェッショナルが大事だと思っています。
社会人になって間もないころ、”Professional Amateur"という概念を聞き、それ以来、ずっと心の奥に大事にしていました。
濱口氏の表現は、奥深い内容を素人にも分かる平易な言葉で語ってくれる本当のプロの本です。

http://www.amazon.co.jp/review/R1SXU2M2RX23TH/ref=cm_cr_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4538500046&linkCode=&nodeID=&tag=

112050118素人ながらこの世界に少し頭を突っ込んでいる人間にとって濱口先生の理論ほど役に立つものはない。今回の『日本の雇用終了』を入手して、今度はフォーク・レイバー・ローという概念を教わった。言ってみれば「巷の労働ルール」だ。これもなるほどと腑に落ちる。

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『季刊労働法』240号の予告

Tm_mjqwx5vcmq発行は3月15日のはずですから、まだだいぶ先ですが、労働開発研究会のHPに、『季刊労働法』240号の予告がアップされていますので、こちらでも宣伝しておきましょう。

http://www.roudou-kk.co.jp/quarterly/archives/005551.html

特集は「再就職支援事業に対する法規制の国際比較」というものですね。

雇用の継続が困難となった従業員を支援するサービス(再就職支援事業)が,従業員へのカウンセリングという範疇を超えて,実質的なリストラ支援をしているという事例が一部で見受けられるようです。こうした側面がある一方で,再就職支援事業の雇用保障や使用者責任などについて,今まで十分な検討が行われてきたとは言えない状況にあります。今号では,「再就職支援事業に対する法規制の国際比較」と銘打ち、日本の現状、ドイツ、フランス、ベルギーの状況について検討します。

日本における再就職支援事業の状況と法的課題 大阪市立大学教授 根本 到

ドイツにおける再就職支援の法制と実情 岡山大学教授 藤内和公

フランスの再就職支援制度 龍谷大学教授 矢野昌浩

ベルギーにおける再就職支援制度 滋賀大学教授 大和田敢太

これはあまり今まで論じられてこなかった興味深いテーマですね。

第2特集は「労働委員会の現在と課題」です。

第2特集として「労働委員会の現在と課題」を掲載します。個別紛争が増加しその高止まりという現状において、労働委員会がもっておくべき問題意識は何なのか。労働委員会に携わる専門家の視点を紹介します。

岐路に立つ労働委員会―活性化検討委員会の提言 放送大学教授 道幸哲也

労働委員会の役割像:未来学的接近 国士舘大学教授 仁田道夫

労働委員会に求められる問題意識 東京都労委あっせん員 水谷研次

これはまた、何というか、面白いメンツです。

その他の論文等は以下の通り。

■論説■
原発被曝労働と労働者保護の法的構造
龍谷大学名誉教授 萬井隆令

■連載■
■労働法の立法学 第31回■
労使関係の『近代化』とは何だったのか
労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

■ローヤリング労働事件 第8回■
労働委員会による不当労働行為の救済
弁護士 宮里邦雄

■神戸大学労働法研究会 第22回■
エヌ・ティ・ティ・コムチェオ事件
(平成23年9月29日大阪地方裁判所判決、平成22(ワ)第9925号、地位確認等請求事件、一部
認容・一部棄却〔控訴〕、労働判例1038号27頁)
労働政策研究・研修機構研究員 山本陽大

■北海道大学労働判例研究会 第28回■
長時間労働の抑制とメンタルヘルス不調者の復帰支援をめぐる課題
建設技術研究所事件・大阪地裁平成24年2月15日判決, 労働判例1048号105頁
新潟青陵大学准教授 所 浩代

■筑波大学労働判例研究会 第35回■
複数の職場で就労した労働者のくも膜下出血死と業務起因性
国・足立労基署長(クオーク)事件(東京地判・平23年4月18日・労判1031号16頁)
筑波大学労働判例研究会 小牟田哲彦

