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事務屋稼業さんの拙著書評(+今野ブラック本)

112483_2引き続き、事務屋稼業さんが「[読書]今年の10冊 」ということで、拙著を含む書物を書評かたがた紹介していただいております。

http://d.hatena.ne.jp/JD-1976/20121212

毎年ことわっていることではありますが、あくまで印象深かった本を選んでいるのであって、必ずしもベストテンというわけではありません。もちろん個々の書籍の内容に全面的に賛同するものではありませんので、あしからず。

ということですので、拙著に全面的に賛同していただいているわけではないのかも知れませんが、こういう評価は大変うれしく、有り難いものです。

濱口氏は日本的雇用の本質を職務の定めのない「メンバーシップ型」とし、「ジョブ型」雇用と区別します。その上で法と判例を引きつつ、日本的雇用の来歴を語っています。

広い意味での労働問題をあつかった本書は、特定のイデオロギーを喧伝するものではなく、雇用における制度と「世間」の通念のありようをわかりやすくあぶり出しています。

余談ですが、制度と通念とでは後者が優越しがちだというのは世のならいでありましょう。であればこそ、制度(既存利害)に手をくわえることによって通念(思想)の変容をもくろみ、あわよくば形勢の一発逆転をねらう「抜本的改革」が期待を集めるのもむべなるかなといったところです。

Img61_01本書に続いて事務屋稼業さんが挙げるのは今野さんの『ブラック企業』

いわゆるブラック企業について、どこがどう問題なのかを指摘し、個々の若者が対抗するための戦略を示しています。

濱口氏の書籍とあわせて読むと、ブラック企業というのは通念としてのメンバーシップ型雇用が極端にゆがんでしまった一症例なのではないかと思われます。

本書は戦闘的なマニフェストといったおもむきで、やや荒削りではあります。しかし問題提起の書としては重要なものですし、実際にブラック企業の現場で苦闘する方々にとっての一助となるかもしれません。

なお、その他の本は、ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』、スキデルスキー『なにがケインズを復活させたのか?』、根井雅弘『サムエルソン『経済学』の時代』、クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』、スティグリッツ『世界の99%を貧困にする経済』、竹森俊平『ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った』、長谷川英祐『働かないアリに意義がある』、式貴士『窓鴉』、です。

最後の二つを除くと、「りふれは」ではないまっとうなケインジアン経済学系の本が多いですね。わたくしの本と今野さんの本がいささか異色に見えます。

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