清家篤氏の議論をきちんと読まずに噛みつく城繁幸氏
もちろん、自称人材コンサルタント業でくちすぎをするためには、こういう見境のない罵声を定期的に浴びせることで注目を集めるというのが、もっとも合理的なビジネス戦略であるというのは重々承知の上ではありますが、やはりこれは、この業界で清家篤さんが今まで何を語ってきたかを知っている人々には、城氏の知性and/or人間性への深甚なる疑義を呈させるだけではないかと、一言いいたくなる人は数多いのではないかと思われます。
http://twitter.com/joshigeyuki/status/278657233481519104
これが現実。慶應の塾長は違う意見のようだが。→ 経団連の経労委報告 「賃金カーブ見直しを」65歳継続雇用で現役世代の賃金抑制
最近のでは、
http://www.jeed.or.jp/data/elderly/elder/download/2011_09-05.pdf
もうひとつ申し上げておきたいのは、高齢者高齢者と若年者は補完的な関係にあると若年者との間のトレードオフが起きるのは、やはり年功賃金の問題があります。年功賃金であるから定年を延長すると労働コストがかさんで、若年者を雇うことができなくなります。賃金をフラットにすることによって、高齢者の能力を活用しつつ、若年者にも活躍してもらうことは十分にできることだと思います。実際に中小企業にはそのようにしているところも少なくないわけですし、大企業にも見習うべきところがあるのではないでしょうか。
そしてずっと以前から、
清家篤「定年破壊」
定年は当たり前の制度ではない/「組織の若返り」という錯覚/定年廃止は労働組合の利益に/年功的処遇だから定年が必要になる/フラットな賃金にすればよい/企業は雇用保障ができなくなる ほか
本質的には、縮小した正社員層に対しては(成果主義を盛り込んだ)年功制を止める気などさらさらなく、せいぜい「賃金カーブ見直し」でしかない日本経団連に比べれば、数十年前から愚直なまでに、年功賃金制を止めてフラットな賃金制度にすべき、と主張し続けてきた清家さんに対して、もちろんほかの批判はいろいろとあるかも知れませんが、少なくともその最重要論点である賃金制度について、こういう批判(の名に値しない誹謗)を得々とやれる神経というのは、なかなか理解しがたいものがあります。
いやもちろん、それは労働問題についてある程度分かっている人々の間での話であって、「あの慶應の塾長さんって誰?」というような人々のみをターゲットにしてマーケティングをやっておられるのである以上、とやかく文句をいうのも野暮の極みなんでしょうけど。
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http://ikedanobuo.livedoor.biz/lite/archives/51830558.html
こちらでも、労働生産性=付加価値額÷賃金という式をたてて、賃金を下げれば労働生産性が上がるとか言ってるみたいです。どう見てもおかしいと思うのですが…。
投稿: 案山子 | 2012年12月12日 (水) 19時05分
若者よりも年寄りの方が暴動を起こす気満々のような気がしないでもないですが。
投稿: フレディ | 2012年12月13日 (木) 12時45分