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2013年1月31日 (木)

ケインズさんの言葉

昨日の

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-00f8.html(組合要らぬ会社が理想のヨニウム氏)

で、

ここ突っ込むと、雇用第一ゆえに賃金・労働条件のフレクシビリティを大幅に受け入れるという日本型フレクシキュリティが、結果的にデフレを増幅する要因になってきたのではないか、失業者が出たら国にきっちりと面倒見させるから、賃金・労働条件は引き下げないぞ、という「物わかりの悪さ」、1980年代の日本では「だから欧米はダメなんじゃ」とどや顔でいわれていたような面が、逆にデフレに対するストップ要因になってきたのではないか、という大変深刻な問題につながっていくわけです。

日本の「リフレ派」で、ここんとこをちゃんと突っ込んでいる人はほとんど見かけませんが。

と述べたところ、なんだかケインズ先生の本にそういう一節があったような気がして、ざらっと見てたら、

http://www.genpaku.org/generaltheory/general19.html(ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』(1936)  第 V 巻 :賃金と価格 第 19 章 名目賃金の変化)

私の理解する限り、一般に認められた説明は、とても単純なものです。以下に議論するような、もってまわった影響などに依存しません。議論は単純に、名目賃金が下がれば、他の条件は一定として最終製品の価格が減るので需要が刺激され、したがって産出と雇用は増え、産出と雇用は増える、というものです。そしてその増え方は、労働が受け容れることにした名目賃金低下分が、産出増(設備一定)に伴う労働の限界効率低下で相殺されるところまで増えるのだ、というわけです。

・・・私はこの手の分析とは根本的にちがっています。あるいは、上のような主張の背後にあるとおぼしき分析とちがっていると言うべきでしょうか。というのも上は、多くの経済学者たちの主張や著作をかなりよく表していますが、その根底にある分析が詳しく記述されたことはほとんどないからです。

・・・名目賃金を引き下げると「生産費用が下がるから」雇用が増える、という粗雑な結論をまず論駁しておくとよいでしょう。

・・・ここから、現代世界の実際の慣行や制度から見て、柔軟な賃金政策でじわじわ失業に対応するよりも、硬直的な名目賃金政策を目指すほうが好都合なのだ、ということになります——少なくとも、資本の限界効率から見る限りでは。でもこの結論は、金利から見るとひっくりかえるでしょうか?

・・・したがって、柔軟な賃金政策が継続的な完全雇用を実現できるという信念には根拠がありません——公開市場金融政策が、単独でその結果を実現できるのが根拠レスなのと同様です。経済システムは、この路線で自己調整的にはなれないのです。

・・・よってここから、労働がじわじわ減る雇用に対応して、じわじわ減る名目賃金でサービスを提供するとしたら、これは実質賃金を減らす効果は持たず、むしろ産出へのマイナス効果を通じてかえってそれを高めるかもしれない、ということになります。

・・・こうした考察に照らし、私はいまや、安定した名目賃金の全体的な水準を維持するのは、いろいろ考えても閉鎖経済にとってはもっともお奨めできる政策だという意見です。同じ結論は開放経済にもあてはまりますが、それは世界の他の部分との均衡が、変動為替レートによって確保できるという条件つきです。一部の産業では、賃金がある程度柔軟だとメリットもあります。衰退しつつある産業から成長しつつある産業への移転を促進したりできるからです。でも全体としての名目賃金水準は、少なくとも短期では、できるだけ安定に保つべきです。

ある時期に褒め称えられた日本的労使関係のフレクシビリティは、「労働がじわじわ減る雇用に対応して、じわじわ減る名目賃金でサービスを提供する」ことによって、実はむしろ「実質賃金を」「高める」効果をもたらしていたのかもしれません。

経済学の素人の戯言はこれくらいにしておきますが。

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