非正規労働が「問題」化したのは・・・
金子良事さんのツイートですが、若干ずれているような・・・。
http://twitter.com/ryojikaneko/status/302208347501887488
本田一成さんの『主婦パート最大の非正規雇用』を読み返しているが、00年代に非正規雇用の問題が最大の主婦パートではなく、若者問題にすり替えられて行ったことへの違和感が語られていて、いろいろと感慨深い。その一翼を間違いなく担ってたのは本田由紀さんだと思うのだが。
労働問題の世界にいると、確かにそう感じられるわけですが、それは残念ながら、労働問題の中の人の感覚に過ぎない。
世間一般からすると、非正規労働者が主として主婦パートと学生アルバイトであった時代、私の言う幸福な日本的フレクシキュリティでほとんどカバーされていた時代には、非正規労働というのはそもそも「問題」ではなかったのです。
労働問題という狭い世界だけで、あるいは女性問題という狭い世界だけで、「パート問題」は「問題」として存在していたけれど、それはその外側の世界では何ら共有されていなかった。そんなの誰も文句言うとらんやないか、何が問題やねん。
その世間一般が、非正規労働が大変だァと騒ぎ出したのは、それまでの感覚では学校を卒業したらちゃんと正社員として就職(就社)するはずの若者(意識的無意識的に主として男性を念頭)が正社員になれなくて非正規労働者になっているという報道が、問題意識に火をつけたため。
「すりかえられた」というのは、労働問題の中の人の感覚であって、外側からすれば、若者問題になって初めて「問題」化したのです。
« ロスジェネ系解雇規制緩和論者が若者バッシングに走るとき@後藤和智 | トップページ | スウェーデンの解雇法制 »
たしかに。でも、こういう風に定義するなら、今なお主婦パートは社会問題になってませんね。
投稿: 金子良事 | 2013年2月16日 (土) 21時03分
私はまさにそうだと思います。
2007年の改正パート法も、労働の中の感覚ではそれまでの均等均衡の議論の一つの決着ですが、その外の感覚からすれば、第1次安倍内閣の再チャレンジ政策に載って、最低賃金とか年齢差別とかとセットで世の表面に出てきたというのが実感でしょう。
投稿: hamachan | 2013年2月16日 (土) 22時17分