文革こそ最大の走資派
橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司という大風呂敷派3人による鼎談本で、「をいをい」的な発言もけっこうありますが、文化大革命についてのこの認識は、かなり正しいのではないかと思われました。
・・・おそらく文革を経験したということが、逆説的に「現在」に効いていると思うんですね。文革が、いったん伝統を無化してしまい、更地のようなものを作ったおかげで、今日の、改革開放も可能になったのではないでしょうか。文革によって、伝統の拘束力が低下し、中国人の行動に非常に大きな自由度が生み出された。だから、速やかに改革開放が進捗したように思います。とすれば、これは、究極の歴史のアイロニー、「理性の狡智」です。なぜなら、文革は、資本主義の文化を廃して、社会主義の文化を創るということが、公式の目的だったわけですが、実際には、文革のおかげで、今日の中国の、短期間の、「資本主義化」がうまくいったと考えられるからです。結論からすれば、文革こそが最大の走資派だった、ということになります。
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hamachanさん、「文革が、いったん伝統を無化してしまい、更地のようなものを作った」って評価は、劉建輝先生の文革評価とも通じるものがあるかと。わたしは文革によって「好鉄不打釘、好人不当兵」という軍人蔑視が消え、「人民解放軍(もしくは八路軍)万歳」になった方に唖然とした口ですが。
投稿: iori3 | 2013年2月17日 (日) 12時26分