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2013年2月28日 (木)

それが普通のレギュラーワーカー、日本の「正社員」は疑似エリート

読売の記事で、

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130227-OYT1T01749.htm(「准正規労働」で待遇改善、無期雇用で賃上げ)

厚生労働省は来年度から、正社員と非正規労働者の中間に位置する新たな雇用形態の創出に乗り出す。

 働く期間に定めがない無期雇用にして賃金を上げ、正社員に近づける一方、昇進などは制限する「准正規労働者」ともいえる形態で、増え続ける非正規労働者の労働条件の改善につなげる狙いがある。非正規労働者を准正規労働者に引き上げるなどした企業に対し、総額54億円を助成する方針だ。

 「正社員を増やすことにこだわっていても、不安定な非正規労働者が増えるだけだ」。厚労省幹部は危機感をあらわにし、今回の対策を打ち出した背景を語る。

 同省では、これまで非正規労働者を正社員にした企業に助成金を出すなど様々な対策を講じてきた。だが、非正規労働者はこの10年間に年平均約30万人のペースで増え続け、昨年は約1813万人と労働者全体の35・2%を占めるまでになった。このうち約400万人は正社員を希望しながらかなわずにいる非正規労働者だ。

本ブログで何回も繰り返してきたことですが、こういう雇用形態を「中間」とか「准正規」とか言うこと自体が、特殊日本型「正社員」という世界的にはかなり特殊な形態をデフォルトだと思っている特異な発想に基づくものなんですね。

日本以外の普通の感覚からすれば、ここで「中間」とか「准正規」と呼ばれている在り方こそ、ごくごく普通の労働者(レギュラーワーカー)の姿であり、適度に安定していてそこそこの賃金を得られる普通のノンエリート労働者の働き方。

その上に、少数派としてエリート労働者が乗っているというのが普通の姿なんですが、日本ではその外国では少数派のはずのエリート仕様の働き方が、「正社員」として普通の在り方になっていたわけです。もちろん労働者の大部分がほんとにエリートなんてことはあり得ないのですが、疑似エリートとして無制約的に働く代償として、疑似エリート的な処遇が(あくまで擬似的ですが)一定程度確保されていたわけですね、かつては。

その「正社員」をかつてのように大量に維持することがもはやできないからといって、それを縮小する一方で、過度に不安定な非正規雇用にする必要の本来ない仕事自体はずっとあるような人々が、二者択一的に非正規労働者化されてきたことが、今日の問題の原因となってきたわけですから、こういう方向性はあまりにも当たり前のことなんですが、世界的に特異な「正社員」こそが本来の姿と思っている人には、そうは見えないというのが問題の根源なわけです。

というようなことは、分かっている人には分かっているのですが、分かってない人にはなかなか分からないし、こういう記事の書き方をすれば、ますます本来あるべき「正社員」を「准正規」におとしめるように勘違いする人が出てきて、ますます話がこんがらがるのであろうなあ、と正直気が重くなります。

(追記)

https://twitter.com/mnaoto/status/307345160730193920

今までの「正社員」を「モーレツ社員」に呼びかえる法改正をしてはどうだろうか。そうすると記事の内容も、“厚生労働省は来年度から、モーレツ社員と非正規労働者の中間に位置する新たな雇用形態として正社員の創出に乗り出す”となってなかなかいい感じである。

https://twitter.com/mnaoto/status/307345929512558592

「疑似エリート」じゃなくて「モーレツさん」でええやん。ほんならなんか特殊な物好きしか選ばん雇用形態なふうな感じもでん?

そやな。「モーレツさん」と「非正規さん」の間に、「ぼちぼちさん」をつくりまひょ、といえば、エリートやらノンエリートやらいう言い方とちごて、身分制やなんやという反発も和らぐかもしれへん。

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コメント

まずは既に同じ大卒程度採用でもエリートとノンエリートを分けている国家公務員から範を示すべきなような気が。
というかhamachan先生も最初の数年(「管理職」じゃない頃)は官公労化自治労に入っていたんでしょうか?

本当に労働者の幸せを考えるタイプの論者は、この動きに好感をもっているようです。

https://twitter.com/Kana_1024n/status/308163447294656512

准正社員という名称はともあれ、やっとノンエリートの普通の働き方を整備する動きが出てきたことも、日本のブラック労働環境撲滅およびジョブ型社会移行への好機

https://twitter.com/Kana_1024n/status/308176983785869312

民間企業もエリートとノンエリートは明確に分けるべき。繰り返しになるが、私は障害もありノンエリート雇用への移行を望んでいる。名称に反発の声もあるだろうが、准正社員に変更して頂いて結構



http://d.hatena.ne.jp/zokubutsu/20130302

ついに始まりましたね。労働市場に新しい風が吹きます。 ・・・・・・ 「准正規」という呼び方に、この分野の専門家さん達からすれば「分かってない感」が漂っているという感想もあるでしょうが、厚労省の担当者も日本の「正社員」の特殊性というのは重々承知の上で、世の中に一刻も早く新しい風を広めるためにこの呼び方にしたのでしょう。 これまでは、保護されている代わりに会社に人生を預けよという「正社員」か不安定極まりない「非正規社員」という二択しかなかったわけですが、「准正規」という形で、業務範囲、あるいは勤務地を限定した新しい正社員の形(欧州ではこれが普通のレギュラーワーカーですが)を国が推進していこうと打って出たというのは大きなことです。多様な価値観、多様な働き方を尊重した労働社会に向かっていこうと国が言ったわけですね。 長い時間はかかると思いますが、5年間継続勤務したものは正社員にしなければいけないという改正労働契約法の影響も受け、これからこの新しい形の正社員は増えていくでしょう。それに伴い、会社の人事制度や業務分担、仕事のやり方自体も、長い時間をかけて変わっていくのだと思います。今後の人事関連書籍に期待です。

良く分からないのですが、
厚労省のイメージでは
非正規:有期、
正規・准正規:無期
という説明になっていると思われますが、
プロジェクトタイプの仕事(特にITに顕著)は基本的に恒常的な仕事に当たらず非正規タイプに該当すると思われます。
この場合、「給与が正社員より「大きく下がる」」ことになる根拠ないし合理性は何でしょうか?
働き方及び業種により不安定かつ待遇が大きく下がることが論理必然かのような関係が想定されてしまいます。
この箇所は身分制というイメージ醸成に大きく寄与している気がします。

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