■アジアの労働法と労働問題 第16回■
ベトナム労働組合法(2012年法)
神戸大学大学院准教授 斉藤善久

■イギリス労働法研究会 第16回■
イギリスにおける団体交渉の盛衰(そして再興?):1912年? 2012年
―国家の役割と法の役割―
キングズ・カレッジ教授 K. D. ユーイング
翻訳 古川陽二(大東文化大学教授)/有田謙司(西南学院大学教教授)

■文献研究労働法学 第8回■
ドイツ労働法文献研究(一)
三重短期大学准教授 山川和義

■ドイツ労働法古典文献研究会 第3回■
ニッパーダイの労働法思想と理論
立正大学准教授 高橋賢司

中身については、実物が届いた時点で、またあらためて

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半分だけ正しい竹中平蔵氏

竹中平蔵氏の「ポリシーウォッチ」から。

http://policywatch.jp/topics/211

産業競争力会議などを中心にアベノミクスの中での成長戦略がどのようになるのか大変注目を集めている。金融政策、財政政策は重要だがそれらを超えて更に長期的な経済発展のためには、やはり成長戦略が不可欠である。そういう中で、規制改革こそが成長の一丁目一番地だということを述べ、安倍総理も一丁目一番地という使ってくれたわけだが、その規制改革の中で更に重要な規制改革はなんなのだろうか、そういう点に次第に議論が集まっていくのではないか。
規制改革はかなり幅広くやらなくてはならない。しかし、あえてその中の更に中心的な一丁目一番地の中の一丁目一番地として、雇用に関する労働市場に関する規制改革が重要であるということを述べたい。
民主党を中心とする政権の最初に社民党が入っていた。この社民党の影響を非常に強く受ける形で過去何年間かの雇用政策、労働市場政策というのは正社員を増やす、正社員こそが良い働き方であって、そういった種類の労働を増やすということにどうしても重きがあった。しかし、日本の正社員というのは世界の中で見ると非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて容易に解雇ができず、結果的にそうなると企業は正社員をたくさん抱えるということが非常に大きな財務リスクを背負ってしまうので、常勤ではない非正規タイプの雇用を増やしてしまった。
本来どのような働き方をしたいかというのは個人の自由なはずで、多様な働き方を認めた上で、それでも同一労働同一条件、つまり正規も非正規も関係なく全員が雇用保険、そして年金に入れるという制度に修練して行かなければならない。
今回の成長戦略の中で規制改革に関する制度設計、雇用をより柔軟にするための規制改革がどのように行われるか、そこに非常に大きな焦点が当たると思われる。

最近、本ブログで何回も繰り返していることですが、経済学者によく見られる物事の反面だけ見て残りの反面を無視する議論の典型なので、ここで引用して批判しておきます。

「日本の正社員というのは世界の中で見ると非常に」特殊な在り方であるということ自体は、私が口を酸っぱくして言っているようにその通りです。

しかし、その特殊さを、「非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて容易に解雇ができず」という側面だけで捉えてしまうと、あたかも日本の企業は世界で最も博愛的で、異常なまでに自社の利益を顧みずに労働者保護ばかりに勤しんできたかのような、とんでもない誤解をあたえることになります。

もちろん、そんな馬鹿な話はありません。日本型正社員の特殊さは、まず何よりも、職務も時間も空間も限定がなく、会社の命令で何でもやらなければならないというところにあります。そういう無限定さの代償として、「何でもやらせられる」強大な人事権の論理必然的なコロラリーとして、いざというときにも「何でもやらせることによって解雇を回避する」努力義務というのが発生してくるわけです。

前者の側面だけ見れば、日本の企業は世界で最も人権を踏みにじるとんでもない存在に見えますが、そして、時間外労働を拒否したり、転勤を拒否したりする労働者を懲戒解雇してよろしいとお墨付きを出している日本の最高裁は、その人権無視の共犯者に見えますが、それもまた、後者の側面と相互補完的に組み合わされているが故に、一種の労使妥協として存在し得てきたものであるわけです。

ここで大事なのは、こういう法社会学的な相互補完的存在構造が、経済学者の目には全然見えていない、ということなのです。

だから、「日本の正社員というのは世界の中で見ると非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて容易に解雇ができず」などという、半分だけ正しいけれども、残りの極めて重要な半分を無視した暴論を平気で言えてしまうわけです。

そして、そういう「何でもやらせられる」ということの特殊性への問題意識を全く欠落させたままでの「一丁目一番地」という手の議論が突き進められていくと、どうなるか。

それこそがまさに、「何でもやらせられる」点では全く日本型正社員と同じだけれども、「解雇が容易」という点ではそれと対照的な、まことにブラック極まる世界が現出することになるわけですね。

(参考)

では、どういう方向性を目指すべきか?

