« 拙著短評 | トップページ | 経済財政諮問会議民間議員の提言@日経報道 »

2013年2月 5日 (火)

も一つ拙著短評

131039145988913400963こちらは、2009年の『新しい労働社会』への短評です。

與那覇文哉さんによる「口笛はいつもクロマニヨンズ」というブログです。

http://478238ginowan.blog103.fc2.com/blog-entry-465.html

日本の労働社会における実態を把握、その問題点を提示しながら解決策を提示している。著者はまず、日本独特の労働観を提示する。
日本以外の国では、労働は職務ごと契約しており、契約者と労働者の間で、明確にどのような仕事をするのか決まっているのだが、日本では会社がまず新入社員として一括して採用する形をとるため、特別な職務における雇用という形態ではないのらしい。
さて、私がこの本を読んで、日本における労働社会についての問題点をまとめると、

①正社員と非正社員の身分の固定
②大学での学業内容に就職で必要となるような技術が習得できない。
③正社員を代表する労働組合しか存在しない

の三点ぐらいであろうか。
どれも日本社会における改善すべき問題点としてよく議論にされているのだが、これらがあまりにも強固のため、事態は改善の兆しすら見せていない。一応、②については、2002年の学校教育法で、大学院などのアカデミズム機関も職業教育機関として位置づけることで事態の改善を図ろうとしていることは分かるが、これも今のところ実態通りには行ってないだろう。
①、③の問題については、単純に「同一労働・同一賃金」の導入で解決されるかに見える。げんに最近読んだ池田信夫の本でもこの提案がされていた(『希望を捨てる勇気』)。しかし、濱口氏は、高度成長における日本社会における家庭像-夫が終身雇用、年功制の会社に勤めることで財政的な基盤を得、妻は専業主婦、そうでなくても軽さパートなどの仕事-、では日本版フレシキュリティが達成されているのであり、こうした構造を根本的に変える必要があるため、同一賃金の導入は非常に困難と結論を出している。

これななどを読むと、派遣社員と働いている私なんかは、ひえー、と思わず叫び声を挙げるのであり、派遣社員であり続けることにリスクを感じてしまうのである。そういう意味で、非常に「不都合な真実」がつまっている本だが、労働環境の現実を理解するためにも是非、一読されたい本である。

|
|

« 拙著短評 | トップページ | 経済財政諮問会議民間議員の提言@日経報道 »

新しい労働社会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/49192456

この記事へのトラックバック一覧です: も一つ拙著短評:

« 拙著短評 | トップページ | 経済財政諮問会議民間議員の提言@日経報道 »