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2013年1月13日 (日)

『日本の雇用終了』を読む気が起きない理由

112050118特定社労士の「しのづか」さんが、『日本の雇用終了』を読む気が起きない理由を書かれています。

http://sr-partners.net/archives/51877589.html(田舎の企業ほど能力不足ですぐにクビにする)

日本の雇用終了―労働局あっせん事例から」 (JILPT第2期プロジェクト研究シリーズ) が人気のようですが、私はまだ購入していません。実はこの本が発刊された直後に私はJILPTのサイトから購入を申し込もうとしてうまくいかず、結局購入できませんでした。その後、あまり読みたいという気が起きずに現在に至っています。

あらら、それは申し訳ありません。でも、「その後、あまり読みたいという気が起きずに現在に至ってい」る理由は、もう少し別の所にあるようです。

なぜなら、ほぼ毎日中小零細企業の労働者から解雇や退職勧奨の相談を受けているからです。本で得る情報より、生の声を聞くほうがはるかに心に響きます。

これは全くおっしゃるとおり。この本はあっせんの事例集なので、それと同じような事案を毎日見ておられる篠塚さんには、全然目新しくないことはある意味で当然だと思います。

ただ、これを逆に言うと、篠塚さんのように現場の実情を毎日目のあたりにしているのではない人々、とりわけ経済学の教科書だけを頭に詰め込んで、もっともらしく日本の解雇法制がどうこうと論じているような人々にとっては、逆に極めて目新しい、「えっそんなことが起こっているの?」という世界でもあるわけで、だからこそ、こんな事例がひたすら載っているだけの本が、それなりに評判になったりするのでしょう。

もう一つの理由は、労働局のあっせん事例集ということですが、その解決金のレベルの低さに怒りしか湧き起こらないからです。10万円ぽっちの解決金で和解させられるなど、あってはならない。悪徳企業に対し、不当な解雇で訴えられても10万円を払えばけりがつくという先入観を与えてしまっています。

これも、篠塚さんのような立場からはそういう感想も出てくるのでしょうけど、それこそ、大まじめな顔をして、「日本ではほとんど絶対的に解雇なんてできない」とか、世界中で日本が一番解雇が難しい国だなどと論じる人々が後を絶たない論壇の現況を考えれば、こういう現実が現に存在するということを世に伝えることの意義は大きいと思っているのです。

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