一つの提起として、ジョブ型正社員という構想があります。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/aichi.html(『愛知経協』1月号原稿 「正社員はどうなっていくのか?」

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リベサヨって、リベラル左派の略だったの?

自分で揶揄的にでっち上げた言葉のはずですが、いつのまにか流通するうちに意味のシフトが起こっていたそうです。

https://twitter.com/hhasegawa/status/307596899450503168

左を自任しながら国家権力の介入を嫌悪するあまりネオリベに近づく層を左派と区別し揶揄する造語だった「リベサヨ」(発展史=)が単にリベラル左派の意で使われる現状は、新語が伝播するに従い通俗化していく縮図を見るよう(vgl. 「文化資本」)。

ちなみに、その(私が認識している限りの)発展史は次の通りです。

ちなみに、本ブログにおける「リベサヨ」なる概念の発達史(笑)は、以下の通り。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_a90b.html(リベじゃないサヨクの戦後思想観)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_5af3.html(リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_28cd.html(ネオリベの日経、リベサヨの毎日)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_3f06.html(フリーターが丸山真男をひっぱたきたいのは合理的である)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c3f3.html(赤木智弘氏の新著)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_2af2.html(赤木智弘氏の新著その2~リベサヨからソーシャルへ)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-b950.html(だから、それをリベサヨと呼んでるわけで)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_2040.html(松尾匡さんの「市民派リベラルのどこが越えられるべきか 」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-6cd5.html(日本のリベサヨな発想)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-a130.html(特殊日本的リベサヨの系譜)

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雇用慣行の「合理性」

野川忍さんの久しぶりの連続ツイートですが、

https://twitter.com/theophil21/status/307316551810420736

有期労働者として5年を超えて終了していた場合は、無期転換権を行使できる、という趣旨の労働契約法の改正と、60歳以上の労働者が望む場合は雇用を維持しなければならない、という高年齢者雇用安定法の改正について、実際に対応が必要なのは5年以上先であるにも関わらず、企業社会は混迷している。

https://twitter.com/theophil21/status/307317082192752641

仕事自体が有期で終了する場合を除き、原則として労働者を有期雇用することは許されない、という大陸ヨーロッパ諸国の法制度と異なり、日本は今回の法改正においても、どのような仕事についても有期で人を雇う事を規制していないし、無期転換も5年を超えた場合であって、国際的には緩い規制である。

https://twitter.com/theophil21/status/307317893295636480

また、60歳以上の高齢者の雇用維持義務も、解雇条件に該当する場合に解雇という形で労働契約を打ち切ることは妨げられないことが明示されているにも関わらず、企業は大きな社内人事制度の改正を急がされている。このような状況を見ると、いかに今まで、雇用形態や年齢が雇用の壁であったかがわかる。

https://twitter.com/theophil21/status/307319174173167616

今回の法改正で明らかにされたのは、企業社会が、年齢や雇用形態による労働者の雇用の制約を無反省に続けてきたということである。たとえば、5年もの長期間を超えて、労働者の意に反してもなお延々と有期雇用を続けなければならない合理的理由を、企業社会は結局提示しえなかったということである。

https://twitter.com/theophil21/status/307319936773144576

繰り返し指摘してきたことであるが、企業社会は、従来からの企業に都合の良い慣行について、いったん正面から見直し、その合理的根拠をきちんと発信できるのかどうかを検証すべきである。その場合の「合理的」という趣旨は当然、国際社会における理念的正当性を確保できるという内容も含まれている。

