山本陽大「ドイツにおける解雇の金銭解決制度に関する研究 解雇制限法9条10条の史的形成と現代的展開」
どうも、「金銭を払って解雇するという制度」と「世界中みても、解雇が無効になった後に金銭で解決する国はある」の違いも理解しないまま、あれこれ論ずる人々が絶えないようなので、
そもそもドイツ解雇制限法における解雇の金銭解決制度とはいかなるものであるのか、何かものを言う前に勉強するために最適な論文がネット上に上がっていますので、学習指定文献(笑)としてリンクしておきます。
同志社法學 第344号(62巻4号)所収の山本陽大「ドイツにおける解雇の金銭解決制度に関する研究 解雇制限法9条10条の史的形成と現代的展開」です。
はじめに
第一章 前提的考察
第一節 我が国における解雇法制の特徴
第二節 "解雇無効"の意義
第三節 日本における解雇の金銭解決制度論
⑴ 意義と我が国における議論状況
⑵ ﹁今後の労働契約法制の在り方に関する研究会﹂報告書
第四節 本稿の課題
⑴ 諸外国の解雇法制
⑵ 検討の順序と課題
第二章 ドイツ解雇制限法における解消判決・補償金制度
第一節 概説
⑴ ドイツにおける解雇法制の概要
⑵ 解消判決・補償金制度
第二節 歴史的経緯と基本理念
⑴ 事業所委員会法および国民労働秩序法下での法状況
⑵ "存続保護"法の展開
⑶ 解消判決・補償金制度の規範的正当性― 連邦憲法裁判所二〇〇四年一〇月二二日決定
⑷ 小括
第三節 手続法的要件論
⑴ 解雇制限訴訟の係属と時機に適した解消申立ての提起
⑵ 解消申立ての法的性質
第四節 実体法的要件論
⑴ 解約告知の社会的不当性
⑵ 解消時点における労働関係の存在
⑶ 解消事由の解釈― 労働者の解消申立てについて
⑷ 解消事由の解釈― 使用者の解消申立てについて
⑸ 小括
第五節 双方による解消申立ての法的処理
第六節 解消判決の方法と効果
⑴ 判決方法の諸類型
⑵ 遡及的解消をめぐる問題― 連邦憲法裁判所一九九〇年一月二九日決定
第七節 補償金決定システム
⑴ 概説
⑵ 法的性質と機能
⑶ 他の法領域における補償金の取扱い
⑷ 算定基礎
⑸ 考慮要素
第三章 ドイツ法の総括と日本法への示唆
第一節 ドイツ法の総括
第二節 総論的考察
⑴ 解雇無効原則への評価
⑵ 解雇の金銭解決制度の基本理念
⑶ 規範的正当化について
第三節 各論的考察
⑴ 労働者側の申立て
⑵ 使用者側の申立て
⑶ 補償金(解決金)について
結びに代えて
なお、山本さんはこの論文を書いたときには同志社大学博士課程でしたが、今は労働政策研究・研修機構の研究員ですので、話しを聞きたいという方はそちらにどうぞ。
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