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2013年2月28日 (木)

裁量労働制にコメント@東京新聞

今朝の東京新聞に、裁量労働制に関する記事が載っていますが、その中で、私がコメントしております。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022802000101.html(裁量労働 増加の一途 残業代不払いの抜け道に)

Pk2013022802100034_size0一定時間働いたとみなし、仕事の手順や時間配分を従業員に任せる「裁量労働制」が、二〇一一年に全国で初めて九千件を超え、過去最多になった。規制緩和による経済成長を主張する経団連は適用拡大を求めるが、労働者側は「際限のない残業につながり、長時間労働を助長しかねない」と反発している。 (中沢誠)

 全国の労働基準監督署への届け出数をまとめた厚生労働省によると、一一年は、前年より四百三十二件増の九千三百五十六件。内訳は、研究開発などの特定業務に適用される「専門業務型」が七千三百三十九件、本社勤務のホワイトカラーなどに適用される「企画業務型」が二千十七件だった。届け出数は増加傾向にあり、専門業務型は過去十年で三倍、企画業務型は〇四年の適用要件緩和で、翌年は二倍に膨れ上がった。

 裁量労働制は、労働時間だけでは成果を評価しにくい働き方に対応するために設けられた。いくら働いても労使で合意した労働時間分の賃金だけを払えばいいため、経営者は残業代削減という側面に目が行きがちだ。

 企業からの労務相談を手掛ける窪田道夫・特定社会保険労務士は「『名ばかり管理職』への規制が強まり、残業代削減の逃げ道として、裁量労働制に切り替えている」と話す。景気低迷が続き、どの経営者もコスト削減に腐心している。窪田氏も顧客から残業代削減の相談を受けることは多いという。

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」(東京)の浜口桂一郎研究員は「IT業界の拡大に伴い、制度を使うIT企業が全体の導入件数を押し上げている」と分析する。

 システムエンジニア(SE)のようなシステム設計業務は、専門業務型の対象業種に含まれる。一一年の就労条件総合調査によると、専門業務型の業種別導入率は、情報通信業が17・7%と最も高く、学術研究(8・7%)、製造業(3・1%)、金融保険業(2・5%)と続く。

 しかし、IT業界では裁量性の低いプログラマーなどにも制度を適用する企業もある。浜口氏は「IT関係者自身、裁量労働制の導入には無理があると言っている。専門業務型裁量制のあり方について再検討する必要がある」と指摘する。

最後の台詞は、一昨年11月に情報労連主催で開かれた「情報サービス産業はどこへ向かうのか?」というフォーラムに出席したときに、パネリストの情報産業サービス協会副会長の岡本晋さんが語った言葉です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-5747.html(情報サービス産業はどこへ向かうのか?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/12-3d5d.html(この業界で裁量労働を導入するのには無理がある@『情報労連REPORT』12月号)

今号では、この連載のほかに、16ページから17ページにかけて、わたくしが出席した「第9回情報サービスフォーラム」の概要が載っています。

パネルディスカッションでは、わたくしが

濱口 情報サービス労働は、少数の専門家たちがシステムを開発してきた経緯から、裁量性が高い労働であると認識されてきた。しかし、実際には元請企業から大量の業務が発注される多重下請構造という理由のために、非自律的・非裁量的になっているのではないか。そこでは、勤務間インターバル規制といった歯止めも必要となるのではないか。

というようなことを提起したところ、

情報サービス産業協会副会長の岡本晋さんが、

岡本 この業界で裁量労働を導入するのには無理がある。納期が決められており、ボリュームのある業務をこなす中では、自由に働いて下さいというやり方はできない

と、極めて率直に胸の内を語られたのが印象的でした。

なお、この判決も参考になります。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-9c85.html(京都某IT会社事件の判決文)

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