感覚的にはほぼ共感する話ではあるのですが、あえて理屈を立て、ちょっと異なる観点から批判的でありうるコメントをするとすると、「企業に都合の良い慣行」が「合理的」であるか否かは、必ずしも「国際社会における理念的正当性を確保できる」かどうかによって【のみ】判断されるべきであるとは言えません。

実際、20年前までの日本では、まさに欧米とは異なる慣行が、欧米よりもパフォ-マンスがよいということを根拠として、欧米よりも「合理的」であるという言説が山のように積み上げられていたわけで、そのこと自体は必ずしも否定されるべきとばかりは言えません。

問題は、ここからが重要ですが、その「慣行」は、ある側面においては「企業に都合の良い慣行」であるとともに、同時に他の側面においては「労働者に都合の良い慣行」でもあったわけであり、それなるがゆえに、欧米型とは異なる均衡点における一個の労使妥協として、それはそれなりに安定的な「慣行」であり得ていたわけです。

問題は、そう、問われるべき問題は、同じ「慣行セット」の表と裏であり、一方だけ利用して一方を放擲することなどあり得ないはずのものでありながら、「企業に都合の良い慣行」の方は何らの変更も認めたくないという姿勢を堅持していながら、「労働者に都合の良い慣行」の方は、それがあるが故に日本はグローバル競争に負けるのだなんだという議論を繰り出して、否定したがるダブルスタンダードにあるわけです。

日本型であろうが欧米型であろうが、それぞれにその「合理性」を主張することはできますが、企業が労働者を好きなように使えるという点は日本型システムを堅持するけれども、仕事がなくなっても企業が労働者の雇用を維持するという点は日本型システムを止めるというのは、いかなる意味でも「合理的」ではあり得ない、ということが、最も重要な点だと思われます。

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有期労働の何が真の問題か?

労働力調査で有期労働契約が1410万人に上るという記事が各紙に出ていますが、その解説で出色なのは朝日です。

http://www.asahi.com/politics/update/0301/TKY201303010067.html

・・・有期労働者の中には、仕事はずっとあるのに契約上は有期のまま、という人もいる。有期労働者には、期間満了で契約が更新されない「雇い止め」の不安がある。このため、待遇が低かったり、有給休暇などが取れなかったりしても、権利を主張しにくいという問題があった。

仕事がなくても雇用が維持されるのが当たり前、その代わり会社の命令は何でも聞くのが当たり前という世界にどっぷりつかった人にはなかなか理解できない、有期労働契約の本当の問題点を、こうしてきちんと記事の中に明示しているのですから、これは出色と言えましょう。

労働者の権利を守るとはどういうことかを、ちゃんと考え直すにはとてもいい素材なのですが、そこがなかなか伝わらないのですね。

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藤田孝典『ひとりも殺させない』

25530060_1藤田孝典『ひとりも殺させない』(堀之内出版)をお送りいただきました。NPO法人ほっとプラスの藤田さんが、困窮する人々の実態を語るとともに、それ以上に今日的にアクチュアルなのは、片山さつき議員を始めとする生活保護バッシングの流れに対して、冷静にしかしきちんと反論し、あるべき姿を提示している本だと言うことでしょう。

生活保護の「不正受給」が批判されるなか、その急先鋒である片山さつき衆議院議員に国会で目の敵にされた、弱冠30 歳のNPO 代表の若者がいる。
貧困の最前線で生活困窮者を支援し、生活保護受給者に住まいを提供してきた彼は、生活保護の実態を熟知している。生活保護の現場で何が起きているのか? 本当にそれは「不正」なのか?
いま話題の「不正受給」問題で、決して報道されることのない事実とは?そして、本当に必要な生活保護制度改革とは何か?

