「団結と参加」@日本ILO協議会『Work & Life』
日本ILO協議会の発行している季刊誌『Work & Life』2013年1号に、「団結と参加」という文章を寄稿しました。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/danketusanka.html
今の時代、ILOといえば「ディーセント・ワーク」であって、団結だの参加だのという文句はえらく古めかしく見えるかも知れませんが、いかに集団的労使関係が不人気で若手研究者から見向きもされていないからといって、ILOの基軸の一つである労使関係の問題を知らんぷりしていていいわけではないでしょう。それに、いささかつまらない話ですが、わたくしはここ数年間、労働政策研究・研修機構で「労使関係部門」の統括研究員をしているのに、この間やってきたのは労働局あっせん事案の分析など個別労使紛争の研究ばかりで、一体肝心の「労使関係」はどこに行ったのか?と問い詰められても仕方がない状態です。
一方で、2009年に刊行した拙著『新しい労働社会』の最終章で、非正規労働問題を解決するためには、集団的合意形成の仕組み、すなわち非正規労働者も含めた企業レベルの労働者組織が必要なのだと論じた者としては、最近の菅野和夫先生の教科書(『労働法 第十版』弘文堂)で、「特に、正規労働者と非正規労働者間の公平な処遇体系を実現するためには、非正規雇用者をも包含した企業や職場の集団的話し合いの場をどのように構築するかを、従業員代表法制と労働組合法制の双方にわたって検討すべきと思われる。」(p17)と語られるなど、この問題への関心が高まってきている状況を考えれば、そろそろ集団的労使関係について根っこに遡って考えるという作業が求められていると思わざるを得ません。
以下は、ILO協議会の機関誌という媒体にふさわしいかどうか分かりませんが、改めて日本の集団的労使関係法制の在り方を考える上で、世界各国の法制を自分なりに類型化し、そこから何らかのヒントを得ようとしてまとめてみたものです。どの程度役に立つのか、立たないのか分かりませんが、議論のきっかけにでもなれば幸いです。
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なお、同誌のバックナンバーについては:
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