というわけで、よくある言い方ですが、今こそ読まれなければならない本の代表でしょう。

この本、読み始めてすぐにとても衝撃的な場面が登場します。「はじめに」の冒頭近くです。

ここに書き写すのも苦痛なくらいの描写ですが、こういう現実から目を背けていると、生活保護というとすぐに不正受給という条件反射に陥るのでしょうから、ちょっと長いですが、引用しておきますね。

あなたは、貧困による「死」と向き合ったことがありますか。

私は、その場に立ち会ったことがあります。

夏の暑い日でした。突然、アパートの大家さんから電話がありました。部屋の中から強烈な匂いがするとのこと。このアパートの部屋には、生活困窮者の方が生活していました。私はNPOの活動で、このアパート契約の手続を支援していたのです。

急いでアパートに向かうと、部屋に入る前から、これまで経験したことのない悪臭が漂ってきます。ドアの隙間からはハエが何匹も出入りしています。

不動産屋さんが合鍵を持ってきて、慎重にドアを開きました。

待ち受けていたのは虫の嵐です。ハエの大群が勢いよく飛び出し、同時に、むせかえるような不快な匂いが、あたり一面に充満しました。

無数のハエが飛び去った後、部屋の隅に横たわっていたのは、ミイラと人間の間というような、真っ黒になった遺体でした。嘔吐物、汗や体液、便が体中から染み出して、床に広がっています、凄惨な光景でした。

そして、第1章の冒頭近くに出てくる藤田さんがホームレス支援に関わることになったきっかけの話。

・・・出会いは偶然も偶然です。アルバイトの帰りに、中年の男性に自転車でぶつかってしまったんです。

・・・帰る家がない?とっさに「え?どういうことですか」と口にした瞬間、初めて彼がホームレスだと言うことに気がつきました。

・・・出会ったその人、私は「おっちゃん」と呼んでいました-は、ホームレスになる前は、銀行の支店長をしていたと言っていました。50代半ばくらいで、私の父親と年齢がほとんど同じ。そこそこの給与を得て、家庭を持っていたそうです。

・・・彼は、家族を養うために頑張って働いていたのですが、過労気味で働いていたことが原因でうつになってしまい、そのためにリストラされてしまったそうです。・・・

その時、ふと大学で学んだ知識が思い当たり、質問をしてみました。

「だったら労災保険がありますよね。何で申請しなかったんですか」

・・・「いやそんなの理論上の話だよ。理屈上ではそうなっているけれども」

・・・「申請なんかさせてもらえない」

・・・「生活保護は、どうして請求しなかったんですか」

「窓口で、若いからって追い返されるんだよ」

これが藤田さんの活動の出発点なのですね。

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経済成長は何も解決しないが、経済成長がないと何一つ解決できない

ということで、本日の名言。決定版です。

https://twitter.com/sumiyoshi_49/status/307276682979581952

結局のところ、成長論VS反成長論の落としどころは、「経済成長は何も解決しないが、経済成長がないと何一つ解決できない」というところなんだろうと思う。前段と後段をごっちゃにしないことが重要。

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日本人の人生は極端な生き方以外ないのか@松本孝行

アゴラに、松本孝行さんが「日本人の人生は極端な生き方以外ないのか」を書かれています。

http://agora-web.jp/archives/1521898.html(日本人の人生は極端な生き方以外ないのか)

これが、まさに下のエントリで述べた、「中間」だの「准正規」だのと卑下するような言い方をされている働き方こそがごくごく普通の働き方なんじゃないの?という話と通底する問題を提示しています。

十数年前は「いい大学に入って大企業に入れ」といい、そして今は「海外に行ってキャリアアップしろ」と言いますが、日本の若者はそれ以外の生き方はないのでしょうか。まるで日本人の若者が幸せで生きるためには、一本道以外にはない、そう言っているような印象さえ受けます

極端な生き方のみが称賛される社会は閉塞感を強めます。

・・・・

私には「海外へ行き経験を積め」と言う識者の方々は昔の「いい大学に入っていい会社に入れ」と言っている人たちと、なんらかわりはないと思います。もっと色々な生き方があるはずなのに、なぜ自由な人生を狭めるようなことをいうのでしょうか。

もしかするとこの日本を取り巻く閉塞感を生んでいるの原因の一つは「海外に行け」と言う識者の方々なのかもしれません。

疑似エリート的な「正社員」になるか、しからずんば何の権利もない非正規しかないぞ、さあ、おまえはどうするんだ、と極端な二者択一を迫る日本の労働社会が、まさに「閉塞感を生んでいる」のではないか、という疑問は、しかしながら何の制約もなしに会社が使える正社員のみが唯一正しい生き方だと信じてやまない人々の脳裏には浮かぶことはないのでしょう。

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労働法に「当直」の言葉はない

医療介護関係のネットニュース「キャリアブレイン」のインタビュー記事です。

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39334.html

夜間当直、休日当直の実態は断続的とは言えず、「労働時間」に当たる-。奈良県立奈良病院産婦人科の医師2人が、県に時間外手当などを求めて提訴した裁判は今年2月、最高裁で県側の上告が不受理とされ、一、二審の判決が確定した。「今まで医師自身が労働者だと思っておらず、提訴する人間がいなかったから問題にならなかったが、当然の結論が出た」。労働法に詳しい労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎・統括研究員は、医療現場だからといって特別扱いのない労働法規について説明する。「まず出発点は、労働法上に『当直』という言葉はないということ」。今回の判決が確認した宿日直の概念と、新しい問題としての「宅直」を解説する。

■宿日直はもともと、学校の宿直のような労働の中身のないものを想定
 
-医療機関は「当直」に対して、当時の県立奈良病院のように当直手当のみを出していたり、これに加えて実質稼働した時間分について時間外割増賃金を払っていたりと、とらえ方は一様ではありません。労働基準法(労基法)上はどうなっているのでしょうか。
 
 医療関係者に理解してもらいたいのは、そもそも、労働法上に当直という言葉はないということ。医療法で当直が義務付けられていても、それは労働法上で何の評価もされるものではない。これがまず出発点です。
 
 労働基準法に何があるかというと、「監視・断続労働」というものがあります。41条で「監視・断続労働」(監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの)については、労働時間に関する規定を適用しないと。(時間外労働の割増賃金などを定める)労働時間規制を適用しないことができるのは、監視・断続的労働であることが条件です。医師の宿日直の場合、厚生労働省局長通達で例示されているのは、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温などで、睡眠が十分取り得るものとしています。
 
 そして、厚労省令である労基法施行規則で、宿日直について、この監視・断続的労働に当たるなら、(適用除外の)許可をすることができるという規定があります。宿日直の典型は、昔学校の先生が学校に宿直していた、ああいうほとんど労働の中身がないものを想定しています。
 宿日直というのは、大臣が出したこの省令で初めて出てくる概念。つまり、「当直」という言葉で呼ばれているからといって、自動的に適用除外になるわけではない。宿日直が労基法上、監視・断続労働に当たって初めて、宿日直が適用除外になる。イコールでつないではいけないんです。中身自体が監視・断続労働であること、それと、行政官庁の許可を得なければいけないという二重になっているんです。
 
-監視・断続労働となるかどうか、判断基準は何ですか。また、監視・断続労働でなくなればどうなりますか。
 
 宿日直という名でやられているものが、本当に41条の監視・断続労働に当たるかどうかを判断しなくてはいけない。局長通達がありますが=表、クリックで拡大=、裁判ではそれが参考資料として使われる形です。
 ある意味、非常にシンプルな話。法律は、何もなければ適用するんです。医師だろうが、何だろうが。監視・断続労働に当たらなければ一般の労基法、1日8時間週40時間で、それを超えたら時間外ですね、という原則に戻ってくる。日本の法体系からして、判決は当たり前の結論なんですよ。
 
 日本では、最高裁の判例上、労働時間の定義というのは、作業しているかしていないかは関係ない。いつでも作業できるようにスタンバイしていることが労働時間であるという、これは確立されている判断なんです。だから、今回の宿日直で、監視・断続労働でなくなれば、それは作業している、していないにかかわらず、全部労働時間になります。
 
-今回の裁判は公立病院であったものですが、公立と民間で違いはありますか。
 
 公立だろうが私立だろうが全く同じです。ただ、今回奈良県が、地方公務員だから、人事委員会規則で定めていると主張していました。これは民間企業が、うちは就業規則で定めているから、労基法にとらわれないというのと同じくらいナンセンスです。地方自治体は確かに、条例や規則で物事のルールを決めることができる。だが、自分が雇っている人たちの働くルールは、労基法およびそれを受けた政省令の範囲内で規則を作れるだけ。これは、民間企業が法に反した就業規則を作れないのと同じです。
 
■時間外割増賃金で解決できてしまうのが日本の特徴
 
-判決は、原告の勤務実態を通達の基準に照らして、基準を満たしていないと判断しています。もし、この通達の基準を満たせば、今回の判決を踏まえても宿日直となり、労働時間規制の適用除外になるのでしょうか。
 
 少なくとも行政上はなるということですね。労働基準監督署が是正勧告書を出さないということですが。ただ、裁判になった場合、裁判所は国会の法律には拘束されますが、通達には左右されないので、分かりません。とはいえ、裁判所は多くの場合、行政基準をそのまま使うことが多いので、だいたい(適用除外となる)可能性が高いでしょうね。
 
-当直も労働時間ということになれば、一人の医師の労働時間が非常に長くなります。医療機関には今後、どのような対応が必要になりますか。
 
 ここが、日本の労働時間法制を欧州諸国と比べたときの最大の特徴です。日本では、労働基準法それ自体には上限の規定はありません。(労使間で結ぶ)三六協定には上限時間を定めなければなりませんが、あくまで法律上からは、協定で上限が1日総計23時間とかになるようなものであっても、直ちに法違反になるわけではありません。
 
 「直ちに」と言ったのは、厚労相が定めるその上限の基準告示というのがあるからで、それは1週間に(時間外労働が)15時間などと定めています。ただし、これは行政指導の基準であって、それを超えても直ちに労基法違反になるわけではないのです。
 ですので、もし医療機関の労使が、とても長い勤務時間の三六協定を結ぶことになれば、時間外の割増賃金を払うことで違反の状態は回避できます。もし、労働時間の上限が厳格な欧州であれば、交代制にするなど、人を増やさなければ対応できないでしょうね。
 
■宅直の問題は難しい
 
-今回、宿日直医をフォローするための「宅直」は、医師の自主的な取り組みで「使用者の指揮命令下には置かれていなかった」として労働時間となりませんでした。
 
 この問題は難しい。今回の判決にあるような、「(使用者である病院に)命令されていないから、勝手にやっているから労働時間に当たらない」というロジックは、かなり危ういと思っています。先程言ったような最高裁による労働時間の定義があるので、もし、院長が宅直を認めているような文書が出てきたり、「おまえ、きょう宅直だから、何かあったら来いよ」と副院長あたりが声を掛けていたら、実際に病院で医療行為をした時間だけでなく、家にいる時間も全部労働になってしまう。
 
 わたしの考えとしては、宅直は、呼び出しがあって来たら、そこから労働時間になるというロジックをつくらなくてはいけないと思いますね。つまり、実際に働いているかいないかを分ける、待機時間の概念を入れるしかないと思います。そのためには法改正が必要になります。【構成・大島迪子】

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「労組活動活性化への視点」④@『生産性新聞』

『生産性新聞』2月25日号(2389号)に、私のインタビュー記事「労組活動活性化への視点」④が載っています。

これは労使関係の有識者のインタビュー連載ということで、同じテーマで毎号載っているものですが、わたくしの発言はこういうものです。私の本や文章をお読みの方には毎度おなじみの話ですが。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/jpc130225.html

西欧では、労働組合は企業の外に置かれているため、企業内の従業員代表制による労使協議が法律で義務付けられている。
 
これに対し日本では労使協議が法的に義務付けられていない。また、日本では労働組合が企業レベルで組織され、賃金・労働条件や労働協約の締結もほとんどすべて個別企業レベルで決められる。そのような企業別組合が、西欧の労働者代表機関とほぼ同じ機能を個別企業レベルで果たしているところに、従業員代表制法制化の問題の難しさがある。
 
近年、非正規労働者が増大し非組合員が増え、労使協議でカバーできる範囲は狭まっている。また、ホワイトカラー層においても役付けが増え、結果的に組合員の対象から外れる人が増大し、組織率の低下に拍車がかかっている。
 
産別によっては非正規労働者の組織化や中小零細企業の組織化などに成果を収めているところもあるが、それが多数派になっているかといえばそんなことはない。集団的な労使関係の枠組みから排除されている人をいかにカバーし、集団的労使関係の適用領域を拡大していくかが重要な課題である。
 
この問題についてはまず、労働組合が非正規労働者、中間管理職を含めた集団的な枠組みを再構築していく努力が求められる。それが難しいのであれば、それを補完する法的な仕組み作りも必要になってくる。
 
今、非正規労働をめぐる問題について様々な議論があるが、ここに来て、非正規労働問題の解決への道筋として、集団的労使関係システムに着目する議論が提起されている。
 
厚生労働省の「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」が2012年3月に取りまとめた報告書では、「職務の内容や責任の度合い等に応じた公正な処遇」を求めた上で、「労働者と使用者が、自主的な交渉の下で、対等の立場での合意に基づき、それぞれの実情を踏まえて適切に労働条件を決定できるよう、集団的労使関係システムが企業内の全ての労働者に効果的に機能する仕組みの整備が必要である」と踏み込んだ提起をしている。
 
戦後60年かけて作られてきた日本の集団的労使関係の現状を前提にしながら、すべての労働者が集団的な枠組みの中で、きちんとその権利を保障されるような仕組み作りが求められている。労働組合にとって、集団的労使関係のあり方を様々な角度から検討する余地がある。  

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労働政策フォーラム「震災から2年、復興を支える被災者の雇用を考える」

来たる3月13日(水)に開かれる労働政策フォーラム「震災から2年、復興を支える被災者の雇用を考える」 の再度のお知らせです。

http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20130313/info/

基調報告
被災地の雇用対策について
本多 則惠 厚生労働省職業安定局雇用政策課長

研究報告
被災者雇用が復興と自立に果たす役割~被災地調査からの示唆~
小野 晶子 労働政策研究・研修機構副主任研究員

キャッシュ・フォー・ワーク:東日本大震災での成果と課題
永松 伸吾 関西大学社会安全学部・大学院社会安全研究科准教授

事例報告
かーちゃんの力・プロジェクト協議会の取り組み
渡邊 とみ子 かーちゃんの力・プロジェクト協議会会長/イータテベイクじゃがいも研究会会長

NPO法人@リアスNPOサポートセンターの取り組み
鹿野 順一 NPO法人@リアスNPOサポートセンター代表理事

パネルディスカッション

パネリスト
本多 則惠 厚生労働省職業安定局雇用政策課長
永松 伸吾 関西大学社会安全学部・大学院社会安全研究科准教授
渡邊 とみ子 かーちゃんの力・プロジェクト協議会会長/イータテベイクじゃがいも研究会会長
鹿野 順一 NPO法人@リアスNPOサポートセンター代表理事
小野 晶子 労働政策研究・研修機構副主任研究員

コーディネーター
玄田 有史 東京大学社会科学研究所教授

永松さんのキャッシュ・フォー・ワークについては、本ブログでも何回か取り上げてきましたけれど、震災から2年経った今、主唱者の永松さんがこの間の実績をどう評価しているのか、どこに課題があると考えているのか、改めて耳を傾けてみる価値があると思います。

「かーちゃんの力」の渡邊さんは、福島の飯館村で、イータテベイクじゃがいも研究会を引っ張ってこられた方ですが、そのイータテベイクをようやく世の中に出せると思ったその矢先に、原発事故が起こり、すべてを奪われてしまった・・・のです。

しかし、渡邊さんはじめとする飯館村のかーちゃんたちは、あきらめませんでした。

・・・と、これ以上書いてしまうと、まずいですね。そこで始まった「かーちゃんの力」については、是非このフォーラムの場で、ご本人の口から直接聞いてください。

リアスNPOサポートセンターの鹿野さんは、希望学の聖地釜石でお菓子屋さんを営む傍らまちづくり活動に携わってきた方です。釜市に起こったこと、そして鹿野さんらがやってきたことが熱っぽく語られます。

そして、司会は玄田有史さんですね。個人的には、ここでも「クリエイティブ・レスト」が出るのかどうか興味あります。最後は楽屋落ちで済みません。

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